2008年4月9日水曜日

上諏訪、韮崎、清春芸術村

先週末、毎年恒例のお花見旅行に大阪の知人が招待してくれた。今回は、長野・上諏訪温泉が目的地。

新宿駅発の特急あずさで2時間ちょっと。車窓からは刻々と関東の春景色が移り変わっていく。都心では散りゆく桜も八王子あたりでは、まだまだ元気で、そこから甲府に近づくとまさに満開の見頃となり、長野方面に近づくにつれ、七分咲き、五分咲きと桜色は乏しくなっていった。関東も広いことを実感。そして上諏訪についたら、桜はつぼみすらない状態。そりゃそうだ。最低気温1度だとかで、夕方以降はかなり寒い。

上諏訪温泉でのお宿は「鷺ノ湯」。歴史のある宿のようで立地は抜群。部屋についている露天風呂の正面には諏訪湖が広がり、真っ正面に夕日が落ちる。

温泉は茶褐色の源泉が豊富にあふれており、温度も程よく高得点。といっても宴会が基本目的みたいな旅行なので、あまりゆっくり浸かっていられなかった。

食事は広間での宴会料理だったので、寸評するほどではないが、場所柄、野菜、山菜が多くて健康になってしまいそうな感じだった。

宴会のあと宿の近くのカラオケラウンジを借り切っての狂乱の二次会を経て、ぐったり就寝。

翌日は、バスで桜を求めて山梨方面に移動。ここで素晴らしい桜に遭遇できた。まず訪れたのが韮崎インターから10分程度の所にある「わに塚の一本桜」。樹齢は300年ほどらしいが、じつに優美かつ野性味にあふれ、青空とのコントラストが抜群の景色。

東京周辺なら、この一本の木を目当てに数時間は渋滞するのではないかと思われるが、ここはそこそこの人出で、記念写真を撮るにもポジション取りに苦労しない程度。

次の目的地はそこから30分程度移動した武川村にある「山高神代桜」。国の天然記念物でもあり、日本の三大桜のひとつだという。樹齢は実に2000年。かなり傷んでおり、保護プロジェクトも大がかりらしい。

樹齢2千年と聞いただけで感動する。土器を浸かっていた人々を始め、平安、鎌倉、室町、江戸それぞれの時代に生きた人々が愛でたのかと思うとロマンを感じる。

この神代桜も勇壮な古武士のような佇まいだったが、周辺の桜も素晴らしかった。なんといっても見る向きによっては、残雪の八ヶ岳がバックにそびえる。足元には黄色い水仙が一面に広がっていたりする。

足元から水仙の黄色、桜のピンク色、青空、そして残雪の白色が美しいコントラストをみせる。まさに絶景。予想以上の景観にノックアウトされた感じ。

その後、小淵沢インター近くの清春芸術村に移動してランチ。ぽかぽか陽気の中、鴨肉にワインぐびぐびの休日の昼らしいのんびりした時間を過ごせた。

この芸術村の中にある白樺美術館館長は日本画家の岸田夏子さん。かの岸田劉生のお孫さんだ。教科書に出てくる「麗子像」の麗子さんの娘にあたる人。

毎年恒例のこの花見旅行に昨年、一昨年は岸田さんも参加されたが、今年はスケジュールがあわず欠席。岸田さんは、桜の絵を専門に描いている関係で、春は個展などでてんてこ舞いらしい。

お会いできなかった代わりに芸術村の中に飾られていた作品を記念に盗撮してきた(スイマセン)。妖艶な桜だ。

絵画という形で散らない桜を手にすることも面白そうだ。いつの日か入手しようと決意した。

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