世の中つくづくインチキがはびこっているようで、最近イラつくのが、福祉関係の正統な機関であるかのように装って寄付を要求してくる輩。
会社を構えていると結構いろいろな「会費」のお願いが多い。町内会からはじまって、近所の神社の祭礼の寄付、ナンタラ協会とかナントカ協議会の年会費やら賛助金みたいな話が無数にある。
以前、全部まとめて必要性を見直したことがある。半世紀以上やっている会社だと入会の経緯そのものまで曖昧なものが多い。
随分と整理したが、整理したことで弊害はまるで無かった。
昨今、さまざまな業界で各種団体の運営が行き詰まっているそうだ。税務関係を例にとると他の業種と同様、「協力団体」と呼ばれる組織がある。
警察署をとりまく防犯協会とか交通安全協会とかと似たようなもので、民間事業者が会員となり、税務行政に協力する趣旨で存在している。
青色申告会とか法人会といった組織がよく知られているところだが、こうした団体が困っているのが、新興企業が加入に興味を示さなくなってきたこと。
昨今の新興企業は、発想の源がかつての重厚長大産業と違ってドライだ。「なんのためにそんな団体に加入するのか」、「入ったら何かトクするのか」。単純明快な考え方で、“とりあえず、お付き合いで”とか“ヨソもたいてい加入しているから”といった理由で加盟するような感覚がない。
それなりの規模に企業が成長しようとも、一向に会活動と一線を画している。
確かにそうだろう。どんな業界でも本来、必要のない団体にお金をかけて参加する意味はない。日本中のこうした団体がある意味、これまでのナアナア社会の上であぐらをかいてこれたことが不思議なのかも知れない。
ところで、そんな状況の中でも、気になるのが「福祉関係」をうたう団体だ。企業のマインドがドライになろうとも“ボランティア”、“社会貢献”という大義名分には敏感だ。
まっとうな福祉関連団体であれば、喜んで積極的に寄付をする企業は今後も減ることはないと思う。
もちろん、そうした企業心理につけ込んでインチキ団体も増えるだろうから見極めは重要だ。
リッチ論がアチコチでさかんだが、よく聞くのが「リッチマンの最終ゴールは社会貢献」という方程式だ。
リッチマン初期には“見せびらかしリッチ”でも後期には“社会貢献リッチ”に行き着き、さまざまな弱者支援をさかんに展開しはじめるという話だ。
“見せびらかしリッチ”が求める超高級車とかクルーザー、プライベートジェットとかが日本では好調な売れ行きだと言うことは、いずれ、その階層が躍起になって“社会貢献”をマイブームにするようになるということ。
そんな日が実現することは、彼らの思惑は別としても単純に良いことだろう。なにより、リッチ予備軍やプチリッチは、スーパーリッチのトレンドに憧れ、マネをするのが習性。
そしてそれより下の階層もチョイ上の階層のマネをするのが世の常だから、うまくいけば“社会貢献”がある意味お洒落な流行として定着するような気がする。
2008年5月23日金曜日
オシャレなボランティア?
ラベル: 世相
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