2008年5月21日水曜日

高田馬場は意外に面白い

最近思うのは、都内の繁華街のさびれかただ。繁華街といっても、池袋に象徴される中途半端な繁華街は、ほんの5年ほど前に比べても格段に夜の人出が少ない。

そこそこ人の賑わいを感じても、界隈の店の呼び込みが固まって井戸端会議をしているだけだったりで、まるで活気がない。

いつも悪い例えで池袋を使うので心苦しいが、池袋を例に出すと、その近隣である高田馬場や大塚あたりの方が、地に足をつけた店がどっしり構えているような気がする。

今回は高田馬場に触れてみたい。基本的に学生街の印象が強い街だ。山手線、地下鉄東西線、西武新宿線が乗り入れているため、便利な街であり、それなりの賑わいがある。

学生向きの安い店はもちろん物凄い数で、駅から少し離れて早稲田方面に行けば、東京でも有数のラーメン激戦区。まさにラーメンだらけでウンザリするほど。

表だって看板を出していないものの、風俗店も多く、カップル喫茶まで根を張っているらしい。葉巻を置いているタバコ屋もあったり、K―1関連のナントカ道場のせいか、有名格闘家も歩いていたり、昔ながらの卓球場があったりとどこか独特な空気がある。学生街、乗り換え専用駅といったイメージの裏で結構ディープだ。

安い飲み屋もゴマンとある。高級路線の店は、このブログでも取り上げる「鮨源本店」ぐらいだが、ちょっと探せば池袋よりは真っ当な飲食店もチラホラある。

「割烹本陣」。駅からチョット離れて隠れ家的な立地にたたずむ。店内の雰囲気もしっぽり系で、オツな感じ。丁寧な仕事をした味わいの食べ物がいろいろあって穴場だ。

ありそうでなさそうなちょうど良い大人向けの店。和食系が好みなら失敗しない選択だろう。

もっと駅の近くには「一角」という料理屋がある。値段を考えれば当然だが、やはり学生街のイメージとは違う割とまっとうな料理を出す。居酒屋よりも上等な“料理”が食べたいときには使える店かもしれない。

とはいえ、この街で高級志向の店を探す人はかなり限られているだろうから、こんな情報は役に立たないだろう。

いわゆるB級グルメとしては、駅から結構離れて池袋、早稲田よりに位置する「とん太」というとんかつ屋が最高だろう。

ここのとんかつ。異常に美味しい。奇をてらったものではなく、オーソドックスだが、肉質の柔らかさ、衣の軽い感じともに極上。分かりやすくいえば、トンカツソースがなくてもバッチリ美味しい。実際に、塩で食べる人も多い。

もう一軒、こちらは万人受けするかどうか微妙だが、もつ焼の「とん八」。ディープです。雑多な店が軒を並べるさかえ通りを少し入ったところにある。

小さく古くさくて、ディープと表現するのがもっとも的確だが、高田馬場という街の特性だろう、この手のディープなもつ焼屋の基本であるガラの悪い客が少ない。

ネクタイ締めた紳士然とした親父達が憩いの時間を過ごしている。輪切りにしたタマネギを油タップリでただ炒めただけの一品や厚切りのレバ刺しをつまみに濃いめの酎ハイを呑んで、もつ焼を頬ばる。エネルギーを充電できそうな店だ。

ところで、高田馬場といえば、かつて駅のそばに建つ質屋のビルの上で、悪趣味な巨大な人形がオブジェとして飾られていた。
確かゆっくりと回転していたような印象がある。

いつのまにか無くなってしまったが、あの人形は、確かストリッパーとお相撲さんががっぷりよつに組んで相撲をとっている姿だったように思う。子ども心に衝撃的な光景だった。

当時を知る人達は、あの人形について「お相撲さんとマリリンモンローだ」とか「侍と金髪ダンサーだ」とかみんな曖昧な記憶でテキトーなことを主張し合う。

どなたか事実をご存じの方は、アノ不思議な巨大人形の正体を是非教えていただきたい。あの街に行くといつも気になる。

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