いつの間にか「ステーキ」といえば鉄板焼の店が主流になった。八王子で成功し、銀座や表参道にも進出した「うかい亭」あたりが火付け役になったのだろう。
昔からロッキー青木で有名な「ベニハナ」を頂点に沖縄あたりでは鉄板を前にシェフがパフォーマンスする店が結構ある。
私にとっては、あの手の店は鉄板焼であり、ステーキといえば、大きな肉が一枚どかーんと運ばれてくる料理というイメージがある。
先日、いまどきの鉄板焼ステーキ屋に行った。池袋の「多喜」というお店。まだ新しいビルの地下にひっそり構えている。
入ってみれば結構ゴージャス系でびっくり。池袋にしてはちゃんとしている。
お値段もちゃんとしている。というか池袋にしてはかなり強気だ。でも食べ進むうちに結構納得。このエリアでちゃんとしたディナーとか接待的な使い方を出来る店は、ここしかないかもしれない。
この日は4人で行ったので、アルコール費用も結構かさんだが、何より出された食べ物に×印がなかったことが嬉しい。
ちょろちょろした前菜とか野菜類はともかく、ステーキの前に出された魚が良かった。
いまが旬のスズキをていねいに鉄板で焼き、バジルとトマトのソースでアレンジ。焼き加減が絶妙で、唸れるレベル。肉嫌いの人向けに用意されているシーフードコースにすれば良かったと思ったほど。
肝心の肉は、サーロインとフィレを半々ずつにしてもらった。両方とも実に正しい高級肉の味がした。だらしない私には、サーロインはくどかったが、たいていの人が喜ぶ味だろう。
最近牛肉が重く感じる情けない私は、横に座っていた男にちょっと肉を手伝ってもらった。その男も結構いい年だが、ブリブリ食べて苦しそうなそぶりを見せなかったので相当まっとうな肉であることは確かだ。
ヨソの席の人が食べていた車海老も追加した。これがまた良かった。かなり大ぶりな車海老がじんわりと鉄板でいたぶられる姿を見ているだけで、ちょっとした高揚感がある。
頭としっぽは、コテを使ってしつこく押しつけるように焼く。旨味がぎゅーと凝縮されて素直に美味しい。よくお鮨屋さんで海老の頭をこんがり焼いて出してくれるが、確実にあれよりうまいと思った。
お楽しみのシメご飯が選択制というのも楽しい。オムライス、お茶漬け、ガーリックライス、あと一種類あったような気がするが忘れた。
注文したのはガーリックライス。この店では結構な量の生しらすを投入しているのが特徴。単純明快に美味しい。残念ながら写真はこれだけ。
食後のデザートは場所を移して、別席で供される。このあたりもいまどきのハヤリなのだろうが、この空間は無理矢理作ったスペースという感じ。鉄板のエリアが結構快適だったので、わざわざ移動させなくてもいいような気がする。
まあ文句がその程度なのだから充分いい店だろう。
サービススタッフもお子ちゃまはおらず、落ち着いた感じ。結構おすすめ。こういうレベルの店が池袋にもっとあれば助かるのだが。
2008年6月23日月曜日
鉄板焼きかステーキか
ラベル: 中年グルメ
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