2007年11月19日月曜日

間抜けな秘書

仕事柄、国会関係者と接触することが少なくない。議員当人だけでなく、秘書との接触も多いが、秘書のレベルが低いと、つくづく議員が気の毒になる。

公設秘書を議員の家族や親戚にしているケースは多いが、このパターンは、秘書給与が税金でまかなわれているため、マスコミの格好の批判材料にされる。いわく公私混同との批判だ。同族会社経営批判と同じ構図だが、間抜けな秘書を見ていると、家族や親戚を秘書にしたい国会議員の心理も理解できる。

実際、私の会社でそこそこ付き合いのあった某参院議員との付き合いを秘書の間抜けさが原因で切ったことがある。

多少なりとも気の利いた秘書は、親分である議員が引退しても、より有能な議員のところにすぐに引っ張られる。

大物といわれる政治家には必ず名物秘書が付いているわけだから、逆に気の利かない秘書ばかり揃えている議員が大物になることはないのだろう。

企業経営も似たようなもの。単なる秘書ではなく、信頼できる腹心の有無が大きく影響する。中小企業が同族関係者で固めたがるのは、中小企業の現実を考えると、当たり前の発想だろう。

人材確保の限界は中小企業の構造的問題だ。名だたる大企業のようなブランド力もなければ、賃金水準も低い。公務員のような安定性もない。多少頭が悪くても、血のつながりによる結束は捨てがたく、また、多少頭が悪くても、少なからず会社と自身を一心同体として物事を考える習性は、単なる勤め人とは一線を画す。

「多少頭が悪くても」と連発したが、それでも得難いケースは多いわけだが、会社内外の世間様の目線は随分と違う。同族の二世や三世を見る目は必要以上に厳しく、頭が悪いどころか、人並みかそれ以上でも「バカ殿」とレッテルを貼る。人よりかなり優秀な水準で、はじめて普通の扱いを受ける。
それが現実。

政治家も二世や三世ばかりだが、あちらの世界は、「生まれながら国家を考える環境にあった」とか「リーダーの姿を子どもの頃から間近に見て育ち・・・」とやらの賛辞で固めることが多い。一民間企業経営を同族うんぬんと指摘するより、国家運営の世襲の方が確実に異常な話であるはずだが、どうも世間様の目線は微妙だ。

ところで、昔からつくづく思うことが世襲議員の相続税問題だ。税金関係の新聞に長く携わった関係で、アチコチから聞いた意見でもある。世襲議員が当選するための、いわゆる「地盤・看板」の部分って、どう考えても立派な「のれん」、「無形財産」だろう。先代が亡くなって、子どもが弔い出馬すれば、子どもの前職が政治に無関係でも、たいていが物凄い得票率で当選する。これってどう考えても立派な遺産であり、立派な相続財産だろう。
なんか秘書の話から脱線してしまった・・・。

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