2022年8月19日金曜日

クルマ遍歴


18歳で免許を取ってから40年近くが経った。随分いろんなクルマに乗ってきたが今もナゼか夢に出てくるのが我がクルマ遍歴唯一の“4ナンバー商用自動車”だった日産サファリだ。

 

https://fugoh-kisya.blogspot.com/2020/08/blog-post_26.html

 

愛好家達で作るチームに加入してやたらと改造しまくってオフロードツーリングにも出かけた。とことんクルマで遊んだせいで一番の思い入れがある。

 

ベンツもポルシェもキャデラックも乗ってきたのに一番の思い入れがある。手放した時のままのあのクルマが中古車市場にあったら新車価格を出してでも手に入れたいほどだ。

 

私のクルマ遍歴の始まりは実家にあったトヨタマークⅡをお下がりで自分専用にさせてもらったところから始まる。CMキャラクターが長島さんだったことからも分かるようにオジサン向けのクルマだった。

 



オジサン向けとはいえ、当時の世の中では“ハイソカー”なる謎の言葉がハヤリ始めていたから一応その流れに乗ったような顔をして乗り回していた。

 

まだセルシオもシーマも登場していなかったバブル前夜だったからクラウンを頂点とするハイソカーヒエラルキーの中でマークⅡはまあまあの位置付けだった。自分専用になってすぐにオートバックスに行ってフェンダーミラーをドアミラーに交換したのが懐かしい思い出だ。そんな昔の話である。

 

それにしても昭和のあの頃はクルマをめぐる世間の関心というか情熱みたいなものが今より遙かに強かった。そのぐらい誰もがクルマありきのライフスタイルを過ごしていたのだろう。それこそ品川ナンバーは素敵だの練馬ナンバーは残念だのと実にくだらない話で盛り上がっていた。

 

始めに書いた日産サファリは別格として、それ以外にもとくに印象に残っているのが日産レパードだ。ドラマ「あぶない刑事」で館ひろしと柴田恭兵が乗り回していたことでしか知られていないクルマだ。

 



大ブームを巻き起こしたトヨタソアラの向こうを張って日産が投入した2ドアクーペである。当時からアマノジャクだった私は迷わずソアラよりマイナーだったレパードを選んだ。とにかく売れなかったらしい。でもすこぶる優秀なクルマで私は大好きだった。

 

その後もあれこれ乗り換えているうちに欧州車ばかり選ぶキザな大人になっていった。欧州車はモデルチェンジのサイクルが長かったことも魅力だったが、考えてみれば昭和の日本人特有?の欧米コンプレックスが原因だったのかも知れない。

 

中でも大好きだったのが2ドアクーペの2台だ。バリバリのスポーツカーは運転していても快適ではない。ちょっと落ち着いた路線のクーペぐらいがノンポリ派の私にはハマった。

 




BMW850とジャガーのXK8である。今日のここまでの画像は拾い画像です。すいません。


4ドアのほうが間違いなく実用性に勝るのだが色気づいていた私としては2ドアクーペのエロいデザインに惹かれた。この2台、どちらもあまり街中で見かけなかったことが何より良かった。

 

その後、世界的にクーペっぽいデザインを採用した4ドア車が人気を集めるようになってきた。べンツCLSの大ヒットがきっかけだ。当然、歳を取ってきた私もその路線に目が向くようになった。

 

独身だから2ドアクーペに乗ればいいのに何かと実用性やら落ち着きたい気持ち?のせいで4ドアに目が向く。お金が有り余っていいたら007みたいにアストンマーチンでかっ飛ばしたいのにそうもいかない。

 

で、今の私の愛車はマセラティのクアトロポルテである。「クアトロポルテ」って音の響きがカッチョ良くて気に入っているが、イタリア語では単に「4ドア」という名前だ。

 



4ドアセダンとはいえ、クーペっぽいデザインが気に入っている。ベンツのSクラスより長さがあるのに取り回しは案外スムーズだ。ホイールベースの長さも快適な乗り心地に直結する。

 

以前はショートバージョンの「ギブリ」に乗っていたのだが、ちょっとデカいクアトロポルテのほうが乗り心地や全体のバランスなどが秀逸に仕上がっていると思う。

 

イタ車は壊れるという評判も今や昔、ギブリから続けて乗っているが不具合はまったくない。今のところ他に乗りたいクルマも無いし、コロナ禍のせいでモデルチェンジが大幅に遅れているようだからまだまだ乗り続けていたいと思う。



イタリアのボローニャにルーツを持つことも私がマセラティに魅了される理由の一つだ。特徴的なトライデントと呼ばれるエンブレムは私の大好きな街・ボローニャのメイン広場にあるネプチューン像が手にする槍(モリ)の先端部分がモチーフだ。


10年ほど前に初めて本場のボロネーゼパスタを食べた時にウマ過ぎて卒倒しかけた衝撃や初めて洒落靴で有名なステファノ・ブランキーニ本店を訪れた時の感動をボローニャでは味わった。


ちなみに今使っている長財布やいつも小旅行に伴わせるお気に入りのボストンバッグも5年ぐらい前にボローニャ駅前のテストーニのアウトレットショップで入手したものだ。


といわけで、マセラティのエンブレムを見るたびに愛しのボローニャの空気を感じることが出来る。なんだかちょっとキザったらしいこじつけみたいな話ですいません。。

 




地味目な外装色に反して中は赤である。さすがイタリア人が作るクルマだ。こんな内装色ならセクシーなオネエサンでも乗せてあんなことやこんなことにも励みたいところだが、私ももう初老街道まっしぐらでそんな機会ともご無沙汰だ。助手席に乗せた娘の愚痴を聞いたりするのがせいぜいである。

 

その点だけは若い頃のほうがはるかに刺激的だった。まあ何だかんだ言っても今のそんな状況のほうが結局は人としては幸せなんだろう。

 

と、必死に自分に言い聞かせている。

 

 

 

 

 

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