2007年11月6日火曜日

東南アジアの力

20年以上前から趣味で水中写真を撮っている。ダイビングをするには、やはり南国の暖かい海が最適。若い頃は冬の伊豆でも平気で潜ったが、最近は沖縄あたりでも真夏以外は寒くてイヤだ。

必然的に選ぶ旅先は南国になる。ハワイもよく行ったが、レストランで一応メニューの値段を気にするぐらいに物価が高いので、ついつい東南アジアに目が向く。

アマンリゾートをはじめとする高級路線が増えてきたとはいえ、まだまだ一流ホテルのスイートが日本円で3万円ぐらいで泊まれるし、飲食代においては、メニューの値段を気にしないレベルの店が圧倒的だ。

ダイビングの費用もプライベートチャーターをすれば、その安さが実感できる。沖縄あたりなら、ちょっとしたクルーザーに、他のダイビング客と混載され、水中でも現地ガイドの引率で、他のダイバーと一緒に潜らされ、1日2回潜って、2万円近くとられることも珍しくない。フィリピンあたりなら、場所によっては、同程度の料金で、小型の舟と船頭さんと水中ガイドをまるごとチャーターして1日中好きなだけ、自分のぺースで遊んでいられる。


このブログ、タイトルの割に、富豪っぽくない内容ばかりという批判を受けたが、今回もセコセコとお金の話を書いてしまった。

もちろん、コスト面の安さは大事だが、遊びという場面で、いかに富豪的見地に立てるかは大事だ。

さっきのダイビングの話だと、一般的な乗り合い型ダイビングは、団体観光バスツアーみたいな位置付けであり、チャーターベースは、文字通り、わがままオリジナルツアーということになる。

先進国の弊害のひとつが、レジャー産業の人間がサービス精神に乏しいことがあげられる。ダイビングの世界しかり、カリスマガイドとかなんとかいって自分の価値観を押しつけようとする勘違いちゃんが多い。そうではなくても、すごくビジネスライクな傾向が強く、東南アジアの人々から受ける奉仕の方が心地よい。チップが目的であっても、客を殿様気分にさせてくれる姿勢に感心する。

上手に彼らのホスピタリティを享受して過ごせば、アジアの旅はかなり快適。くだらないことばかり書いてある旅行ガイドブックだと、「空港で荷物を持ってくれるポーターはチップをしつこく要求するので要注意」みたいなことが書いてある。

バリ島あたりの空港では、長いフライトに疲れた到着したての日本人観光客が、汗だくになってスーツケースを運んでいる光景が普通だ。なかには、ポーターを物盗りを蹴散らすかのように追い払っている人もいる。

ターンテーブルから荷物を下ろすことに始まり、空港の外で迎えの車のトランクに積んでもらうことまでやってくれて、せいぜい数百円のチップだ。なかには、もっと寄こせと言ってくるものもいるが、放っておいて問題ない。

ポーターを使うことすら遠慮していたら、滞在中の行動も推して知るべしだろう。

「言ったもん勝ち」。リゾート、とくにアジアでは、これが極意だ。チップはつきものだが、それで快適さを買うと思えば安いもの。

タイ・バンコクから日本に帰国する際、深夜で疲れていたこともあり、空港まで手配したドライバーに、搭乗手続き、荷物検査、はたまた出国検査まで代わりにやってもらったことがある。日本円で1000円もしない金額のチップに心から感謝してくれて、こちらも気持ちよく帰国の途に就いた。こんな経験、アジアなら普通かも。

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