
悪いことをしてしまったら、なるべく内緒にしたくなるのは共通の心理。恥の文化が日本人の特徴だけに内緒にしたいことは誰にでもある。
ところが、内緒にしたい気持ちが広がって、悪いことではないのに悪いことをしたかのように秘密にしたがることがある。
前振りが長くなってしまったが、税務調査の体験なんかもそうした種類にあてはまる。
企業への税務調査ならともかく、個人宅への税務調査となると、何かと世間の目を気にして体験者がその事実を大っぴらにしない。
「あのお宅、そんなに儲かっていたのかしら」とか「なんか脱税していたらしいわよ」といった噂のマトになりかねないためだ。
税務調査といっても、大口悪質脱税に強制権限とともに行われる査察(マルサ)は別にして、その多くが、脱税をターゲットにしているわけではない。
任意で申告内容をチェックされるというのが実態なので、調査を受けること自体は何もおかしなことではなく、恥ずかしいことでもない。
とはいえ、個人宅が税務調査のターゲットになる相続税の場合、脱税の意図がまったくなくても、当事者が既に亡くなっている特殊事情もあって、税務調査があれば、80~90%から何らかの申告もれが見つかっている。
多くが、遺族が知らなかった故人資産が見つかったとか、税務当局との解釈の相違が原因。とはいえ、意図的に遺産の一部を隠すような「悪」のケースも悪意のない「ついウッカリ」のケースも“申告もれ”という意味では同じになってしまう。
脱税の意図が無くても、「申告もれ」という事実は、やはり遺族達にとっては不名誉なこと。つい「相続税の税務調査は来たけど、とくに問題もなく終わったよ」と言いたくなる。
こんな事情もあって、相続税については税務調査の実態があまり世の中に知られていない。
相続税調査の場合、遺族にとって人生で一度きりの経験だということも“神秘”になってしまう原因だ。
そうはいっても、相続税がかかるレベルの人にとっては、税務調査は物凄く身近な話だ。相続税の場合、単純計算して3件に1件は税務調査が行われる。
3件に1件とは、調査件数の申告件数に対する割合だが、例年同じような水準。法人税や所得税と比べるとケタ違いに高い確率だ。
相続税申告のなかには、調査対象になるほどではない単純な内容のものもあるわけだし、実際には遺産金額が高額なものから優先して調査対象に選ばれることを思えば、「それなりの金額のそれなりの内容」なら、ほぼ間違いなく税務調査ターゲットになるということ。
にもかかわらず、上記したような理由で、相続税調査の実態はベールに包まれている。
なんかヘンな話。
「ほぼ間違いなくやってくる税務調査」、「ほぼ間違いなく申告もれが発覚する」という単純な理屈があるのに、税務調査対応の大切さが世間で認知されていない。
税務調査のイロハや特徴、的確な対応法を学ぶことは、無用な申告もれを無くすことにつながる。
もっといえば、申告する前の段階で税務調査対応まで念頭におくことで、微妙な申告上の誤りを未然に防ぐことだって可能だ。
相続に関連して税金対策を検討する人なら、例外なく税務調査対象になるわけだから、あてはまるすべての人々に「相続税調査のすべて」を強くお勧めします。
2008年5月22日木曜日
相続税調査は秘め事なのか
2008年5月21日水曜日
高田馬場は意外に面白い
最近思うのは、都内の繁華街のさびれかただ。繁華街といっても、池袋に象徴される中途半端な繁華街は、ほんの5年ほど前に比べても格段に夜の人出が少ない。
そこそこ人の賑わいを感じても、界隈の店の呼び込みが固まって井戸端会議をしているだけだったりで、まるで活気がない。
いつも悪い例えで池袋を使うので心苦しいが、池袋を例に出すと、その近隣である高田馬場や大塚あたりの方が、地に足をつけた店がどっしり構えているような気がする。
今回は高田馬場に触れてみたい。基本的に学生街の印象が強い街だ。山手線、地下鉄東西線、西武新宿線が乗り入れているため、便利な街であり、それなりの賑わいがある。
学生向きの安い店はもちろん物凄い数で、駅から少し離れて早稲田方面に行けば、東京でも有数のラーメン激戦区。まさにラーメンだらけでウンザリするほど。
表だって看板を出していないものの、風俗店も多く、カップル喫茶まで根を張っているらしい。葉巻を置いているタバコ屋もあったり、K―1関連のナントカ道場のせいか、有名格闘家も歩いていたり、昔ながらの卓球場があったりとどこか独特な空気がある。学生街、乗り換え専用駅といったイメージの裏で結構ディープだ。
安い飲み屋もゴマンとある。高級路線の店は、このブログでも取り上げる「鮨源本店」ぐらいだが、ちょっと探せば池袋よりは真っ当な飲食店もチラホラある。
「割烹本陣」。駅からチョット離れて隠れ家的な立地にたたずむ。店内の雰囲気もしっぽり系で、オツな感じ。丁寧な仕事をした味わいの食べ物がいろいろあって穴場だ。
ありそうでなさそうなちょうど良い大人向けの店。和食系が好みなら失敗しない選択だろう。
もっと駅の近くには「一角」という料理屋がある。値段を考えれば当然だが、やはり学生街のイメージとは違う割とまっとうな料理を出す。居酒屋よりも上等な“料理”が食べたいときには使える店かもしれない。
とはいえ、この街で高級志向の店を探す人はかなり限られているだろうから、こんな情報は役に立たないだろう。
いわゆるB級グルメとしては、駅から結構離れて池袋、早稲田よりに位置する「とん太」というとんかつ屋が最高だろう。
ここのとんかつ。異常に美味しい。奇をてらったものではなく、オーソドックスだが、肉質の柔らかさ、衣の軽い感じともに極上。分かりやすくいえば、トンカツソースがなくてもバッチリ美味しい。実際に、塩で食べる人も多い。
もう一軒、こちらは万人受けするかどうか微妙だが、もつ焼の「とん八」。ディープです。雑多な店が軒を並べるさかえ通りを少し入ったところにある。
小さく古くさくて、ディープと表現するのがもっとも的確だが、高田馬場という街の特性だろう、この手のディープなもつ焼屋の基本であるガラの悪い客が少ない。
ネクタイ締めた紳士然とした親父達が憩いの時間を過ごしている。輪切りにしたタマネギを油タップリでただ炒めただけの一品や厚切りのレバ刺しをつまみに濃いめの酎ハイを呑んで、もつ焼を頬ばる。エネルギーを充電できそうな店だ。
ところで、高田馬場といえば、かつて駅のそばに建つ質屋のビルの上で、悪趣味な巨大な人形がオブジェとして飾られていた。
確かゆっくりと回転していたような印象がある。
いつのまにか無くなってしまったが、あの人形は、確かストリッパーとお相撲さんががっぷりよつに組んで相撲をとっている姿だったように思う。子ども心に衝撃的な光景だった。
当時を知る人達は、あの人形について「お相撲さんとマリリンモンローだ」とか「侍と金髪ダンサーだ」とかみんな曖昧な記憶でテキトーなことを主張し合う。
どなたか事実をご存じの方は、アノ不思議な巨大人形の正体を是非教えていただきたい。あの街に行くといつも気になる。
2008年5月20日火曜日
タクシーよもやま話
深夜を中心にタクシーを使うことが多いが、酔っぱらっていると、変に神経が高ぶって狭い空間のなかでいろんなことを考える。
残った臭いが迷惑という理由で全面禁煙にしたくせに、ドライバーの極度の加齢臭はなんで規制されないのか?。
小冊子形式の広告パンフは、なんでハゲ、デブ、メガネばかりターゲットにしているのか?。
どうしてこのドライバーは、こちらの“話したくないぞオーラ”に気付かないのか?
などなどロクでもないことばかり頭をよぎる。
それにしても、あのタクシー広告、結構手にとって見てしまう。渋滞していたら熟読する。ウチの会社の商材も宣伝したいと思って調べてみたら、結構高くてびっくり。
まあ、自分でもアレほど熱心に手にとって眺めるのだから広告効果はあるのだろう。
最近は昔と違ってタクシーに使われている車種がバラエティに富んできた気がする。
新車で室内空間も広い高級車然としたタクシーに当たればかなり快適な気分で過ごせる。
その反面、臭くてほこりっぽくて古い車両に当たると同じ料金が許せない。
何事も二極化が著しいご時勢だ。きっと車両格差をしっかりつけて、その分料金にも差をつけるようなサービスが当たり前の時代が来るのだと思う。
快適な室内空間を持つ新型車両のタクシーに乗るといつも思うことがある。
「このクルマはなんという名前?」。
トヨタかニッサンか、クラウンか昔のセドグロか、パッと見では分からない。車内にデカデカと車種名を表記しているクルマなんて無いのだろうから仕方ないが、いいクルマであれば、メーカーにとって宣伝機会を逃している。
なかには、後部座席に乗ってみて、快適さを気に入り、自分もしくは会社で購入するクルマ選びに活かす人もいるはず。
タクシー業者も競争が厳しくコスト削減に躍起だ。後部座席周辺に車種名と宣伝文句を大きく表示させて、その分、自動車メーカーに車両価格を値引きさせればいいのにと思った。
2008年5月19日月曜日
焼酎あれこれ
かなりビックリした。ある人からいただいた焼酎の値段を勘違いしていた。
いただいたのは森伊蔵。森伊蔵が高いことぐらい私だって知っている。美味しいことも知っている。日本航空の機内販売で入手できると聞けば関係者総あたりで何本も買ったこともある。
もちろん、この時の森伊蔵は、ごく一般的なもので、その上に、よりレアなシリーズがあるのも知っていた。
私の手元に届いた森伊蔵。ぱっと見て、見慣れたラベルではないので、上等ラインをいただけたと単純に喜んでいた。
でも、私が思っていたより、一般に流通している値段が高くてビックリした。送ってくれた人がどうやって入手したかは定かではないが、ちょっとネットで検索すると、信じられないような値段で出回っている。
その名も「長期洞窟熟成酒かめ壺焼酎・森伊蔵」様だ。ただただ恐縮だ。もったいないからきっといつまで飲めないのだろう。
焼酎がブームといわれて久しい。いまではブームというより日常的なアルコールとして確実に浸透している。
やはり、日本人が日常食べているものとの相性を考えれば納得できる。焼酎の場合、抜栓後の劣化が少ないのも日本酒を押しのけている大きな理由だろう。
私の場合、良く行くお寿司屋や焼鳥屋さんで味わった焼酎のうち、とくに気に入ったものを、後日、楽天あたりのサイト経由でまとめて購入する。
最近のお気に入りは、「あやかし福助」。味も好きだが、個人的にチョットした理由もあって福助という名前にひかれる。福々しい顔で呑んでいられれば幸せだ。ただ、ラベルの福助の人相がちょっと不気味なのが気になる。
続いて「粒露」。これはナゼ人気が出ないか不思議なくらい美味しい。一応、“鹿児島限定品”という位置付けで販売されているらしいが、ネットショッピングだとさほど労せず購入できる。
続いて「風憚(ふうたん)・原酒」。通常の風憚もかなりはっきりした味わいで美味しいが、これの原酒がまたイケる。かなり濃いめの水割りにすると何とも官能的な世界が広がる。
焼酎の種類は数限りない。自分なりに好みを探して自分なりのこだわりを持つのは楽しい。
でも、冒頭で書いた森伊蔵、呑みたい!!
2008年5月16日金曜日
葉巻をどう買うか

富豪記者と言うからには、みみっちいことを書いてはいけないのだろうが、やはりチョットしたお得感には惹かれる。
今日は葉巻の話をしたい。お得感とは、すなわち、いかにしてハバナ産の上質なシガーを入手するかという話だ。
以前、メキシコのリゾート地・カンクンで面白い経験をした。カリブ海に位置するカンクンは地図で見ると分かるが、キューバのすぐ横にある。
カンクンのシガーショップには当然、ハバナシガーがたくさん並んでいる。国策によってキューバ製品を入手できないアメリカ人は、アメリカ本土から目と鼻の距離にあるカンクンあたりでハバナシガーを手に入れるので、どの店も賑わっている。
私もアメリカ人に混ざって、あれこれ店内を見回していると、人相、目つきの悪い男が店主と何やら交渉をはじめた。褐色の肌のこの男、着ているものもどこか野暮ったい。ホームレスというほどではないが、薄汚れた感じで、顔を隠せるような大きな帽子を目深にかぶり、大きめのボストンバックを大事そうに抱えている。
キューバからの密航者だったのかもしれない。ハバナシガーを大量に抱えて、店主に売りつけようと食い下がっている。詳しくは分からないが、結局話はまとまらなかったようで、その後、男は店の出入り口付近でシガーショップに来る客に微妙な秋波を送りはじめた。
葉巻好き観光客と直接取引しようという算段らしい。この様子が、映画に出てくる悪者そのもの。アゴを上げ気味にしたままギョロっとした目でお目当ての相手に視線を浴びせ、目があった途端にほんの少しの笑みと同時に、突き上げているアゴをもう一段ピクッと持ち上げる。それがすべてのサインだ。
私もワクワクしながら怖いもの見たさで、奴の視線が飛んでくるのを待った。そして、奴のアゴの動きに招かれるように、人目を避けて奴の営業攻勢を受けてみた。
ボストンバックの中身をチラ見せしてもらうと大量のハバナシガーの木箱。奴が提示してくる値段も日本で買う正価の半額以下。思わずこの不法取引に手を染めることにする。
ところがこの悪者、ここにあるのは箱だけで、現物はホテルの部屋にあるという。これから案内するぞと言われて、さすがに尻込みした。身ぐるみはがされてカリブ海に浮かぶ自分の姿をイメージして取引断念。
でもちょっとスリリングな時間だった。
キューバ・ハバナシガー独特の芳醇な香りと味わいは、シガー愛好家を間違いなく虜にする。ブランドイメージだけではない。実際に他のカリブ方面を産地とするシガーと明確に違いがある。当然、世界的な人気のせいで値段も高い。
最近は、キューバとアメリカの雪解けが話題になる。禁輸政策に終止符が打たれたら、間違いなくハバナシガーはアメリカ国内市場で完売だろう。気軽に日本で買えなくなると考えた方がいい。
高いものをナントカ安く入手したい私が実行しているのがネットショッピングだ。海外の格安葉巻販売業者から直送してもらう。早ければ注文後、中2日で到着する。
もちろん、信頼できる業者のサイトかどうかを見極めるまでは結構ハラハラだった。クレジットカード情報を業者に提示するわけだから、さすがに慎重になる。まあそんな思いもいま思えば楽しいのかもしれない。
結局、信頼できるサイトを2つに絞って使い分けている。香港とオランダのサイトだ。どちらのサイトも、頻繁にキャンペーンを展開。期間限定の大幅値引きなんかを企画するので見ていて飽きない。
先日注文したのは、ロブストサイズを5銘柄5本ずつパッケージしたセットもののキャンペーン。ファンロペス、ホヨー、パンチ、コイーバなどのロブストだったので、好きなものが多くお得感バッチリ。
これからは屋外でもシガータイムが気持ちのいい季節。しばし、このセットものを楽しもうと思う。
2008年5月15日木曜日
年収なんてアテにならない
ちっとも美人でもないのに美人女医とかの肩書きでテレビに出ている西川史子というイロモノがいる。オトコを選ぶ基準として年収4千万円にこだわっているそうだ。本音だかなんだか知らないが、単に下品な話だ。要は富裕層しか相手にしませんという意味だろう。
何日か前に富裕層マーケットに関する話を書いた。あらゆる業界が躍起になってビジネスターゲットにしている富裕層とは、そもそも浮遊物体のようにマトが絞れるものではない。
相続リッチとか上場益リッチとか、ある日突然、長者になった人もいれば、代々続く土地持ちや事業承継者など継続的にリッチ層に属している人もいる。キャッシュリッチと資産リッチにも違いはあるし、一概に定義づけられるものではない。
とはいえ、西川ナントカが主張するように、一般的に富裕層が語られる際、キーワードのように使われるのが「年収」という基準だ。
確かにひとつの基準ではあるが、この部分だけでは測れないのが日本の富裕層だろう。
たとえば年収1500万円の中小企業の社長と、年収5千万円の金融マン。年収では一目瞭然の格差があるが、社長さんの会社が安定企業だったとする。金融マンは運用成績などに大きく左右されるインセンティブが稼ぎの中心だとすると、安定感ではがぜん社長さんの方に軍配が上がる。
それだけではない。社長さんには、日本の企業経営者の一種の特徴とも言える「会社の財布」という別個のベネフィットがある。
社長車のメルセデスをはじめ、週末のゴルフも法人会員権が複数あって、住まいも役員社宅というケースも珍しくない。ついでにいえば、軽井沢にも会社の保養所名目で別荘があったりする。
税務上、一連の会社名義資産が、あくまで社長個人の私的目的だけに使われていれば、給与認定という問題が生じるが、現実には、業務利用も多いだろうし、よほど極端な事例でなければ、実務の現場で問題になることは少ない。
一方の金融マン。確かに充分リッチではあるが、社長さんと同レベルの資産を個人で獲得するには、相当な苦労がともなう。
海外出張だってサラリーマンである以上、ファーストクラスに乗れるわけでもなく、交際費だって社長さんのようにはいかない。
結果、本当の可処分所得という視点で考えるとどっちが有利かどうかは簡単に判断できない。安定感も考慮すると年収1500万円の方が相当にリッチな人という結論に達する。
年収がすべての基準という考え方は現実社会では、かくも脆い。ついでにいえば、さっきの社長さんのようなケースでは、所得税の累進税率を嫌って、あえて年収自体を低く抑える人も珍しくない。おまけに、奥さんを社長に準じる報酬の専務に就けたりすれば、本当の可処分所得はグンと上昇する。
“よく分からないけどお金持ち”という階層が世の中に相当存在するが、その多くがこうした仕組みに成り立っている。
富裕層をターゲットにした商売を考える人のうち、こうした実情を正確に理解している人が意外に少ないことに驚かされる。
けた違いのリッチマンは別にして、結局は、表面的な年収より、一定レベル以上の企業における法人資金の決裁権者こそがベーシックな富裕層といえる。
一定の社歴がある一定規模以上の会社の同族経営者。こうした階層が、いわば落着きのある富裕層になるわけだが、こうした階層だけにターゲットを絞ったメディアが意外に見あたらない。
『オーナーズライフ』はフリーペーパーという気軽な形態をとっているものの、上記したような階層が本当に求めているテーマに的を絞っているため根強いファンは多い。
会社経費とポケットマネー、いわば2つの財布の使い分けに関する情報や、事業承継という経営者最大の関心事の分析などお堅いテーマではあるが、このあたりに支持が多い。
何千万円もする船旅や何百万円もする時計の話など上質レジャー専門の話題は富裕層に刺さるテーマではあるのだろう。ただ、そんな話ばかりじゃ間抜けだ。経営者視線での税務・財務戦略は欠かせないテーマだ。
2008年5月14日水曜日
骨董という名の魔力
やきものに興味を持っていれば、骨董の世界は避けて通れない。このブログでも以前、古い壺の話を書いたが、壺よりも手っ取り早い骨董入門が酒器類だろう。
手っ取り早いからこそ、マガイものの多さも目を覆いたくなるほど。私も随分ヘンテコなものを買ってしまった。
いまはすっかり現代陶芸作家モノ専門に集めるようになったが、器好きのご多分に漏れず、一時は李朝モノに興味が強まった。
李朝とは、朝鮮半島最後の王朝である李氏朝鮮時代を総称する表現。これが厄介。ひとことで李朝といっても、1300年代から1900年代前半までを指す。これだけ長い期間だからインチキも出没しやすい。「李朝モノ」といっても100年足らずの歴史しか刻んでいないものがザラ。いや一般に出回っているものの大半がこの手の李朝後期、もしくは李朝後の李朝写し。
私も勇んで韓国・ソウルを訪れ、骨董あさりを2,3度体験した。インサドンはもちろん、踏十里というややはずれにある骨董団地にも足を運んだ。
踏十里の骨董団地では、日本語ペラペラの老人が営む「ニセモノ専門」の店が印象深かった。手にとって品物を見ているだけで、「それはうまく出来ているでしょう。最上級のニセモノだよ」とズバリ言ってくる。
この地の卓越したニセモノ技術に関心。ニセモノを本物と騙して売っていないだけに値段もお安く、記念にいくつか購入した。いい感じの一輪挿しなど、わが家で結構活躍している。
李朝モノ(もちろん後期だが)で唯一、まとも、かつ気に入っているのが、見込み部分の底に金継ぎが三日月のように入っている盃。もとは豆皿だったような風体だが、直径8センチほどなので盃として通用するサイズ。
古くてもただカセてしまっている器も多いが、この盃は別。大事に使われ続けたであろう証拠ともいえるトロリ感のあるテカリが艶っぽい。酒を注いだ後に怪しく光る金継ぎの効果もあってお気に入りだ。
骨董屋が多いことで知られる西荻窪の某店でウン万円で購入。
李朝以外にも、南国ダイビング趣味が高じていろんな変なものを買ってしまった。
現在のタイを産地とする宋胡録(スンコロク)やクメール関係モノ、フィリピンあたりを産地とするルソン関係モノ、そしてベトナムあたりが産地の安南モノなどだ。
安物買いのナントカとはよく言ったもので、たいていが「具合が悪い」もしくは「イケナイ」。ニセモノやダメなものをこう表現するケースが骨董の世界では多い。
いざ買ってみて、まじまじと眺め、掌で遊んでいるうちに不思議と「やっぱり違う」という違和感を覚える。感覚的なものだが、実際その感覚はほとんど間違っていない。
わざとらしく、薬品で器肌をカセさせたもの、いやらしく作為的に割った後でわざとらしく継いで貴重な逸品に見せかけているものなどさまざま。2番目の写真は、安南の小壺との触れ込みで買ってしまった、うさんくさい一品。会社のデスクでクリップなどの小物を入れる器として使っている。
聞くところによると、東南アジア方面では、肥溜めに漬け込んで、独特の時代がかった汚れを染みこませるというタマンナイ話も聞いたことがある。
そんな恐ろしいことを想像するだけで気が滅入る。最近では、東南アジア方面でも、その土地土地で現在作られている器類を見にいくことが多くなった。伝統的なその土地の作風を現代風にアレンジした中には、結構、品のある作品も多く、骨董ばかり血眼になって探すより安心で楽しい。
そうはいっても、外国で骨董屋を見かけると、ついつい覗いてしまうのはナゼだろう。
「これはアンコールワット遺跡から盗掘された仏塔の装飾だよ」とかなんとか怪しく囁く骨董商。興味を持ったフリをして値段をたずねる。日本円にして5千円程度の金額を言ってくるんだからしょうもない。
そんな値段で、そんなものが買えたらお笑いだ。でも、そんな顔をせずに値切り交渉すれば、3千円ぐらいにまで下がるんだから、アンコールワットも困ったものだろう。
こんなレベルのやり取りになると、「ばかしあい」ならぬ「ばかとばか」だ。だから楽しい。