タマゴの世界は奥が深い。外食の際などテキトーなタマゴを無頓着に食べがちだが、ウマいタマゴとマズいタマゴの差は思った以上に大きい。あまり神経質になるのもイヤだが、家で食べるならそれなりにタマゴにはこだわりたい。
食料品など日常の買い物はたいていネットスーパーで済ませてしまう私だが、タマゴは単純に高い商品を選ぶ。高いといっても6個入りで500円~800円ぐらいだ。ごく普通の10個入りパックに比べて2~3倍の値付けだが「なんとなく安心」をその値段で買っているような気がする。
廉価品より高いほうが味が濃い目だ。というか、安いタマゴには味がない。大量生産の廉価品はニワトリのタマゴというより一種の工業製品だという指摘もある。文明が進んだ今の社会で、ましてや都会暮らしをしていると本来のタマゴの味など分からなくなるのかもしれない。
高い値付けのタマゴもすべてウマいわけではない。なかにはさえない商品もある。とはいえ、鶏の飼育環境や餌にこだわっているらしいので「なんとなく安心」して食べている。
TKG、すなわちタマゴかけご飯を家で食べる時はコクや旨味が強いタマゴを選びたい。専用醬油もずいぶんと試してお気に入りを常備している私としてはその点にはこだわりがある。
最近のお気に入りは大分県で作られている「蘭王たまご」だ。通販でも買えるが、ふるさと納税の返礼品として頻繁に取り寄せている。返礼品だと最低単位が20個なので賞味期限内に食べきれないこともあるが、その場合は茹で卵をいくつも作り置きして間食用にしている。
「蘭王たまご」は単純明快に美味しい。コクや旨味が格段に強い。オレンジ系の黄身も美しい。通販の単価も凄い高値というわけでもない。これより高い値付けのタマゴも高級スーパーに行けば珍しくないが、私の経験ではそうした高級品よりもウマいと感じる。
TKGはもちろん、目玉焼きにしても茹で卵にしてもそこらへんでテキトーに買うタマゴとは一味も二味も違う。ベーコンエッグを作ってみてもタマゴの主役感が強い。
もともとこのタマゴの存在を知ったのは銀座の焼鳥屋さん「串銀座」でのこと。一品メニューの温玉に感激して4回おかわりしたこともある。ツマミだけでなく温玉を乗せたそぼろ丼も食べたくなる。このブログでも何度か書いてきたネタだ。
銀座界隈には焼鳥屋は星の数ほどあるが、私がこの店をリピートするのは単純に「蘭王たまご」を食べたいからだ。店側は焼鳥やそのほかの鶏料理を一生懸命作ってくれるのだが、私の目当てはあくまでタマゴだ。そんな本音は店主には内緒だ。
これが温玉そぼろ丼の画像だ。黄身の色が実にウマそうだ。実際にウマい。これが味がしっかりしたそぼろと相まって幸せな味になる。白米を永遠に食べられそうな気がする。
自宅ではそぼろを作ったり絶妙な温玉に仕上げたりするのが面倒だからもっぱらTKGを満喫している。時々は目玉焼き、もしくは茹で卵にして味わっている。
茹で卵の場合、沸騰したお湯に7分半程度、緩めの半熟が私の好みだ。黄身がちょっとこぼれそうなぐらいな状態でトリュフ塩を一振りしたらそりゃあもう悶絶である。
たかがタマゴ、されどタマゴである。自分の好みのタマゴを見つけて思い入れたっぷりに味わうことは日常にちょっとした彩りを添えてくれると思う。
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