2008年10月3日金曜日

止まり木と渡り鳥


夜の銀座をぶらついていると、ホステスさんが客を見送る場面をよく見かける。

客の姿が見えなくなるまで素敵な笑顔満開の女性陣。その後の表情はさまざま。客が見えなくなった瞬間にホッとする顔、次なる闘いに向け、表情をキリリと切り替える顔、ひどいのになると舌打ちも見かける。

見送りの際に後ろ姿に向かって舌打ちとかされてしまったら悲しい。私の場合も、アッカンベーとか、中指だけ立てられたりしているのかも知れない。

なかには、客を見送ったあとまで楽しそうな笑顔でたたずんでいる女性もいる。そんな店には行ってみたくなるが、さすがに飛び込みで店を開拓するような世界ではないため、いつも見て見ぬふりをして通り過ぎる。

夜のクラブ活動で新しいお店を開拓するのは結構面倒だ。仕事の関係者に連れられて行った店だと、たとえ気に入っても、紹介者にしょっちゅう会っちゃいそうな気がして、行かずじまいになる。

結局頼りは、女性陣の移動についていくパターンになる。

ホステスさんも違う店に移れば、旧知の客に案内を出す。そこにノコノコ渡り鳥のようについていくと新店が開拓できるわけだ。

大箱か小箱か、しっとり系かガチャガチャ系か、初めて行く店は、事前に様子が分からないから、知らない土地に旅行するような楽しさがある。

先日、8丁目のビルの地下に構える小ぶりな店に初めて出かけた。

小ぶりで感じのいい店を開拓したかった私にとっては居心地の良さそうな店。ノンビリ一杯やるには適度な感じ。ちょこちょこ顔を出すことになりそうだ。

この日は偶然、仕事上で少々縁のある民主党の代議士が一人ポツンと飲んでいた。二言三言あいさつ程度の言葉を交わした。

「こんな時期に、政権協議もせずにマッタリ飲んでいていいのかな」。さすがに口にしなかったが、あの種の人々は、隠れ家で飲んでいても、周囲にそんな目で見られるのかと思うと少し気の毒。

止まり木で見かけても、ソッとしておいてあげねば。

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