仕事柄、税理士や公認会計士の方々と接する機会は多いが、この業界もご多分にもれず、高齢化は加速度的に進んでいる。
都道府県別に見ると、某県ではエリア内の税理士の平均年齢が80歳を超えるところもある。
終身資格であり、国税職員を勤めあげた、いわゆるOB組は、新規開業しても60歳ぐらいなので、必然的にお年寄りの比率は高まる。
税制の複雑化、税務行政のIT化もあって、正直、ついて行けていない人も少なくない。
それでも長年付き合いがある顧問先企業の日々の記帳代行を中心業務にしていると、「大過なく」過ごせている事務所も多い。
中小零細企業の事業承継問題が大きな社会問題になっているが、税理士の世界でも事情は同じ。高齢化だけでなく、国家資格を前提としているだけに、後継者難はより深刻。
税理士業務の場合、顧問先企業との継続的な取引が基本で、突然廃業するようなことになれば、クライアントにも大きな影響が生じる。
そのため、事務所ごと譲り渡すM&Aがここ数年、着実に広がっている。毎月毎月、顧問料という安定収入を持つ業務だけに、普通に業務展開している事務所であれば、譲り受けを希望する同業者は数多い。
いまどき、新規に顧問先企業を開拓するのは難しく、それならばスタッフごと受入れて規模の拡大を狙う事務所が多いわけだ。
譲り渡す側、すなわちリタイアする税理士にとって、“親族外承継”の寂しさは察するにあまりある。心血注いだ仕事に幕を下ろすわけだから、決意を固めたようでいて、いつまでも心は揺れ動く。
わが社は、戦後60年間にわたって税理士業界に密接に関係してきたため、こうした事業承継サポートのリクエストが数多く寄せられる。
やはり、M&Aを成功させるには、冷静かつ親身で経験豊富なサポーターが必要だが、わが社の担当者も、日々全国でさまざまな人間模様に接している。
テクニカルな話よりも人生相談的要素が必然的に強まるようで、担当者達は実年齢よりも確実に老けて見える。
はるかに年長の人生の先輩相手に、ともに泣き、ともに熱くなり、時には厳しくも接するうちに、彼らのオッサン化は加速度的に進む。
オッサン化が進めば進むほど、苦悩する税理士が癒されてハッピーになれるのなら、彼らのオッサン化はとても尊い現象だと思う。
税理士業界の事業承継サポートに取り組む担当者たちのナマの声を掲載しているホームページを紹介したい。
www.e-syoukei.com。
サイト内の「ブログ」欄で、先行き不安に悩む税理士と日々全国で接する担当者達の肉声を掲載している。リアルな現場事情に関心のある方は、ぜひご一読を。
2008年10月10日金曜日
老ける仕事
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