高校生の娘にとっては、あの街の若いエネルギーは刺激的だったようだ。数え切れないほどの店が競い合うショッピングモール、バッタもんが集まるの夜の露店街、そこからチラリと見えるゴーゴーバーの怪しげな光景などキョロキョロしっぱなし。
バンコクらしさを味わうのに最適なのがチャオプラヤー川沿いのホテルだ。「オリエンタル」に泊まるのはおこがましいので、今回はシャングリラを選ぶ。
シャングリラウィングとクルンテープウィングに分かれた造りだが、クルンテープウィングはスカイトレインの駅から徒歩1分だし船着き場にも至近距離だから便利だ。
部屋にバルコニーもあるから喫煙者には有難い。こちらのウィングにいれば、朝食だけでなく、アフタヌーンティーや軽食などのいわゆるラウンジサービスも受けられる。プールサイドでのドリンクも無料だし、かなり贅沢気分が味わえる。
ホテル競争が激しいバンコクでは、名だたる高級ホテルに格安で泊まれるが、川沿いのホテルはやや割高。私も普段なら別なホテルを予約したはずだが、愛する娘ちゃんのためにちょっと奮発した。
おかげで深夜便で帰国する際は、空港までメルセデスのSクラスで送ってもらう。それはそれで教育上は非常によろしくない。ちょっと反省。
それにしても久しぶりにブラブラしたバンコクは「伸びゆくアジア」を象徴するかのように15年ぐらい前とは大きく様相が変わっていた。
その昔、よく歩いた中心街でも自分の位置関係がよく分からない。記憶力のせいではなく、ニョキニョキと新しいビルが増えたせいだ。視界がさえぎられちゃって違う土地に来たかのように感じた。
高齢化がズンズン進むニッポンとは違って若者の熱気が国全体を覆っているようにも思えた。
さて、食べ物の話である。タイの人気料理といえば「プーパッポンカレー」にトドメをさす!?。蟹のカレー炒めである。
蟹のカレー炒めと聞いてイメージする食べ物とは微妙に違う。というか、実際に食べてみないとイメージが湧かない味である。
この画像は元祖である「ソンブーン」での一コマ。横着な私は蟹の殻無しでオーダーする。だから見栄えがイマイチである。
こっちの画像は隣の席に運ばれてきた通常のプーパッポンカレーである。これがノーマルだ。
見た目の話はともかく、このソースが絶品だ。カレーだけでなく卵が相当使われている。一口食べた途端に「何じゃこりゃ!」と叫ぶウマさだ。そのままで良し、ご飯モノに混ぜてもウマい。
バンコクに来る前のクラビでもレストランに入るたび「蟹カレー炒め」に惹かれたのだが、我慢に我慢を重ねてバンコクのこの店でようやく解禁。幸せだった。
画像は上からグリーンカレー、グリーンカレーの炒めメシ、春雨炒め、カオソーイ(カレーラーメン)、パッタイ(平打ち米麺の焼そば)。
どれも美味しかった。やはりタイ料理はあの気候の中で食べると一層ウマさが際立つ。
よく食べ、よく歩き、よく泳ぎ、よく喋って過ごした一週間の旅。たくさんの思い出が出来て楽しかったのだが、当然のごとく帰国後はヘロヘロに疲れ果ててしまった。
娘相手に頑張りすぎる私の悪いクセはあと何年ぐらい続くのだろう。