2022年6月22日水曜日

銀座の同伴


先日、久しぶりに夜の街の「同伴」に付き合った。コロナになって以来すっかり銀座のクラブとは縁遠くなったから妙に新鮮だった。

 

最近になって銀座にもそこそこ活気が戻っているらしく、私の元にも営業連絡が随分と来るようになった。かつてはちょこちょこ通っていたのに一度習慣がなくなるとちょっと億劫になる。

 

銀座の近くに住むようになってから夜の銀座に通わなくなった。そんなものだろう。いつでも行けるという感覚がそうさせる。今ではクラブ街の真ん中で夕飯だけ食べてとっとと帰宅することもある。

 

良いことだ。いや、一概にそうは言えないかも知れない。夜遊びにも効用はある。男としての活力維持につながる。老け込まないためにも時々は夜の街の空気に触れていた方が健康的な気がする。

 


 

今回は斬新な?食事を楽しみたい気分だったのでスペイン料理屋に出かけた。行きたかったスペインレストランが満席で第2候補の店もいっぱい。でも頭の中がパエリアだったので銀座5丁目の老舗「エスペロ」に向かう。

 

気軽に海外旅行に行けるようになったら真っ先に行きたいのがスペインだ。とくに理由はないのだが数ヶ月前からそう思い込んでいる。だから無性にパエリアが食べたかった。

 




 

本当はパエリアを複数頼んでそれだけをバクバク食べたいのだが、さすがにそうもいかない。アヒージョだとかオムレツなど定番料理をあれこれ頼んでスペインのシュワシュワであるカバをグビグビ飲む。

 

イカとウニを使った一品がなかなか美味しくカバが進む。ちなみにスペイン料理屋さんの良い点は何といってもシャンパンが置いていないところである。

 

カバがその役割を果たすわけだが、シャンパンより圧倒的に安いからお財布に優しい。エセ富豪としては無駄に高いシャンパンを注文して気持ちが落ち込む心配がないのが嬉しい。

 


 

お待ちかねのパエリアである。和装のオネエサンとのアンバランスな組み合わせが「いとをかし」である。着物姿の女性と一緒なら和食屋に行くのが普通なのだろうが、そこはアマノジャクこそ美徳を旨とする私である。こういう光景も大好きだ。

 

パエリアは何種類もあったが、この日はオーソドックスな肉のパエリアにする。本場スペインと同様にちゃんとウサギ肉を使っていると聞いたのでそちらを選ぶ。

 


さも分かったような書きぶりだが、この日満席で入れなかった別な店の「ポルチーニと鴨のパエリア」なるフュージョン系?が本当は食べたかった。近いうちにぜひ食べたい。

 

さて、同伴メシとはいえ今回の相手は長い付き合いのオネエサンでとくに新鮮さ?はなかったが、それはそれで悪くない。変にドギマギしたりアワアワしたり、あわよくば!みたいな邪念が無いままひたすら食事に没頭。話題もお互いの健康面に関する話ぐらいで実に平和だった。

 

その昔、10年ぐらい前まではもっとギラギラした感じで同伴メシに臨んでいたこともあった。単純にもっとカッコつけていたような気がする。

 

今だってそんな感性は必要だろう。この日のようにお爺ちゃんみたいな気分で過ごしていてはダメである。今更ながら昔を思い出して改めて気合いを入れ直そうと思った。

 

以前はちゃんと“くどきモード”になるような店にも行ったし、実際にそんな努力?も重ねたりした。撃沈続きとはいえ上手くいったことだって一度や二度ではない。

 

逆にスンゴいセクシー攻撃にたじろいで我を忘れこともある。早い時間から怪しい高級個室カラオケに連れて行かれて、あんなことやそんなことをされて血圧が上昇した事件もある。

 

死ぬ前に走馬燈のように思い出が頭の中を駆け巡るらしいがそんなシーンもきっと混ざり込むぐらいインパクトがあった。詳しく書けないのが残念だ。

 

同伴メシがフードファイトみたいな状態になったこともあった。もう10年以上前の話だが、お気に入りのトンカツ屋にお気に入りの女子を連れて行きアホほど食べた。相手にもアホほど食べさせた。

 

ロースカツの他にヒレカツを半分、それにエビフライ、メンチカツ、揚げ物ばかりじゃ気の毒だと思ってポークソテーまで食べさせた。

 

その後、その相手とは親密な間柄になったこともあって、その時の同伴メシの文句を後になってから随分と言われた。とんかつ屋のあとでお店に着いてからトイレで吐きまくったらしい。気の毒なことをした。

 

私の気配りや思いやりは時に人を苦しみのどん底に突き落とすこともあるらしい。それ以来ちょっとは気をつけるようになった。

 

銀座での同伴にまつわる話は4年前にもこのブログで書いていた。読み返してみたが、この頃から既に“老境”みたいな気分になっている。

 

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2018/04/blog-post_25.html

 

色気のあるイケオジとやらになるためにはこんなことではいけない。枯れ過ぎてきた自分に渇を入れたくなった。頑張らねば。

 

 

 

 

 


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