2009年1月14日水曜日

「わざわざ」って大事

基本的に和食党の私だが、さすがに年末年始の和食攻めに飽きてしまい、無性に中華料理が食べたくなった。先週某日、銀座にある「麒麟」というレストランに入ってみた。

6丁目界隈をぶらぶらしているときに、いつも綺麗な店構えが目に入っていたので開拓精神で訪ねた。

いくつもの選択肢から好きな品物を一定の値段で注文できるプリフィックスコースを頼んだ。選べる料理の種類もかなり豊富で、一応フカヒレの姿煮や北京ダックあたりの人気モノも選べる。


そのほかにも別のフカヒレ料理や大正海老の塩炒め、黒酢の酢豚やチャーシューを注文してガツガツ食べる。

お味のほうは別段悪くはないが感動もない。ブログでは、なるべく誉めたいと思っている私だが、正直言ってごくごく普通。価格帯を考えたらもう一息頑張って欲しいレベル。

チャーハンとか麺類もしっかり完食したので、文句を言うほどではないが、いまどきの若者の味覚に合いそうなやたらとハッキリした味付け。そして中華系の店が好んで使う化学調味料の後味がいつまでも舌に残る。

ところで、銀座で中華といえば、福臨門や赤坂離宮、筑紫楼あたりの高級有名店が思い浮かぶが、以前、知人に連れて行ってもらった地味なお店が凄く美味しかったことが印象的だ。

店の名は「羽衣」。7丁目の地下に構える知る人ぞ知る店。特別豪華なわけではなく、気軽な雰囲気でお値段も至極真っ当。そして何を食べても美味しかった。

水餃子、スープ餃子など点心類などは延々食べ続けても飽きないほど味わい深い。その他の料理も、いわゆる一口目のファーストアタックでガツンとくるような強い味ではなく、滋味溢れる誠実な感じ。

銀座界隈に出没する機会がそこそこあるのだから頻繁に食べに行けばいいのに、だいぶ前に行ったきりだ。

ふと思い出したのは、最初にアレコレ書いた中華レストランに満足できなかったことがきっかけ。「もっと旨いところがあったよなあ」とボケッと考えていた時に脳裏に浮かんだ。

店探しの探求心も必要だが、確実に美味しい店にしつこく通うほうが賢明。いつも和食系、とくにお寿司屋さん探訪でそれを実践しているのにこの日の中華はちょっと残念。

食後の腹ごなしで新年の“檀家まわり”。まずは8丁目の「C」へ。タイムスリップしたかのような女性をパチリ。さすがに夜の銀座も正月気分。

この日、夜の街には、和服姿の女性がやたら目に付いた。男性の着物姿もチラホラ見かけた。粋な姿を目指して檀家まわりに精を出す中高年男性客だ。

わざわざ和装するなんてナンダカナーと思って眺めていたのだが、それはそれで格好良く思えたりもする。

今の時代、「わざわざ」って大事なのかも知れない。化学調味料にたよらず丁寧に深い味を出す中華料理の店だって「わざわざ」の部分が美味しさにつながっている。

ホステスさんの日本髪だって、「わざわざ」の労力が客を楽しませる(ギョッとすることもあるが・・・)。わざわざ着物をまとってきたお客さんも、きっと店側から見ればその心意気が心地よいはず。

新しい年、私も「わざわざ」を大事にしよう。今年も「わざわざ」銀座まで行って酒を飲んだりしようと思った。

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