2008年5月16日金曜日

葉巻をどう買うか


富豪記者と言うからには、みみっちいことを書いてはいけないのだろうが、やはりチョットしたお得感には惹かれる。

今日は葉巻の話をしたい。お得感とは、すなわち、いかにしてハバナ産の上質なシガーを入手するかという話だ。

以前、メキシコのリゾート地・カンクンで面白い経験をした。カリブ海に位置するカンクンは地図で見ると分かるが、キューバのすぐ横にある。

カンクンのシガーショップには当然、ハバナシガーがたくさん並んでいる。国策によってキューバ製品を入手できないアメリカ人は、アメリカ本土から目と鼻の距離にあるカンクンあたりでハバナシガーを手に入れるので、どの店も賑わっている。

私もアメリカ人に混ざって、あれこれ店内を見回していると、人相、目つきの悪い男が店主と何やら交渉をはじめた。褐色の肌のこの男、着ているものもどこか野暮ったい。ホームレスというほどではないが、薄汚れた感じで、顔を隠せるような大きな帽子を目深にかぶり、大きめのボストンバックを大事そうに抱えている。

キューバからの密航者だったのかもしれない。ハバナシガーを大量に抱えて、店主に売りつけようと食い下がっている。詳しくは分からないが、結局話はまとまらなかったようで、その後、男は店の出入り口付近でシガーショップに来る客に微妙な秋波を送りはじめた。

葉巻好き観光客と直接取引しようという算段らしい。この様子が、映画に出てくる悪者そのもの。アゴを上げ気味にしたままギョロっとした目でお目当ての相手に視線を浴びせ、目があった途端にほんの少しの笑みと同時に、突き上げているアゴをもう一段ピクッと持ち上げる。それがすべてのサインだ。

私もワクワクしながら怖いもの見たさで、奴の視線が飛んでくるのを待った。そして、奴のアゴの動きに招かれるように、人目を避けて奴の営業攻勢を受けてみた。

ボストンバックの中身をチラ見せしてもらうと大量のハバナシガーの木箱。奴が提示してくる値段も日本で買う正価の半額以下。思わずこの不法取引に手を染めることにする。

ところがこの悪者、ここにあるのは箱だけで、現物はホテルの部屋にあるという。これから案内するぞと言われて、さすがに尻込みした。身ぐるみはがされてカリブ海に浮かぶ自分の姿をイメージして取引断念。

でもちょっとスリリングな時間だった。

キューバ・ハバナシガー独特の芳醇な香りと味わいは、シガー愛好家を間違いなく虜にする。ブランドイメージだけではない。実際に他のカリブ方面を産地とするシガーと明確に違いがある。当然、世界的な人気のせいで値段も高い。

最近は、キューバとアメリカの雪解けが話題になる。禁輸政策に終止符が打たれたら、間違いなくハバナシガーはアメリカ国内市場で完売だろう。気軽に日本で買えなくなると考えた方がいい。

高いものをナントカ安く入手したい私が実行しているのがネットショッピングだ。海外の格安葉巻販売業者から直送してもらう。早ければ注文後、中2日で到着する。 

もちろん、信頼できる業者のサイトかどうかを見極めるまでは結構ハラハラだった。クレジットカード情報を業者に提示するわけだから、さすがに慎重になる。まあそんな思いもいま思えば楽しいのかもしれない。

結局、信頼できるサイトを2つに絞って使い分けている。香港とオランダのサイトだ。どちらのサイトも、頻繁にキャンペーンを展開。期間限定の大幅値引きなんかを企画するので見ていて飽きない。

先日注文したのは、ロブストサイズを5銘柄5本ずつパッケージしたセットもののキャンペーン。ファンロペス、ホヨー、パンチ、コイーバなどのロブストだったので、好きなものが多くお得感バッチリ。

これからは屋外でもシガータイムが気持ちのいい季節。しばし、このセットものを楽しもうと思う。

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