2014年2月17日月曜日

先輩、後輩、暁星


最近、同窓の人々と楽しく集う機会が多い。幼稚園から高校までの一貫校という環境で育ったせいで、大人になっても独特の連帯感がある。

千代田区にある暁星学園がわが母校である。キリスト教教育の先駆け的な学校だが、別にストイックに宗教を押しつけられた記憶はない。

自由な校風の割には、一定のルールを破るとすぐに留年や退学処分を下すケジメのある学校だったと思う。

いまも同学年の面々と頻繁に会っているが、最近は、先輩や後輩との交友関係も広がり、妙に楽しい時間を共有している。

FacebookなどSNSの影響も大きいが、それよりも先輩、後輩ともに不思議と「同じ匂い」を感じるため、何年、何十年ぶりに再会しても瞬時に子供のように打ち解ける。得がたい関係だと思う。

先日、3つ上の先輩と6つ下の後輩と飲む機会があった。後輩とその連れの女子チームが遅れてくることになったので、とっとと先輩とグビグビ飲み始めた。

3つ上の学年には私の兄もいたため、その先輩のことは小学校時代から知っている。とはいえ、一緒に飲んだのは2年ぐらい前が初めてで、二人きりで会う機会はなかった。でもすぐに盛り上がるから不思議である。

この日出かけたのは最近毎週のように出没している「串銀座6丁目店」。遅参組を待つ間、漬け物と温泉卵だけをツマミにアーダのコーダの楽しく飲んでしまった。

それにしてもこの店の「温玉」は抜群に美味しい。400円もするが極上である。「コレステロールが通常の卵の20分の1」という店員さんの眉唾モノ?の決まり文句のせいで、この日も2個食べてしまった。


おまけに温玉入り鶏雑炊まで食べてしまったから合計3個である。ちょっと問題だと思う。

話が逸れた。

そして全員揃った頃には既に酔っ払い状態である。その後も先輩とバカ話に花を咲かせ、カラオケに移動したら好き勝手に歌合戦モードになってしまった。

偏屈ぶりを発揮した私は途中で帰ってしまったのだが、その飲み会は明け方4時まで続いたらしい。オッサンパワー恐るべしである。

その日の飲み会を企画したのは6つ下の後輩だ。母校在学中に接点があったわけではない。大人になってから知り合い、お寿司屋さんを紹介したり、彼の行きつけの割烹料理屋を紹介されたりしているうちに仲良くなった。

それにしても、6つ上の先輩を遊びに誘ってくれる姿勢は偉大である。ひとかどの大人になってから、少し年上という理由だけで先輩ヅラされても楽しいはずはない。

でも、誘ってくれるのだからエラい。尊敬する。女子まで連れてくるし、出張先のお土産までくれた。

ただ、私が以前プレゼントしたエロ本を女子の前で返却しそうになったセンスは問題である。そういう点は先輩として厳しく指導しないといけない。

別な日、やはり母校の2つ下の後輩と飲む機会があった。母校在学中から知っている男で、日々エネルギッシュに活動している。

お互い、銀座で飲む機会があるため、その後輩が夜の街で私を「捜索」していることも知っていた。でも、何となく合流する機会のないまま数年が経っていた。

私もいよいよ逃亡生活に疲れ?ようやく合流の夜が訪れた。某店で綺麗どころ相手に調子に乗って飲んでいた私の前に突如デカい男が仁王立ちしている。その後輩の登場だ。

さすがにエネルギッシャー?だけに、私がいたその店のスタッフとも顔見知りである。さすがだ。

しょうがないから違う店に連れて行ったが、そこでもヤツはみんなと顔見知りである。恐るべき後輩である。

その後、ヤツのテリトリーに連れて行かれ、ワイワイガヤガヤ深夜まで痛飲。後半のことはよく覚えていないが、最後はなぜかアジャコングと飲んでいた覚えがある。

今後、彼と合流する場面が増えたら私の身体は確実に衰弱していくような気がする。

それにしても、この後輩もわざわざ先輩と合流しようと思ってくれるわけだから大したものである。

私のようなズボラな人間だとそうはいかない。「先輩と飲むなんてメンドくせ~」とか言っちゃいそうである。

後輩達の活躍?のおかげで、自分の小ささを反省する良い機会にもなった。ありがたい時間である。

わが母校は小学校で1学年あたり120人程度、中学高校で170人程度だから、なんとなく皆が顔見知りになるような空気がある。

真面目に東大に行くような面々、そこまで優秀じゃないけどキチンと学校生活を送る面々、部活に全てを賭けて奮闘する面々、おちゃらけてバカばかりしている面々、そのほか、男子校ゆえに、オネエっぽい種族?の一群もいたりする。

いわば、そういうグループごとの分類で成り立っているわけだが、一貫校という特性上、長い付き合いだから、いずれのグループだろうと緩やかに繋がっていたのが特徴かもしれない。

そのせいで大人になってからも交流が続きやすいのだろう。分類上、違う種族に属していたとしても、不思議と母校出身者に共通する「匂い」があり、当事者同士、割とすぐに「匂い」に共感して打ち解けていく。

なんか変な言い方だが、そういう空気が私立の一貫校にはあるのだと思う。

その昔、麻布中・高の同級生だった縁で橋本龍太郎元首相と作家の安部譲二氏が楽しそうに対談している記事を読んだことがある。片や総理大臣、片やヤクザになって塀の中に長くいた人である。

そんな対極的な二人でも往時を懐かしんで意気投合する感じが面白くもあり、妙に共感できた。

もちろん、一貫校にも良い面と悪い面がある。合わない子どもにとっては最悪だろうし、井の中の蛙状態で、競争に弱くなる面も否定できない。

私も自分の経験が絶対などとは思わないが、最近、母校の繋がりに救われていることもあって、ついつい一貫校の在り方に肩入れしてしまう。

他意はないので誤解なきよう。

さてさて、親子2代とか祖父から3代同じ学校に通うパターンが一貫校の特徴としてあげられる。そんな伝統も校風を固めていく要素だと思う。

私の周りにも子どもを母校に通わせている友人は多い。残念ながら私の息子は生まれながらの障害のせいで母校にチャレンジ出来なかったのが残念である。

まあ、それはそれで、アイツも小、中、高一貫の支援学校に通わせてもらっているから、彼なりの「竹馬の友」が見つけられたらいいと思う。

そんなわけで、人生後半戦にもかかわらず、子ども時代の繋がりでヤンチャな顔して酒を飲める今が素直に嬉しい。

そういう機会をもっと増やしていこうと思う。

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