2008年6月12日木曜日

情報起業、アメックスカード

情報起業という言葉が聞かれるようになって久しい。難しそうな用語にも見えるが、何のことはない。自分独自のノウハウなどをインターネット上に流し、興味を持った人に売りつけることだ。

ほんの5~6年ぐらい前までは、まだどこか牧歌的だったネットオークションの世界でも、最近は、この手の情報やノウハウがさかんに出品され、なんかギスギスした印象もある。

「株で儲かる方法教えます!」とか「キャバクラ嬢を落とすマル秘テクニックはコレだ!」とか、「情報起業で月収300万円を稼ぐ方法教えます」なんていうのもある。

もはや何でもかんでも売り物だ。一番おかしかったのは、「タイ語・夜の会話事例集」。
バンコクあたりで不道徳な遊びに人生を費やすオヤジ達を相手にしたもの。要は売春婦との交渉や要求、世間話の文例が指さし利用できるようになっている冊子。たしかに欲しい人には喉から手が出るほど欲しいものなのかもしれない。

こうした情報起業のツールとして売られるものは、たいていがそれなりの内容を簡単にコピーして冊子状にしたもの。制作原価は紙代とコピー代くらい。確かにコアな情報が網羅されていればきちんとした製本など不要だろう。コピーで済むなら在庫も抱えないで済む。

私のように昔ながらの紙媒体でビジネスをしている人間にとっては、その安直さがうらやましくもあると同時に、こちらのビジネスにも応用できないかとつい考える。

自分自身に置き換えて考えてみた。仕事の世界はさておき、何か他人様がお金を出してでも欲しがる情報やノウハウを持っているだろうか?

20年以上やってきたダイビングや水中写真撮影に関する話なら興味を持つ人もいそうだ。直接的な潜水技術とか撮影テクニック云々ではなく、もっとディープなノウハウが大事なんだろう。

たとえば、海外のダイビングショップに自分の細かいリクエストを英文で伝えるための電子メール文例集とか、プライベートチャーターを効率的に行うための好適地選びや価格の相場、注意点とか、考えればレア情報って結構生み出せそうだ。

ついでに考えると、「一人客を受付けない高級旅館に一人で泊まるためのノウハウ」とか「ビジネスクラスのチケットを格安で入手する方法アレコレ」とか「銀座のクラブでナンタラ」とかいろいろ作れそうだ。まあ問題は他人様が対価を払ってまでそれを欲しがるかどうかという点だが・・・。

思えば誰にだって独自のノウハウや知識があるわけで、それを上手にお金に変えるセンスと情熱、勤勉さがあるかどうかがポイントだろう。

ちなみに今日この話題を取り上げたのは、アメックスのカード機能について調べごとがあって、ネットをさまよっていたことがきっかけ。

驚いたことに「アメックス・ブラックカードを取得する方法」といった情報を扱うノウハウ販売屋がいっぱい存在する。

「アメックスの攻撃」というタイトルで今年2月22日付けでこのブログにもあれこれ書いた。プラチナカードホルダーの私にも、以前ブラックカードの現物が送られてきて切り替えをしようかどうか迷った話だ。結局、アマノジャクな私は、あまりメリットを感じなかったのでブラックには移行していない。

その後、アメックスから切り替えの案内は来ていない。一度断ったら二度と案内してこないのだから、ある意味徹底している。人間の心理なんておかしなもので、ネット上でブラックカード取得ノウハウなんかが氾濫するほど欲しい人がたくさんいるのかと思うと切り替えに応じなかったことをチョッとだけ後悔する。我ながら情けない。

でも、この手のノウハウ屋の宣伝文句には笑える。ブラックカードを手にすると「女子にモテるようになった」、「買い物の時、店員の態度が明らかに違う」、「世界中どこに行っても誰からも一目置かれるようになる」などなど。結構呆れる。大げさすぎだ。

思っているほど、プラチナとかブラックなんて一般には知られていない。ましてや店員さんやレジ打ちの人なら尚更だ。いまどきはゴールドカードばやりだから、緑色のベーシックなアメックスカードなんか逆に素敵に見えているかも知れない。

ステータスの感じ方は人それぞれだろうが、クレジットカードのランクでそこまで格差が生じるという発想はトンチンカンだろう。

現役で生きている以上、見栄をはることはどんな局面にもつきもの。ある意味、向上心を持ち続けるためには見栄はとても大事な感覚なんだろう。でもその一方で、見栄の呪縛がきつすぎれば、おかしな迷走にもつながる。厄介な感覚だ。

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