2022年11月4日金曜日

築地のお寿司屋さん


コロナ前に何度か通ったままご無沙汰していたお寿司屋さんに最近になって時々足を運ぶようになった。2年以上も間があいたから一見さんのような顔をしてコソッと訪ねたのだが案外覚えていてもらえるもので、アウェー感?無しに居心地良く過ごせるのが有難い。

 

築地にある寿司岩の本店がその店。築地界隈はお手軽なお寿司屋さんがたくさんあるが、こちらはちょっと高級志向で客層もオジサン、オジイサンが大半だ。

 

特別なウリがあるとかビックリするほどウマいとかそういう特徴は無い。でもネタは上質だし一品料理も丁寧に仕上げられ全体的に高水準なところが気に入っている。

 



築地界隈で寿司を食べるのにそんな路線の店を選ぶのはバカみたいだという見方も出来る。高級寿司なら隣の銀座にいくらでもある。でも、この店は高級といえども銀座のアホみたいに高い店よりはマトモな値段で済む。

 

おまかせ一辺倒みたいなエセ寿司屋が苦手な私だからこの店のように昔ながらの普通の食べ方が出来て、そこそこ高級感がある店は有難い。多少ゆとりがあるオジサマ族がゆっくり快適に過ごすには悪くない選択だと思う。

 

大箱ではないが小さな店ではないので職人さんとの距離が近すぎないのも良い。一人でボーッとしたい時や連れの女性相手に怪しい会話をしたい時にも便利だ。

 

30歳ぐらいの頃から寿司屋という世界に詳しくなりたくて客としての修行に長年明け暮れた。いつの間にか修行生活も1周回ったどころか2周、3周したような感じなので今ではTPOに応じてユルく楽しむようになった。

 

大衆寿司屋にも喜んで入るし、中級、高級いずれのカテゴリーの店にもそれぞれの良さがあるから昔みたいに細かいことにはこだわらずに過ごすようになった。加齢による進化だろう。

 



ウジウジと書き続けてしまったが、この店の話に戻る。近隣のカジュアルなお寿司屋さんが居酒屋的だとすればこちらは料理屋的な立ち位置といえよう。焼きガキの皿にも紅葉を添えるあたりがニクい。この歳になるとこういう部分が嬉しい。

 

これからの季節、酒のツマミとして大活躍する白子もここでは温かい状態で出てくる。実にホッコリする。ぶっきらぼう?に出てくる冷たい白子ポン酢も好きだが、時には汁物感覚で白子を楽しむのもオツだ。

 

刺身をちょこっともらって土瓶蒸しも堪能しながら一献傾ける時間は自分が中高年男で良かったと痛感する瞬間である。その昔、背伸びして目指したオジサマという生き物に自分が辿り着いていることが感慨深い。

 

何を言っているのかよく分からないが・・・。

 




ウニとボタンエビの食べ比べ画像だ。こういうプチ贅沢も嬉しい。聞くところによると大半のボタンエビは正式にはトヤマエビという名前で、そうじゃない方の太平洋側の福島や千葉あたりで獲れる少数派を本ボタンエビというそうだ。まあどっちも美味しいから問題無し。

 

握りもデカ過ぎず小さ過ぎず上品な感じだ。間違いのないネタが揃っているので充分満足出来る。シャリがどうだネタの切り方がどうだ等々ウンチクを言い出せばキリがないが、こちらはごく真っ当な握りだ。

 





私が一番好きな車海老もキチンと美味しい。即席ではあるがヅケもあるし煮蛤も用意されている。刺身や一品料理をツマミに熱燗をゆるゆる飲んだ後に好きなネタをいくつか握ってもらえば大満足である。

 

最初にとくに特徴は無いみたいな書き方をしたが、逆にそこが特徴かもしれない。だからグルメサイトに必死に寿司のウンチクを書き込むような雰囲気のお客さんは見当たらず、むしろグルメサイトなど見たことないような年代の客ばかりが集っている。自分なりの寿司の楽しみ方を確立している人なら使い勝手がいい店だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ごもっともです。
年齢を重ねるのも良いですね!

富豪記者 さんのコメント...

コメントありがとうございます!

はい、加齢は華麗ですよね!