2025年5月28日水曜日

キャンセル界隈

 

最近このブログで「エモい」という若者言葉に共感した話を書いた。若者言葉といえばいつの時代もヘンテコだ。いい歳してマネしているとカッチョ悪いだけだが、時には妙に納得して使いたくなるものもある。

 

いま若者の間で使われている言葉に「キャンセル界隈」がある。もともとは風呂に入りたくない人たちが「入浴キャンセル界隈」と言い出したことがきっかけらしい。

 

「〇☓界隈」はどんどん多様化して「外出キャンセル界隈」「ご飯キャンセル界隈」「人付き合いキャンセル界隈」など、何かしらの行動をやめちゃうための言い回しとして普及している。

 

ネット界隈(笑)でもこうした言い回しが特集されていた。https://www.j-cast.com/2025/01/26500869.html?p=all

 

この記事では何だかんだと細かな分析がされているが、若者たちは難しいことなど考えずに気軽に使っている。

 

端的に言えばちょっとだけ後ろめたい行動について「キャンセル界隈」を付けることで同士の存在を意識して緩やかな連帯感につなげようという感覚なんだと思う。

 

そのため「キャンセル」の頭にくっつく言葉はどちらかといえばネガティブな、人様から感心されないような行為となる。風呂に入らない、人付き合いをしないなどの決して褒められない内容が定番になる。

 

だから私のように最近になって頑張って節制していることを「デブキャンセル界隈」とは言わない。後ろめたくない、むしろ褒められるようなテーマだと「キャンセル界隈」に馴染まないわけだ。

 

どっちにしろヘンテコな言葉だから大人たちが四の五の語ったり考察するほどの話ではない。と、気取ってはみたものの個人的には妙に気に入った使い方がある。「健康キャンセル界隈」がそれ。

 

時々、ネットの動画で簡単な料理レシピを眺めているのだが、見るからに身体に悪そうな脂ブリブリガッツリ系のメニューにキャッチフレーズのように使われている。

 

いやはや実に的確な表現だろう。「脂マシマシ」などという暗号みたいな言葉でガッツリ系のギトギトラーメンを食べる動画などにも「健康キャンセル界隈の人にオススメ!」みたいに使われている。

 

たまたま節制中の私にとっては禁断の言葉である。実に魅力的な響きだ。もともとジャンクフードも大好きだし、チャーシューが20枚以上入ったラーメンにもヨダレを垂らす私にはとても麗しい言葉に聞こえる。

 

健康、健康とやかましい世間の風潮に真っ向から歯向かっているようで潔い言葉だと思う。個人的に大好きな言葉になった。今は実践できていないことが歯がゆい。

 

「キャンセル」が付いていない「界隈」にも面白い言葉がある。感心したのが「伊能忠敬界隈」である。やたらと歩く人のことを指すそうだ。長距離を歩いてしまった時などに使うらしい。なかなか趣のある言い回しだと感じた。

 

というわけで、きっと老若男女問わず誰もがなんらかの「界隈」に属して、何らかの「キャンセル界隈」を経験しているはずだ。

 

私自身のことを考えてみても、週末は「髭剃りキャンセル界隈」だし、平日も重役出勤がクセになって「目覚まし時計キャンセル界隈」である。最近は「夜の銀座キャンセル界隈」もすっかり定着してしまった。

 

もっと言えば生きざまそのものが「結婚生活キャンセル界隈」である。確かに「界隈」がくっつくと自分だけではなく他にも仲間がいてくれるような安心感がある。

 

もちろん、女性関係についてはまだまだ現役でいたいので「性交渉キャンセル界隈」に陥ることは避けたい。でも、いい歳して「年増の女性キャンセル界隈」を標榜していることは反省しないといけない。


なんだかなぁ~。。




 

 

 

 

 

 

 

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