2007年11月5日月曜日

温泉旅館

先週末、仙台の秋保温泉に行ってきた。ところどころ紅葉も楽しめたし、お決まりの松島観光も好天に恵まれ、つかのまの命の洗濯になった(最近は、しょっちゅう命の洗濯をしている気がする)。

評判の高い「佐勘」という宿に連泊したため、好きなものを食べ歩けたのは、2回の昼飯のみ。2回とも寿司にしてみた。ランチのお決まりだけだと味気ないし、お決まりプラス好きなものをいくつか頼んでみた。

最初に行ったのは、仙台のお隣・塩竃の有名店「すし哲」の仙台支店。駅に隣接する複合ビル内の支店ということで、さほど期待しないでいたが、お決まりのレベルはさすが高水準。ところが、お好みで頼んだ「ぶどうえび」にびっくり。お会計のときに知った「一貫2千円」という強気のプライス。10貫ほど盛り込まれているお決まりの中で一番高いものが3800円だったから、ぶどうえびの別注(2貫分)だけでそれ以上。富豪でもちょっと驚いた!?。

次の日に行った塩竃市内の「丸長寿司」で頼んだぶどうえびの方が大ぶりで味も濃厚だったが、そちらは一貫800円。せいぜいそんなもんでしょう。今更ながら有名大型店の必然というか、有名大型店に成り上がっていく必然を学んだ気がする。

ところで両方のお店で共通していたのがマグロの美味しさ。塩竃は生マグロの水揚げが日本一だそうで、まっとうな店のマグロは、赤身はもちろん、トロが素晴らしかった。

個人的な好みで恐縮だが、あまりトロは好きではない。年齢とともに、しつこさが口に残る気がして、とくに大衆路線の店では敬遠している。

今回食べたトロは後味がスッキリしており、脂の旨みに加えて、マグロ特有の鉄分の味わいも感じられる逸品。いくつでも食べられそうなほど。旬を迎えつつある松島産生ガキの握りとともに印象的だった。

さて肝心のお宿「佐勘」。大箱旅館のわりに細かい点まで気が配られていて気持ちいいお宿という印象。風呂がいくつか点在して、湯めぐり気分を味わえるが、強いて言えばサウナがある場所が限定されており、そこだけがサウニストの私にとって不満。まあ不満がそんな程度だから、全体に高得点。

夕方、ロビーに数十人の中国人の団体が来ていたので、ぎょっとしたが、なぜだか大浴場では遭遇しなかったことが幸い?だった。それにしても、最近は大型旅館だとアジアからの団体を見ることが多くなった。まれにロシアから一団も見かける。

一時期、隠れ家系の小さな温泉宿ばかり行っていたので、気付かなかっただけかも知れないが、最近は大型旅館に目を向けることが多くなったため、随分と気になるようになった。

宿側も入浴マナーを教えるなどの努力をしているようだが、彼らの根本的な知識の乏しさは、日本人に不快に映ることは多く、いい評判は聞かない。まあ温泉というか温泉旅館という形式自体が日本の文化のようなものだから仕方ないか。どうしても抵抗感があるなら、個人客相手の小型旅館に行けばいいわけだし、これも時代の流れだろう。

「佐勘」に話を戻そう。一番感心したのがチェックアウトの時間。お昼の12時までOKなのはあまり例がない気がする。高級旅館なら11時アウトも珍しくないが、お昼までとなると、素直に宿の経営姿勢を賞賛したくなる。

10時チェックアウト、大浴場の利用は9時までなんていう宿は、サービス業精神のかけらも感じられない。評価の高い宿は総じて、チェックアウトの時間に余裕があることと、大浴場にタオルがふんだんに置いてあること。この2点が共通している。要は客をせかせかさせない、みみっちい思いをさせない。この2点が徹底されていれば、ほぼ間違いなく快適な時間が過ごせる。

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