2021年11月22日月曜日

ラーメンを語る


普段はあまりラーメンを食べないのだが、寒くなってきたせいか、ちょくちょく食べたくなる。

 

こっちとらぁ江戸っ子だぜい、とイキがっている時は「ラーメンはやっぱり醤油だな」と言いたくなる。ましてや私の実家は荻窪に近い。一部の人には醤油ラーメンの本場?みたいに思われている場所だ。

 

確かに馴染みがあるのは醤油ラーメンだ。子供の頃はそれが基本だった。ラーメンが今みたいに世間から大注目される時代ではなかったから、あくまでラーメンといえば昔ながらの醤油ラーメンだった。

 

そんな私も半世紀以上生きてきて、本当は醤油ラーメンがたいして好きではないことに気づき始めている。いや、前から気付いていたのだが、東京人の矜恃のせいでそれを認めていなかったわけである。

 



 ここ数年、ちょこちょこラーメンを食べてきたが、私は紛れもない味噌ラーメン好きだと痛感する。今年の9月に行った札幌旅行で再認識した。

 

「醤油ラーメンこそ一番」などと得意げに語っているのは、実は巨人ファンなのに阪神を応援しちゃうインチキみたいな話である。

 

まあ、醤油ラーメンも嫌いではないのだが、チャーシューがぶりぶりトッピングされた場合に限ってムホムホ食べているのが実情だ。

 

チャーシューをあり得ないぐらいトッピングしてくれるラーメン屋さんは不思議と醤油ラーメンの店ばかりである。詳しいわけじゃないので断定できないのだが、そんな印象がある。ちなみに下の画像は肉塊油そばという名のジャンクな一品。まあこれは例外だ。

 


 

だいたいチャーシュー麺といえば漠然と醤油ラーメンの上にチャーシューが多めに乗っかっているイメージだ。味噌ラーメンの場合、味噌チャーシュー麺と呼ばないとピンとこない。

 

味噌ラーメンだろうと私はチャーシューを山ほど載せたい。厳密にいえば味噌ラーメンファンではなく味噌チャーシュー麺が好きだ。

 

ちなみにチャーシューが山ほど乗った醤油ラーメンとチャーシューが12枚しか乗っていない味噌ラーメンだったらどちらを選ぶか考えてみた。

 

断然、チャーシューがぶりぶり乗っているほうを選ぶ。そう考えると声高に味噌ラーメン好きだと叫んだことも怪しいものである。

 

結論としては単なるチャーシュー好きというシャバダバな話になってしまった。ビミョーだ。


ついでに言わせてもらうと、トンコツラーメンのチャーシューは何であんなに薄っぺらいのだろう。人を小馬鹿にしたような薄さだ。


カツオの刺身をやたらと分厚く切る風習とトンコツラーメンのペラペラチャーシューはニッポンの食における隠れた大問題だと思う。


話がそれた。


先日、散歩の途中で「どうでもいい感じのラーメン屋」が目にとまった。店名が北海道っぽい印象だったから味噌ラーメンが基本だろうとノレンをくぐってみた。

 



「どうでもいい感じの店」というのがポイントである。イマドキのラーメン屋は何だかマニア向けに凝りすぎている印象がある。ただ普通に何となくラーメンを食べたい時には「どうでもいい感じ」が恋しくなる。

 

○△系だ、渾身のナンチャラスープとか、食べログだミシュランだとか、そういうのを完全排除した「どうでもいい感じの店」って意外に見つからない。あったとしてもマズそうな雰囲気が漂ってくる店ばかりだ。

 

先日入ってみた「どうでもいい感じの店」はビルの地下にあったせいで外観がよく分からず、階段を降りたついでに扉を開けちゃったから引き返す勇気も出ず黙って椅子に座った。

 

ガランとした店内は空いていて、いわゆるラオタさん達が来るような気配はまったく無い。絵に描いたような「どうでもいい感じ」だった。

 



で、チャーシューとコーンをトッピングした味噌ラーメンがやってきた。見た目は悪くない。味は普通。いや、良い意味で「どうでもいい感じ」の味だった。

 

スープが脂っぽい感じがしたが、きっと味噌ラーメンと抜群の相性を誇るバターがたっぷり溶けているのだろうと都合良く解釈したら妙に美味しく感じた。たぶん違うのだが。

 

「どうでもいい感じの店でどうでもいい味のラーメンを味わう」。アマノジャク精神を旨とする私にとっては悪くないパターンかも知れない。

 

問題はそんな路線の店の話を書いたところで、ちっとも面白くならず、誰にも参考にならない点である。

 

やはり私はチャーシューだけをトッピングした冷やし中華を一年中食べているのが無難みたいだ。

 





 

 

 

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