2008年4月15日火曜日

JALの姿勢

日本航空と全日空が国内線の高級指向でしのぎを削っている。その名も「ファーストクラス」の名称でさかんにゴージャス路線を宣伝する日航だが、個人的には、最近のこの戦略自体が日航の迷走ぶりを示しているように思う。

そもそも日航と全日空は、2004年までは国内線上位座席として「スーパーシート」を設定していた。ところが、JASとの統合後、日航がとった戦略は、スーパーシートの廃止というもの。変わって差額わずか1000円の「クラスJ」を導入。少し広めの座席で、その他のサービスは一般座席と基本的に同じ。スーパーシート愛用者にとってはびっくりの判断だった。

対する全日空は、スーパーシートをより充実させたスーパーシートプレミアムを導入、富裕層や経営幹部クラスの出張ユーザーを手厚くもてなす戦略をとった。いま、日航の殴り込みに対して「プレミアムクラス」を導入して対抗している。三国連太郎、佐藤浩市親子がテレビCMで競演しているアレだ。

2004年以降、経営者や富裕層のJAL離れは子どもの頭でも想像がついたが、結果ももちろんその通りになり、いまになって慌てて上級座席をいささかオーバー気味に復活させた格好だ。

いきさつを考えると結構みっともない話。
JALがスーパーシートを廃止して、クラスJのみに一本化したとき、そのお粗末な発想に唖然とした人々にとっては、「なにを今さら」的な微妙な空気が確実に存在する。

上客やヘビーユーザーに一度そっぽを向いた事実は消えない。何かと深刻な経営問題が囁かれる日本航空だが、こうした迷走ぶりをみると、なんか頷けてしまう。

やたらと「ファーストクラス」のサービスを積極的な広報で自慢しているJALだが、逆に導入路線の飛行時間がわずかなことを考えれば、その内容は過剰サービスにも映る。

逃げられちゃった層の客を取り戻そうと、やけのヤンパチ状態に思えるのは私だけだろうか。

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