オーナー経営者は「二つの財布」を持っている。ポケットマネーのほかに、会社経費の決裁権者という側面があるためだ。
税務署がオーナー企業をチェックする際に真っ先にターゲットにするのが経営者の公私混同。公私混同こそ中小企業経営のパワーの源という見方もあるが、常識的に見てヤバいものは税務署の格好の標的になる。
従業員として雇用しているように見せかけて、愛人のお手当を会社の経費から捻出するなどというベタなやり方は、タイムカードの突き合わせひとつでばれる。
そういう“おイタ”な話だけでなく、事実認定が微妙なものも多い。会社名義でクルーザーを購入したり、ヘリコプターを購入したりなんて話も新興系イケイケ企業を中心に現実に珍しくない。
社員の福利厚生、得意先の接待、緊急出張用の移動手段として正当に業務に活用すれば、純粋に会社がすべての経費を負担しても問題はないだろう。
ただ、オーナー経営者が自分のレジャー専用に使っていれば、その費用はあくまで経営者が個人的に支出すべきものと見なされる。
現実的な分野では社用車、すなわち会社名義のクルマの在り方が問題視されることが多い。実際に、経営者の中にはこのテーマを必要以上に思い悩んでいる人も多い。
「ベンツなんか買っちゃマズいだろうか?」といった思い込みだ。純粋に社用で乗り回すのなら何も問題はないが、漠然と“ちょっとソソるクルマ”だと税務署が文句をつけてくる危惧を抱いている人は多い。
このあたりの判断はあくまで事実認定にあるため、企業側が社用、経費としての正当性を客観的に立証できるかがポイント。
中古で30万円のオンボロ車だって、会社で購入したのに、経営者個人が自宅に置きっぱなしにして、子どもがレジャー専用に乗り回してるのなら会社の経費性はまったく認められない。要は、豪華か否か、イケてるか否かという問題ではなく、利用実態が大事。
ベンツを買おうが、ベントレーを買おうが、基本的に業務に利用するのなら税務署がアレコレ言う話ではない。
また、車のボディカラーは、紺や黒など地味にしないと対税務署的に危ないという意見を聞くことがある。これもはっきり言って都市伝説のようなものだろう。
2ドアやRVだって同様。そうだからといって会社での経費購入に規制があるわけでではない。税法や通達にもそうした規定はない。そのクルマに気付いた税務署の調査官から、業務との関連性を問われることがあるという話だと思う。
とはいえ、クルマ自体、見方によっては嗜好性の強い存在。好きな人であればこだわりも強く、こだわりが強ければ、つい税務署的視線も気になる。
そんな心配が絶えない人にお勧めなのが、経営者向けフリーペーパー・『オーナーズライフ』が実施するセミナーだ。
タイトルは、「誰も語らなかった正しい社長車選び」。気鋭の自動車評論家が“社長車”にマトを絞ってその本質を検証。同時に元東京国税局調査官による“税務署的視線”の話も用意されている。
詳しくは同紙ウェッブサイトで。
http://www.owners-life.com/
2008年8月21日木曜日
会社で買うクルマ
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