2020年11月30日月曜日

ピラフ病

2週間ほど前に私のソウルフードであるホテルグランドパレスのピラフの話を熱く語ったのだが、あれをきっかけに「ピラフ病」にかかってしまった。

 

私にとって持病みたいなものだ。要するに「やたらとピラフを食べたくなる症状」が続くことを言う。

 

某日、銀座・煉瓦亭に行って「エビライス」を食べた。チキンライスやハムライスではなく何となくエビライスにしてみた。

 



 

とても美味しかったのだが、食べている最中に「エビはやっぱりピラフだろ?」という謎のささやきが頭の中をかけめぐった。

 

別に炒めたメシでもチャーハンだろうと構わないのに、ピラフ病にかかってしまうと突如として根拠もなくそんな思考に陥る。

 

で、翌日さっそく向かったのが皇居横にあるパレスホテルだ。グランドパレスの親分?である。ここのカフェレストランには「伝統の」という言葉をメニューに冠したシーフードピラフがある。

 

もちろん、パレス系列はシャトーソース付きのピラフだ。これをビチャビチャかけて食べてこそ至福の時間になる。

 




 

素の状態とソースをかけた状態の画像である。こちらのピラフはムール貝などの貝類もバランス良く投入されている。

 

もはやエビの存在や貝などもどうでも良くなっている私はシャトーソースとピラフ米が混ざり合う官能的な味に酔いしれた。

 

つくづくニッポンの洋食というジャンルにおけるピラフの地位の低さが不思議である。

 

西洋料理とコメとの融合が洋食というジャンルを生み出した原点である。

 

だとすればピラフは洋食界の王様みたいに威張っていてもいいはずだが、洋食の世界における米モノといえばオムライスやハヤシライスがエース級のポジションにある。

 

ピラフといえば冷凍食品の定番みたいな位置付けで、オシャレな語感が漂うドリアにすら負けているのが現実だろう。


だいたい「わざわざピラフを食べに出かける」という行為が世の中に定着していない。わざわざ感が無いのがピラフの現実である。

 

可哀想なピラフ。。実に気の毒である。ピラフの地位向上を各方面に働きかけたいぐらいだ。その意味でもちゃんとした店のちゃんとしたピラフが別格であることを声を大にして言いたい。

 

パレスホテルでピラフを食べた翌日、夕方またピラフが食べたくなって、丸の内の東京會舘に向かう。こういう“連チャン状態”になるのがピラフ病の症状である。

 




 

ここもシーフードピラフが名物である。こちらはアメリケーヌソースをベチャッとかけるとウマさが爆発する。

 

舌平目だったと思うが、白身魚の細切りフライがトッピングされているのが特徴的だ。地味な見た目をカバーしている。

 

シャトーソースだ、アメリケーヌソースだと言われても詳細はよく分からないが、ピラフ用の「別添えソース」が用意されているパターンなら間違いなく美味しい。

 

「別添えソース=ピラフへの本気度」という公式である。ソースがちょっと足りないぐらいだと、ソースそのものへの有難みも強まる。

 

さて、ピラフ病が重篤だったこの日、東京會舘をあとにした私が向かったのは帝国ホテルである。バカみたいだが、目的はまたもやピラフである。

 

東京會舘で満腹にならなかったので、デザート代わりにピラフを食べようと場所を移したわけである。はしごピラフである。

 




 

1階のカフェレストラン「パークサイドダイナー」でシーフードピラフを注文した。以前は確かチキンピラフもあったと記憶しているが、いまメニューにあるのは「シーフードピラフ・パプリカ風味」である。

 

パプリカである。ちょっと問題だ。私はパプリカが苦手である。個人的な好みをさておいても「ピラフとパプリカ」の相性には疑問が残る。

 

100人にアンケートを採ったらピラフへのパプリカ投入を反対する人のほうが多いような気がする。

 

こちらもアメリケーヌソースがついてくる“本気ピラフ”である。そこはさすがに帝国ホテルだ。実際にピラフもソースも非常に美味しい。

 

でも、パプリカである。不幸中の幸いだが、細かくなったパプリカはまとめてピラフ上部に乗っかっていた。仕方ないから一気にパプリカだけ平らげて、パプリカ抜き状態にして食べた。

 

というわけで、ピラフのハシゴというピラフ病患者にとっての適切な治療を施したのだが、シメがパプリカだったことで、私の発作は完全に収まることはなかった。

 

10年ほど前、帝国ホテルでルームサービスのピラフを食べるという怪しい?時間を過ごしたことがある。

 

あの時のピラフのウマさには悶絶した。ソース付きの本気ピラフだった。同行者に随分と食べられちゃったから欲求不満が残ってしまい、あのピラフの記憶はどんどん美化が進んでいる。いまや私にとっての幻の一品になっている。


その後に調べたのだが、あの一品はルームサービス専用の厨房が作っていたらしく、ふらっとカフェやレストランに出かけても食べられるわけではないことが判明した。

 

私の中で「帝国ホテルのピラフ」といえばその幻の一品のことを意味する。パプリカピラフが代表みたいな顔をしているのはちょっと気に入らない。

 

まあ、あれこれ書いたが、本気ピラフを追い求める私の病はまだまだ治りそうにない。



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