2008年4月28日月曜日

浦島太郎の気分

今年は、久しく没頭していなかった水中写真撮影に真面目に取り組もうと、最近の撮影機材動向を調べはじめてみた。もう10年ほど前に揃えたいまの水中撮影機材が完璧だと思っていたため、最近の事情にうとくなっていた。

調べてみて唖然。大げさではなく革命がおきていた。デジカメの進化が水中撮影にも大きな変化をもたらしている。ヤバイ!まったく浦島太郎状態になってしまった。

いずれ一眼レフのデジカメが手頃になったら機材を一新しようと思ってはいたが、意表を突かれたのは「コンパクトデジカメ」、いわゆるコンデジの台頭だ。

フィルムカメラしか水中に持ち込まれていなかった10年ほど前、シャープでビビッドな作品をものにするには、一眼レフ以外はあり得なかった。コンパクトカメラを使う発想はカメラ派ダイバーにとって考えられなかったのが実情だ。

ところが、最近のコンパクトカメラは、デジタル化という魔法によって、一昔の一眼レフを凌駕しそうな機能を持っている。

当然、小型で軽量、水中にもっていくための防水ケース(ハウジング)もコンパクトで、肝心の専用水中ストロボもコンパクトなものがいくつも登場している。

驚いたのは、5年ぶりぐらいに買ってみた水中写真の専門雑誌に出ていたデータだ。

アマチュアの水中フォトコンテストで使われた撮影機材の変遷が、自分の浦島太郎化を更に実感させた。

佳作を含む優秀作品のうち、実に65%がコンパクトデジカメによるものだという。残りの3割強は、デジタル一眼とフィルム一眼が半々程度だという。10年前、いや5~6年前でも優秀作品については、銀塩一眼レフ利用が7割ほどを占めていたはず。私の撮影機材セットが過去の遺物になりつつある。ショック!

おまけに雑誌に掲載されていたそれらの優秀作品を見ると、コンパクトカメラで撮影されたとは思えない作品ばかり。私がその昔、大げさではなく、死ぬ思いで接近撮影したような被写体もいとも簡単に撮影されている。撮影データを見るとコンパクトカメラ専用ハウジングに水中用のクローズアップレンズを装着してあるとのこと。最新の光学式ズームにクローズアップグッズを付ければ、被写体までの距離は相当稼げる。参った!

ほんの数年で浦島太郎になってしまったわけだが、これも、われわれが苦労に苦労を重ねてやたら面倒な段取りを踏んで水中撮影に取り組んできた歩みがあってこその進化だと思うことにした。

10年以上前のわれわれ物好きダイバーの撮影姿は、きっと間もなく前時代的なものになるのだと思う。でも、その姿を見て、あんな用意をしなきゃ撮影できないのならナントカしなきゃと思った各種メーカーが、現在のお手軽水中写真環境を整えているのだと思うことにする。

さてさて、愚痴を書いてもきりがない。富豪記者を名乗る以上、とっととイマドキのコンデジ水中セットを購入することにしよう。その使い勝手、仕上がりを見た上で、さっさと全機材をデジカメ対応に買い換えることにしよう。
頭痛がするほど出費がかさみそうだ・・・。

写真は順番にカリブ海・ボネール、マレーシア・シパダン島、メキシコ・コスメル島、沖縄・本島読谷沖で撮影したもの。



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