ガソリン国会のドタバタぶりに関する報道が過熱しているが、一般のメディア報道が触れない意外に大きな問題が急浮上している。
税金の専門紙「納税通信」では、この問題を何度も取り上げている。テレビや一般紙が取り上げない現象だけに、多くの読者企業が「納税通信」の記事によってオモテに出ない“税金アクシデント”に驚いている。実際に編集局にも危機感を強めている企業の問い合わせが少なくない。
要は、ガソリン税に関して揉めている法案は、ガソリン税だけの話ではなく、税制改正法案全体に関わっていることがポイントだ。
すなわち、ガソリン税問題を含んだ法案が3月末の年度内に成立しなければ、その他いくつもの重要制度が3月末で期限切れになる。問題の法案は、租税特別措置法の改正案であって、この中には、企業側が当然延長されるという前提で認識している各種優遇措置が含まれており、ガソリン問題の紛糾が続けば、その陰で優遇制度がなくなるというわけだ。
たとえば、中小企業がパソコンなどの機械装置を取得した際に、一定額を特別償却できたり、税額控除できる投資促進のための優遇措置もとりあえずの期限は、今年3月末。延長される予定にはなっているが、肝心の法案が成立しなければ、当然に失効する。
今回のドタバタ劇でも、結局、衆議院の優越によって、いずれは法案は成立する見込みだが、仮にそれが今年5月だったとすれば、今年4月に決算を迎える企業は、法律の空白というタイムラグによって各種の優遇措置が適用されないというトンチンカンな事態が起きる。
「ガソリン値下げ隊」といった名称で、大衆迎合的パフォーマンスを繰り広げた野党側の思惑通りに事態は進んでいるが、その一方で、広範囲に影響が及びかねない「とばっちり」も存在する。
一般メディアが報じないだけにコワイ話だ。
2008年3月24日月曜日
ガソリン国会の裏側で
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1 件のコメント:
「ガソリン値下げ隊」という大衆迎合的パフォーマンスは不評を買っているようである。
しかし、政権を取りたいだけの民主党の対決政局によって、ガソリン暫定税率は3月末で期限切れとなるのが確実となってきた。
しかし、福田首相は再可決することを決めた。これは、大いに歓迎したい。
これからの日本は財源不足の時代が続く、莫大な借金(国債)の返済も容易でない。
民主党のガソリン税下げなど論外であり、ガソリン税は欧州並みに上げて、税源を確保すると同時に一般財源化する必要がある。
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