2019年2月8日金曜日

ヤンチャとアホ


「ゆるくご飯でも行きましょう」。そんなことを言われると「ゆるく」が引っかかる。

気軽に、かしこまらずといったニュアンスなんだろうが、昭和人である私の耳は偏屈である。なんだか気持ち悪い。「ご飯がゆるい」みたいだ。

まあ、言葉は時代とともに変わるから目くじらを立てても仕方がない。私も若い頃はきっとヘンテコな言葉を乱発していたのだと思う。

「昔はヤンチャだったんだよ」。最近こんな言い回しをよく聞く。ヘンテコだ。「ヤンチャ」の意味合いが歪曲されている。

ヤンチャとは、いたずらっ子とか、元気が有り余っている際に使う言葉だ。行き過ぎた不良行為を意味する言葉ではない。

尾崎豊ばりに♪盗んだバイクで走りだす♪みたいなパターンはヤンチャではない。純粋に窃盗罪。単なる犯罪だ。

犯罪レベルの悪事に励んでいた過去を大したことではないようにボカす意味合いで「ヤンチャ」が乱発されるのはどうかと思う。

未成年者が酒を飲んだりタバコを吸ったりする程度がヤンチャの意味としては妥当だろう。いや、ひょっとするともっと軽微なイタズラ程度が本来の意味だ。

子どもが駄々をこねる際の「イヤじゃ、イヤじゃ」が訛って「ヤンチャ」という言葉になったという説がある。

そう考えると、不良を意味する言葉ではなく、ひねくれ者あたりに使うほうが語源としては近いのかもしれない。

まあ、そんな屁理屈を語っても仕方がない。「ちょっとした不良」という意味で広まっている以上、私がウダウダ言ったところで屁の突っ張りである。

でも、あくまで「ちょっとした不良」までで留めるべきだと思う。凄い悪事まで「ヤンチャ」の一言で片付けられるのはダメだ。

若い頃の悪事をみんなひっくるめてヤンチャだというなら、学生運動で国家転覆を企んだ過激派の面々だって、ヤンチャの一言で済まされてしまう。

強姦魔や人殺しまでしちゃう半グレとか、シャレにならないレベルまでヤンチャという言葉で済まされたらたまったものではない。

YouTubeで注目を浴びようと度が過ぎたオフザケに励む若者が世界規模で増えている。

ヤンチャで済むようなものから犯罪と呼べるものまでさまざまだ。若気の至りで笑える程度なら悪くないが、死人まで出ているとか。

命がけでふざけるなんてアホの一言に尽きる。ヤンチャはヤンチャ。犯罪は犯罪。その中間ぐらいに「アホ」というジャンルがあるわけだ。

「オレって昔は結構ヤンチャだったんだぜ」とか語っているヤツの多くが、「オレって昔はアホだったんです」と言い直したほうが正しいと思う。

自分の若い頃を棚に上げてイヤミったらしくこんなことを書いている私もスットコドッコイである。

意味不明だ。

2 件のコメント:

道草人生 さんのコメント...

完全に同意ですねえ。「軽くメシでも行こうか」で良いように思います。ゆるく云々なんて言われると時代に迎合している感じがします。

ヤンチャも富豪記者殿のおっしゃる通りで小学生くらいの子供のいたずらに使われる言葉でしょう。どうも軽い語感をの言葉を使って責任を軽くするような気持ちが見え隠れして気持ちが良くないですね。

富豪記者 さんのコメント...

道草人生さま


ありがとうございます。

まさにゴマカシたい心理なんでしょうね。

オブラートに包むのとは異質な感じがします、