2008年3月29日土曜日

愛人、税務署、銀座

とかくリッチと評される人の場合、そのライフスタイルは石部金吉的ではない。仕事は別として趣味やさまざまな“活動”に精を出す人は多い。

高尚な趣味に没頭する人もいれば、女性道楽に命をかける人もいる。エネルギッシュな人なら両方こなす。

オーナー経営者の場合、ここで問題になるのが財布の使い分けだ。すなわちポケットマネーか会社経費かという問題。趣味や女性道楽に会社経費という観点は出てこないはずだが、現実社会はそう単純ではない。

オーナー社長向けの専門紙「納税通信」でも良く取り上げて多くの反響を呼ぶテーマだが、社長の公私混同とそれに関する実務処理は、世の経営者にとって大きな課題。

税務署だって、この部分を執拗にマークする。税務調査の定番ターゲットという事実が、世の中の実態を証明しているようなものだ。

実際に愛人作りに精を出すリッチマンは多い。そこに投入されるカネ、すなわちお手当に会社マネーが支出されることは珍しくない。

愛人を自分の会社で働いていることにして給料の形でお手当をまかなうようなパターンだ。愛人が実際に働いていないなら、架空人件費であり脱税になってしまう。

実際に勤務していれば、一応問題ないわけだが、それでも税法は制限をしっかり設けていて、勤務内容と照らし合わせて不相当に高額な部分は会社の経費に認めないという規定が用意されている。

税法では、愛人などという色っぽい表現はせず、「特殊関係使用人」と表現する。逆に艶っぽく聞こえるのは私だけだろうか。

要するに事務の女性社員が月給20万円なのに同様の業務に就いている愛人には月給が50万円至急されていたとする。差額の30万円は会社の経費に出来ませんよということ。

こんな規定が法律の世界に存在すること自体が、世の中に「社長の愛人」が大量発生していることを示しているようで興味深い。

ところで、まったく勤務などさせていないのに給料という形でお手当を出している場合、税務署にはバレないと考えている人は多い。

もちろん、調査が来なければバレない。でも、調査官がその気になれば、結構簡単にバレる。まず、架空社員だから愛人の分のタイムカードがない。社内の各種資料や文書類にも、愛人の名前が出てこないわけで、小規模な会社なら割と簡単に引っかかってしまう。

まあ小規模な会社じゃあないとこういう大胆な愛人採用作戦はしないだろうが、調査官が狙いを定めたら、オフィスで実際の社員に聴き取りなどをしなくても発覚してしまうわけだ。

ちなみに架空社員、本当の社員といったパターンの他、儲かっているワンマン企業なんかでは、新規事業進出とか新規店舗出店という形でオーナー社長が愛人に会社マネーを投入することがある。

「あそこのママはダンナにお店を出してもらった」などという話を夜の蝶達から聞くことがあるが、実態は企業の節税としての投資活動が背景にあったりすることも珍しくない。

こうなると経済活性化、内需拡大に愛人文化が貢献していると考えたくなる。

話は変わって、夜の街。この時期、集客のテコ入れのためパーティーという名の出動命令があちこちで飛び交っている。

店によっては、本物の桜を大ぶりな枝ごと飾って目を楽しませてくれる。南の方で暗躍すると聞いたことがある花盗人業者も今年は東京の桜がさっさと咲いたので商売あがったりかも知れない。

店の中でも桜は桜。たまにハラハラと着物姿のオネエサンの髪に落ちてきたりして、ちょっと風流。

この時期の銀座は、そんなかんだで普段より和装の綺麗どころを見かけることが多い。春を実感する眺めのひとつかも知れない。
なんかまとまりがなくなってしまった。季節を感じる画像を掲載するのでご容赦!

0 件のコメント: