2020年4月10日金曜日

異常という恐ろしさ


アッという間に世の中が変わってしまった。恐い話である。ほんの3ヶ月前の正月の頃、今の状況を想像していた人はいない。

まあ、ドンヨリしているだけでは仕方ないから、なるべく楽しい気分になるような前向きな気持ちは忘れてはいけない。

7年前の震災の後も世の中にドンヨリした空気が漂った。震災関連の映像を見過ぎて体調を崩す人が続出した。今も似たような状況だ。

ニュースは暗くて厳しい話ばかり。正しく知識を得ることは大事だが、悲観的な観測ばかりに意識を向けることは避けたい。ウツウツしたところでウイルスは消えて無くならない。



当然ながら夜の街もすっかり人が減った。どこの店もガラガラである。密集状態にはほど遠い店に入って、一人ぼんやり飲み食いする機会ばかりである。

公務員や大企業のサラリーマンはいざしらず、飲食業や一般の零細企業にとっては補償なき休業というのは廃業や倒産を意味する。

コロナ禍が長引けば、3ヶ月後、半年後に恐慌状態になるのは目に見えている。休みたくても休めない人は膨大な数だろう。

それと同時にマズいことになるのが、これから起きるであろう「自粛していない人バッシング」だ。ある意味で社会の分断が進みそうだ。

無責任に遊び回る若者が非難、糾弾されるのは当然だが、仕方なく外に出ている人までひとまとめにして社会の敵のように扱いかねない風潮が恐い。

SNSの広がりが生んだ正義感の押し売りのような窮屈な社会の風潮は今回のコロナ問題で暴走しかねない怖さがある。

ちょっとした間違いだとしても針小棒大に叩きたがるのが昨今の世相だ。誰かを攻撃することを正義だと勘違いしている連中はハイエナのようにターゲットを探している。

「志村けんを殺したのは中国人だ」。こんなヘイトスピーチが簡単に広まるのが今の社会の姿だ。緊急事態宣言で暮らしが窮屈になれば、根拠のない悪意に満ちた中傷やデマが溢れることは間違いない。

「誰もが誰かにとってかけがえのない存在」。教科書的な話になるが、やはり、他者への配慮を心がけることは大事だ。

配慮に値しないヤカラがいるのが困りものだが、攻撃する意識ばかりでは世の中がギスギスするだけだろう。

それにしても、マスク二枚だとか、緊急事態宣言のもったい付け方だとか、安倍政権への「?」は強まるばかりである。

「世界に一つだけの花」ならぬ「世帯に2枚だけのマスク」については、謎という言葉しか出ない。

安倍さんに赤っ恥をかかせて“安倍おろし”につなげたい勢力が仕掛けたという説を耳にした。

そんな笑っちゃいそうな話を聞いて逆に納得してしまったほどだ。そのぐらいピントのズレ方が尋常ではない。

もしマスク2枚という“英断”のウラにそんな思惑も何もなく、単に国民に支持されると考えていたとしたら逆に恐ろしい話だ。

誰かが言い出したあの話を誰も疑問に感じず、おまけに誰も止めずに一国の総理大臣に発表させたのなら、政権中枢が機能不全に陥っていると言えるのではないか。

普通の人が普通に考える常識が通用しなくなっているとしたら危険極まりない。






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