2010年10月25日月曜日

お燗酒

すっかり秋も深まった。こういう空気のなか恋しくなるのが「燗酒」だ。日暮れがすっかり早くなったので、アル中モードに入るのも早くなってしまった。

私の場合、燗酒はチンチンに熱いのが好みだ。チンチンが熱いのではない。

ぬる燗も悪くないが、口元でアチッとなって肩をすぼめるぐらいが嬉しい。

猫舌な私だ。必然的にチビチビと飲むことになる。なんか貴重なもの、有難いものを押し戴いている気分になる。のど元を過ぎて食道を通過する際のジンワリ感がたまらない。

熱い燗酒の良さは、短時間で大量の酒を摂取しないで済む点にもある。ぐいっと勢いよく飲めば当然、急ピッチで酔う。ゆるやかにホロ酔い気分を楽しめるからアツアツ燗はオススメ。

熱燗がウマい季節になると、歩調を合わせるかのようにアンキモとか白子なんかが登場する。ウヒヒーって感じだ。


先日、お寿司屋さんでジンワリ熱燗に浸ったときの画像。白子も食べたい、カワハギのキモも食べたい、でも身体に悪いと逡巡した際の結論だ。白子ひとつとカワハギひと切れだ。ちょびっとだけ食べるのは決して貧乏が理由ではない。健康のためだ。

カワハギの肝を刺身でくるむ。ジュンワリジュワジュワと肝が舌の上でとける。モミジおろしとポン酢をまとった白子がジョワジョワンと口の中で弾ける。幸福だ。

ちょびっと食べると、健康面への罪悪感もない。ちょこっとなら、尿酸値、コレステロール系に悪かろうが気にならない。食べたのは「ほんのちょっとだけ」と安心できる。

ただ、ちょびっとしか食べないでいると、その後も生イクラやウニとかキモ類を平気で注文してしまう点だ。

「ほんのちょっと」が5種類とか6種類になると結局、“成人病へようこそ・不健康大会”という事態になる。


この日は高田馬場の鮨源を止まり木にアルコール注入。ここに寄る時は、夜の席が入っていない日だ。ほろ酔いになっても街へ出ずに帰宅するパターンがほとんど。だから気も張らず、ゆるゆると過ごす。

キモや魚卵系ばかりじゃ身体に悪いと思ったので、カキをお吸い物風にして出してもらった。滋味滋味。満足満足。

次の日、ひょんなことから知ったのだが、カキはプリン体が非常に多いらしい。私の尿酸値がまたまた危険だ。

「貝はヘルシー」という思い込みだけでカキと付き合ってきたが、大いなる間違いだった。

考えてみれば、カキのあの味は、そこらへんの貝とは別モノだ。やはりウマいものには罠がある。

はたして珍味系でヘルシーな酒のつまみはこの世に存在するのだろうか。誰か教えて欲しい。

お燗酒を呑む機会が増えるこれからの季節、私にとってわが社の資金繰りと同じぐらい切実かつ重大なテーマだ。

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