北京オリンピックに向けて何かと騒々しい。聖火リレー問題しかり、現地の公害問題しかり、食の問題だってくすぶっている。
何かにつけて、急成長する中国を持ち上げたがる知識人は多い。私の周りでも、政治家や経済人の多くが、やたらと中国ヨイショ組。オリンピックも勇んで見にいく予定の人も多い。
中国の躍進って、そもそも日本の資金援助(ODA)が無ければ成り立たなかったのだから、その部分を棚に上げ、やたらと持ち上げる風潮には正直違和感を覚える。もっと乱暴にいえば「あほらし」。
ODAには無償資金供与だけでなく、いわゆる貸付け部分も多い。以前、某中国通の有力代議士に言われたことがある。
「おたくらマスコミは、中国へのODAを何かと批判したいようだが、貸してるだけで返してもらう分もあるのだから勘違いしては困る」。返してもらうのだからいいじゃないか的発想って結構エグイ。これまた「あほらし」。
巨額な資金を貸すという事実自体が、すこぶるメリットの大きな援助だという感覚が欠落している。
資金を借りたくたって簡単に借りられない中小企業の心理からすれば、無利子だの低利だとかでジャンジャンお金を貸してくれる相手は神様のようなものだ。
一般人の健全な感覚だと、躍進中国に対して「スポンサーはこっちだ」と言いたくなる。
チャイナスクールと称される外務省の中国シンパ組は、長い年月をかけて、狡猾にシンパとしての道を極める。シンパ、言い換えれば手下ともいえる感覚が醸成され、結果、中国へのODAがドシドシ決定される。
おまけに中国各地で湯水のように使われるODA予算の多くが、日本からの資金援助で行われていることが現地の人々に周知されていない。これまた「あほらし」。
こうしたアホ話は、昨今のODA批判の流れでようやく問題視されるようになった。とはいえ、日本の資金で作った施設にその事実の表示を積極的に要求しはじめたのは最近になってから。日本の対中外交のズサンさを示すものといえよう。
最近では、こうした広報要請の動きが「感謝の押しつけ」として逆に中国からお叱りを受けているらしい。わけの分からない話だ。
ところで、財務省が先日、国の財政状況が「夕張以下の水準」と言い出した。まったく笑ってしまう。事実上の破産状態なのに世界有数の援助大国であることには変わらない。夕張以下が本当なら、オリンピックを開けるぐらいリッチな国から援助してもらいたいものだ。
以前、ODA問題をビートたけしさんが著書で指摘していたことを思い出す。
「会社はつぶれかけてるのに、調子に乗ってリンカーンを買った土建屋と同じ。自転車に乗らなきゃいけないのに、見栄張って銀座に行ってツケで飲んでるようなもの」。
まさにそんな感じ。
「税金の使い道」。古くて新しいテーマだ。一連のムダ遣い糾弾ネタはマスコミが思い出したように書き立てるといったイメージしか持っていない人が多いが、そろそろ国民それぞれが真剣に考えないと結局痛い目に遭うのは国民自身ということになってしまう。
2008年4月22日火曜日
お笑い「躍進中国」
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