2020年6月3日水曜日

デブのコツ


なかなか体重が落ちない。マメに歩いたり、乗っているだけで運動になるというブルブルマシーンを使っているが、ちっとも効果はない。



この歳になると基礎代謝が無くなっちゃうから、呼吸しているだけで太る。アクビをしたら1キロぐらい増える気がする。

さて、デブの原因は食べ過ぎである。言い換えればデブになるコツはバカみたいに食べることだ。これは真理だ。

自分の行動分析をして気付いたのだが、私がデブになっているのは「複数」がキーワードである。

外食の場で1品しか注文しないというパターンは私にはない。飲み屋ならいくつかツマミを頼むのは普通だが、酒抜きの場でも複数の注文をしてしまう。

ラーメンにも餃子を追加するし、ソバ屋に行っても暖かいソバと冷たいソバを頼むのが標準形である。

先日、久しぶりに日本橋の「大江戸」にウナギを食べに行った。まだまだ飲食店は大混雑という状況にはない。人気店にも予約無しでふらっと入れることが多い。

だからまた太るという悪循環でもある。

鰻重だけを食べてサッと帰るのもイキだが、私はどうしてもそれが出来ない。ダラダラとアレコレ食べながら過ごしてしまう。



アンキモ山椒煮と生ウニで冷酒をカピカピ飲み始める。幸せだ。鰻屋さん独特のアノ香りの中でウナギを待ちながら飲む時間は最高だ。

このあとで鰻重を食べればいいのに、そうしないところが私がデブでいるコツである。



白焼き登場だ。わさび醤油で楽しむ白焼きは冷酒のウマさを引き立たせる。日本酒だって高カロリーだからデブという見地からは悪循環である。

白焼きでウナギをしっかり一尾食べているのだから、ここで終了でもおかしくはない。カロリー的にも充分だし、白焼きを食べ終わった時点で、冷静に考えれば空腹ではなくなっている。

でも、でも。でもである。この後、鰻重を食べずに帰ることは難しい。それが常識だ。常識であり流儀であり仁義でありマナーであり習慣である。



で、鰻重がやってきた。せめて一番小さいサイズを頼めばいいのに、ウナガー、ウナギストとしての矜恃がそれを許さず、大きめのサイズを注文してしまう。

デブ完成である。

別な日、胃と腸の検査後に洋食屋さんの揚げ物およびタルタルソースが食べたくなって「銀座スイス」に出かけた。カニクリームコロッケとエビフライを両方注文しようと思ったのだが、体重を気にして断念、ミックスフライだけにしてみた。



これにご飯をもらえば充分に幸せなはずだが、そうはいかないのが私の病的な特徴である。

こういう店のライスは盛りが上品なのが問題である。ダンディーなふりをしながらの一人メシだ。「ご飯は大盛りでね!」と明るく頼む勇気はない。自意識過剰なバカである。

悩んだ末の結論はオムライスだ。ライス大盛りよりカロリー的には断然多い。でも腹ペコだったせいで、余計な注文の仕方をしてしまった。



デブ完成である。

つくづく思う。後悔ってどうして後からやってくるのだろう。ウナギの時もオムライスの時も、注文したり食べている時は単に幸せでウッシシな気分だった。

たいていは翌日に後悔して自己嫌悪になる。分かっちゃいるのにやめられないってヤツである。

何十年も同じことをしている。そんなブレない愚かさもデブのコツだろう。

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