1ヵ月ぶりにお寿司屋さんでキチンとお寿司を食べた。たかだか1ヵ月と思われるかも知れないが、ここ20年以上、週に一度は通っていたから、これだけ間隔が開いたのは私にとっては事件だ。
アニサキスアレルギーという厄介な診断をくらってしまったせいである。それだけならともかく、“同士”が集うSNSに参加して症状が重い人の話を読み過ぎたせいで一気にビビリ男になってしまった。
とはいえ、重症なはずはないと信じ、体調が良くない時だけアレルギー反応が出るものだと確信していたから、元気な日を狙って食べまくることにした。
決戦の場は目白にある「鮨おざき」。今の住まいに引っ越すまで週に一度は通っていた店である。大将との付き合いも20年ぐらいになるだろうか。
4か月ぶりの訪問である。実に不義理な客である。久しぶりにやってきてアレルギーが爆発して卒倒したら店としては堪ったものではない。
でも、死にそうになっても長い付き合いの店だったら見捨てずに救急車ぐらいは呼んでくれるはずである。
で、食べてみた結論は全然問題なかった。悠々セーフである。ホッとした。今後も元気な日には普通に鮨を楽しむことが出来るわけだ。
この日は、ある意味で私自身の人体実験だったからアレルギー業界?では何かと悪役にされがちな青魚をしっかり食べた。
ほんの軽く締めたサバ、少し炙ってポン酢で味わうサンマ、藁で炙ってもらったカツオである。
ただただウマい。しばしの禁欲生活のおかげで涙が出るほどウマい。とか言いながら、やはり心のどこかでビビりモードになっていた。
最高にハッピーなのにその点は残念だった。コ〇ドームを2枚重ねてコトに及ぶような残念さである。
そんなヘンテコなことはしたことないが・・・。
イクラが美味しい季節だからたくさん食べた。この日はまったくの生イクラのほか、塩イクラと醬油漬けイクラが用意されていた。
格別な味わいだったのが塩イクラだ。昭和の東京人にとってイクラは塩漬けが標準仕様だった。いつのまにか醬油漬けに天下を取られてしまった感じだが、やはり昔馴染みの味はホッコリする。
穴子も塩とタレと味わい、茹でたての海老や鯛、ウニ、コハダ、おぼろカンピョウ巻なんかも食べた。刺身、ツマミ以外に握りは全部で10貫ぐらい食べた。私にとっては結構な量である。
この日、寿司ネタ以外に美味しかったのがドウマンガニ。幻の蟹と言われているそうだが、ワタリガニ系統だからナメてかかっていたのだが、奥深い味わいでちょっと驚いた。
これを書いている今はただただ美味しかったことを思い出す。でも、さんざん食べて帰宅した後はさすがにオドオドしながら過ごした。
市販の抗アレルギー剤を用意して体調の変化を注意深く見守る。クスリをさっさと飲んじゃう選択肢もあったのだが、それだと人体実験の意味はない。
素のままの状態で無事に朝を迎えられるかどうかを見極める必要があった。祈るように眠りにつく。
翌朝、快適に朝を迎えた。ひとり大げさにガッツポーズを繰り返す。バンザイ三唱したいぐらいの気分だった。
それにしても、たかだか1ヵ月とはいえ禁欲生活は切ないものである。そう考えると各種のアレルギーで不便な暮らしをしている人が本当に気の毒だ。
私と同じアレルギーでも、重症の人は鰹ダシでも症状が出ちゃうそうでラーメンさえ食べられないケースがあるという。
今の時代、ガンだって直るのにアレルギー問題はなかなか改善されない。もう少しなんとかならないものだろうか。
2 件のコメント:
アレルギー症状が出なくて、本当に良かったですね。
そう言えば、私がこちらにお邪魔するようになったのは、
『鮨おざき』を検索したことがきっかけでした。
由乃さま
ありがとうございます!
そうだったんですね。ぜひ贔屓にしてください!
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