2008年9月16日火曜日

銀座 九谷

「北海道」をウリにしたお寿司屋さんが銀座にあると聞いて出かけてみた。外堀通り沿いのビルの地下に構える「九谷」という店。

名前からすると北陸の魚介類を食べさせる店のようだが、系列店が札幌にあるそうで、北海道直送品がアレコレ揃っている。

店内は、妙に明るく、開放的な雰囲気。銀座の寿司屋にありがちな息苦しいような感じはまったくなく、肩肘張らずに過ごせる。

かといって、大衆的な安っぽさはなく、気軽で適度な高級店といった感じだろうか。比較的客層も若い。

若い店主は、客への目配りがしっかりしており、ボケッと座っていても、そつなく対応してくれる。

さて肝心の食材。北海道好きの人なら必ず気に入りそうなラインナップで、私のように寿司屋めぐりのためだけに北海道旅行をするような好き者には堪らない。

甘さタップリのボタンエビをつまみで頼めば、珍味好きには嬉しいエビミソが出てくるし、ウニの塩辛やイカのワタの味噌漬けなんかを出してもらえると、単純な私は、頻繁に通おうかと思ってしまう。

私の北海道寿司屋めぐりの目的は、考えてみれば寿司そのものではなく、地元ならではの珍味。この「九谷」には、その手の酒肴がいろいろありそうなので、束の間の旅気分が味わえる。

寿司屋のカニといえば、タラバかズワイが主流になっている印象があるが、この店で食べたのは毛ガニ。北海道ならではのポイントはカニミソをしっかりミックスしてくれる点だ。つまみで剥いてある毛ガニをもらっても、握りで頼んでも、冷凍物とはひと味違うカニミソがしっかりトッピングしてある。

イクラもこの時期ならではの生イクラを当然のように常備してあるし、タラコやウニも北海道直送の上質なものを使っている。素直に美味しい。


くじらの刺身やベーコンも極めてまっとうで、ある程度、店主にまかせておけば、かなり色んな種類を楽しめる。

東京では珍しい山ワサビも当然のように登場する。イカと山ワサビの巻物は、やたらと辛くて涙ボロボロだったが、つまみの刺身に常に山ワサビを頼めるのは高ポイント。

そのほか、マグロの漬けやコハダ、しめ鯖あたりの仕事系のネタもきっちりとした水準で、単に生ものしか置いていない北海道の店とは違う。

短期間に続けて2回行ってみて、私にとっては居心地が良さそうな店だと思った。お勘定も界隈の店と比べると良心的。近いうちに再訪して、じっくり珍味攻めをしてきたい。

0 件のコメント: