2008年6月4日水曜日

コンパクトデジカメ頑張る

10年前と変わったところがほとんど無かったモアルボアル。海の綺麗さなどはまったく衰えることはなく、すべての進化が良い意味でスローモー。環境破壊のペースも同様で、もっともっとあのサンゴ群落がダイバーの間で有名になっていい。

今回は朝もゆっくりしてからダイビングに出かけたので、朝食後は決まって海沿いをブラブラ散歩した。朝から照りつける強い日差しの中で貝殻を拾って歩いたり、じゃれ合う子ども達を冷やかしたり、実に健全でのどかな時間を過ごした。

コンパクトデジカメでの水中撮影は、やはりデジカメ特有のシャッターのタイムラグが問題で、チョロチョロ動き回る被写体には非常に弱い。ゆっくり動いている生きものやジッとしている魚を撮るには結構遊べる。

次の写真は体長10センチ程度のニチリンダテハゼ。顔の直径はせいぜい1,5センチ程度だが、コンパクトデジカメの機能である光学ズームとやらの望遠効果を使うと、被写体までの距離が1メートル近く離れていてもこんな顔のアップが撮れる。

通常の一眼レフにマクロレンズを装着してもこのぐらいアップにしようとすると、もっともっと被写体に接近する必要があるため、ハゼはスッと巣穴に隠れてしまう。

まあ15分とか20分ぐらいかけて、なるべく魚と目を合わせないよう、泡で驚かせないよう呼吸も少なめにゆっくりゆっくりほふく前進をして近づけば相当被写体に近づくことは可能だ。ただ一般的に小一時間程度の潜水時間のうち、多くの時間をそんな努力に費やすわけにも行かず現実的ではない。

その点、デジカメのズームは強い。素直に関心。ある意味、時間をかけて被写体ににじり寄っていくオタク的な楽しみが奪われてしまってチョットつまらない感覚さえある。

技術の進歩は、自分が築いてきた潜水ノウハウをいとも簡単に過去の遺物にしてしまう。便利だけど被写体との駆引きが無くなって切ない感じがした。

次の写真はムチヤギにちょこんと乗っかるガラスハゼ。それこそ全長が1センチちょっとの超小型。肉眼では全体の色柄が分からないほどだが、デジカメのズームを使えば透明な身体に内臓が透けているところまで分かる。

動き回らない被写体といえば、じっと保護色になって思索にふけっている怪獣顔のエソなんかも簡単にドアップが撮れる。問題は光学ズームをいきなり使おうとすると外付けの水中ストロボの角度調整をついおろそかにしてしまい、被写体に光が回らない初歩的なミスをしてしまうこと。撮影可能範囲が広すぎるからこその特徴だろう。

今回、私が大好きなニシキテグリが見られるポイントがあるということで、ある日の午後、そのポイントに潜った。英名のマンダリンフィッシュと呼んだ方が雰囲気が伝わりやすい極彩色がこの魚の特徴。全長10センチぐらいで、夕方薄暗くなってからサンゴのガレ場からチョコチョコ姿を現す。ぴょこんと跳ねた瞬間を写すことができた。

なんとも落着きなく動き回り、おまけにすぐサンゴや岩の陰に隠れる。基本的な生息場所がガレ場の下なので、ストロボの光が回りにくく、おまけにヤツが好んで住んでいる場所付近には、たいてい刺されると洒落にならないガンカゼ(ウニの一種)がいっぱいいて撮影しづらい。

チャーターダイビングの良さで、この時は実に潜水時間100分というわがままな潜り方をした。やはりニシキテグリは可愛い。いつか飼ってみたいと思う。

さて、今回のデジカメ総括の前にもう少し写真を掲載する。




今日のこのブログにアップした写真は、接写、ワイド、そして陸上どれもコンパクトデジカメで撮影したもの。外付けの水中ストロボは使ったが、特別なワイドコンバージョンレンズやクローズアップレンズなども使わず、カメラ本体のレンズをズームにしたりワイドにしただけ。

フィルム一眼の描写力はやはり捨てがたい。ただ、荷物が多い潜水旅行の際に、コンパクトデジカメ1台でこれだけこなしてくれれば合格だ。

来年あたりにはデジタル一眼レフカメラ対応の水中ハウジングや水中ストロボが今以上に百花繚乱になるはず。アナログな私とはいえ、アナログ水中写真とはおさらばする日が近づいているようだ。

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