2023年7月31日月曜日

疲労回復効果


「元気になる食べ物」って本当にあるのだろうか。ニンニクで元気になる、馬肉でパワーもりもり、ほうれん草でポパイになる、モロヘイヤは最高だ等々、食べたらたちまち元気になるようなフレコミの食品は数多く存在する。

 

葉っぱや干物ばかり食べていた江戸時代ならともかく、飽食の今の時代は誰もがエネルギーをしっかり蓄えているから、一気に元気が回復する食べ物なんて本当にあるのだろうか。

 

年齢的にも行動的にも疲れが溜まりやすい私は馬肉やらウナギやらトロロやら俗に疲労回復に良いと言われる食べ物を割と積極的に食べるようにしている。

 

でも食べた翌日に疲労回復を実感したことなどない。迷信か単なるウソなのかと思ってしまうのだが、逆にそれらを食べなかったらもっとバテバテだったかもしれないと思い直して凝りずに食べ続けている。

 




 

鰻屋に行けば鰻重だけでなく白焼きも食べるし、馴染みのお寿司屋さんでもウナギのくりから焼きを必ず食べる。

 

ウナギを食べた後にエネルギーが湧いてきた感覚はない。でも何とかフラフラせず生きているのはウナギ効果のせいなのだろうと都合よく解釈している。

 

こういう「思い込み」が世の中の健康産業などを支えているのかと思うとちょっと悔しい。うまく丸め込められたような気分にもなる。

 

青汁やサプリもずいぶん飲み続けているが、きっとスパっとやめたって私の身体には何も変化はないのだと思う。

 

でも、でもである。遠からず還暦を迎える歳なのにどこにも不調はなく時には若いオネエサンのお尻を追っかけている自分の状態にサプリたちが微妙に影響を与えている可能性があるとしたら一気にやめちゃう勇気はない。

 

最近、新たに「チアシード」なる植物を摂取するようになった。スーパーフードという言葉に惹かれてロクに効能も知らないのに毎朝ヨーグルトに混ぜて食べている。

 



ダイエット効果ぐらいしかないという指摘もあるが、オメガ3なんちゃらを豊富に含んで抗酸化作用が強いらしい。オメガ3なんちゃらの意味も抗酸化という言葉の意図するところも何も知らないのだが、とにかく「スーパーフード」という用語に妙に魅力を感じている。

 

ムダかどうかはきっと死ぬまで、いや死んでも分からないのだろう。でも食感がキウイを食べているようなつぶつぶ感があって悪くない。無味無臭だからヨーグルトに入れたら食感に変化がついて案外クセになりそうである。

 

先日、夏バテ気味だったので珍しく韓国料理屋に出かけた。サムギョプサルをたんまり食べた。画像は撮っていないがサンチュに肉を載せてそこにネギやキムチもどっさりトッピングしてむしゃむしゃ食べた。

 




ニンニクも結構入っているし、どことなく疲労回復に効き目がありそうな気がしてガッツリ食べてみた。鉄板で焼いたタマネギに別皿で出てきた白髪ねぎ、それにキムチにキノコ類まで葉っぱでくるむわけだから元気のもとになるはずと信じて食べた。

 



シメにはビビン冷麺である。辛さもしっかりあってこちらも夏バテ対策に意味がありそうな味だった。心なしか食後は元気になった気分がした。

 

しかし、翌朝起きてもいつも通りのダルさは改善されていなかった。食べ物の影響はやはり期待できないのだろうか。まあ、この程度で元気もりもりになるのなら韓国人には疲れている人がいないという理屈になるから無理もない。

 

とかく元気の源は肉だと言われるからちょっと苦手になってきた牛肉も時々は意識して食べるようにしている。さすがに赤身中心である。

 

いつのまにか「上ロース」みたいな「上」とつく肉は選ばなくなった。「上」は間違いなく脂が多い。真っ赤っ赤の肉を求めると必然的にメニューの中の一番安い肉を選ぶことになる。お金に困っている人みたいでちょっとシャクだが見栄を張ってもクドい肉が出てくるだけだから仕方がない。

 



カルビばかり食べていた若い頃は朝も昼も夜も元気だった。ひょっとするとあの脂ぶりぶりの肉が元気の源になっていたのかも知れないと勘違いしたくもなる。

 

我流を貫いてとろろやウナギやタマネギや馬肉なんかで元気回復を狙ってきた私だが、それらの効き目にあまり実感が持てなくなったいま一体何をどのぐらい食べるのが正解なんだろう。

 

食べたら速攻で元気回復効果がある食べ物を知っている人がいたらぜひ教えてほしい。

 

 

 

 

 

 

2023年7月28日金曜日

バンコク・リバーサイド


サムイ島に4泊した後はバンコクに移動して3泊してきた。当初はヨーロッパに行こうと計画していたせいで結構長い旅程になったが、時差も無いし何となく身近な印象もあるし、海外旅行リハビリとしては悪くなかった。

 


 相変わらずバンコクはごった返していた。パワーを感じる。国民の平均年齢が日本より遥かに若いから活気が違う。30年ぐらい前に比べると近代化も急速に進んいる。中心部にはニョキニョキと新しいビルが建ち、その昔に東南アジアの国々に感じた“後進国感”はグっと薄れてきた。

 

円が弱いせいもあってか物価も昔より高く感じた。場所によっては日本並みだ。二昔前ならレストランのメニューを見ても値段の欄など気にもしなかったが、いまやそれも昔。マックのメニューを見たら日本より高かった。

 

3泊したバンコクでもとくに目的もなく過ごした。観光っぽいことは暁の寺・ワットアルンを見に行っただけで、それ以外にはホテルのプールと街歩きで過ごした。

 



泊まったのは「Chatrium Hotel Riverside」。バンコクの宿泊はチャオプラヤー川沿いに限るという私の信念もあってネット価格が魅力的だったこのホテルを選んだ。

5-star Luxury Riverside Hotel | Chatrium Hotel Riverside Bangkok

 





チャオプラヤー川沿いには名門・オリエンタルホテルを始め、シャングリラやペニンシュラなどがあるが、最近は他にもいろいろとホテルが進出してきたみたいだ。ごみごみした市内中心部の汚れた空気の中で宿泊するより川沿いはだいぶ清々しい。

 

川沿いのどのホテルも高架鉄道の駅近くの桟橋まで渡し船で送迎してくれる。ちょっとしたクルーズ気分が楽しめるのが楽しい。高架鉄道に乗り継げば目的地にはスムーズに行けるから悪名高き大渋滞にはまることもない。

 

部屋は広めでゆったりしたテラスもあったから喫煙者には有難い。さすがにサムイ島よりはタバコ規制が厳し目だったから部屋のテラスが私の憩いの場だった。

 



広いプールがあったのもこのホテルを選んだ理由だ。喧騒のバンコクでゆったりプールで過ごすのはちょっとした贅沢だ。中心部の高級ホテルだとなかなかそうはいかない。

 

ホテルの朝食バイキングも文句なし。いわゆる都市型高級ホテルならではのビュッフェメニューが充実していて朝から出来立てラーメンや炒めメシも味わえた。炭水化物を愛するタンスイカブラーとしては満足の時間だった。

 

バンコク唯一の旅の目的が「ソンブーンのプーパッポンカレー」である。いまやタイを代表する料理と呼んでも過言ではないカニのカレー炒めである。MENU - SOMBOON SEAFOOD (สมบูรณ์โภชนา)

 

元祖と言われる「ソンブーン」はここ20年ぐらいで一気に店舗数も増え市内各地で手軽に食べられるようになった。どの店も混雑するらしいので某ショピングモール内の店舗に夕方早めに入店。食べ終わった18時ぐらいには早くも入店待ちの列ができていたからラッキーだった。

 




殻付きと殻無しか選べるので殻無しを頼んだのに私の英語力のせいで殻付きの一品が出てきた。殻と戦うのが面倒だったが殻無しよりもカニ感を強めに味わえて悪くなかった。

 

白ごはんではなく薄味のカニチャーハンを頼んでそこにトッピングするのが私のお気に入りの食べ方だ。今回も何とかの一つ覚えのように注文してみた。相変わらず泣けるほどウマかった。

 

カニカレーもチャーハンも34人前のボリュームだったのだが、同行した娘が気が狂ったように食べまくったので私はたいして満腹にもならずちょっぴり欲求不満に終わった。太田胃散の世話にならなかったわけだから私も随分と歳を取ったものである。

 

バンコクではこれさえ食べれば後は惰性メシで充分である。実際に私のスマホの画像フォルダにはたいしたものを食べた記録がない。ショッピングモールのフードコートみたいな場所で地元の人に大人気のカオマンガイを食べたり、チャオプラヤー川の夜景が楽しめるレストランでグリーンカレーやトムヤムチャーハンを食べたぐらいである。

 



                     



 それ以外にはフルーツの女王と呼ばれるマンゴスチンに久しぶりにありつけたのが嬉しかった。果物など普段殆ど食べない私でも東南アジアに来ると欠かさず味わうのがマンゴスチンである。

 

寄生虫の関係だかで日本ではあまり見かけず、あったとしても1200300円という意味不明な値付けがされている。現地では1キロ十数個で数百円だ。内外価格差の最たるものだと思う。

 




マンゴスチンの味をうまく活字で表現できないのが残念である。ライチのような食感だがもっと優しい甘さで他にこれと似た果物は無いような気がする。

 

南国に来たらスイカジュースとマンゴスチンとフローズンマンゴーダイキリがあれば私はニコニコと暮らしていける気がする。

 

ついでの話。最近できた「アイコンサイアム」という巨大モールが今回のバンコクでは最も印象的だった。チャオプラヤー川沿いに作られた最新のスポット。まさに何でもあり。

アイコンサイアム | 【公式】タイ国政府観光庁 (thailandtravel.or.jp)

 

バンコクでは夜の出店で怪しい商品を冷やかしたり街中でぶらぶらショッピングするのが定番だが、アイコンサイアムにはジャンクな商品からマセラティ販売店まで入っていてフードコートなど飲食関係の充実ぶりも凄かった。

 




 やはりバンコクは川沿いで完結したいものだ。川沿いのホテルに泊まり、バスのように使えるエクスプレスボートに乗って川沿いの有名寺院を訪ねれば基本の観光は済んでしまう。

 

買い物や食事も同じく川沿いのアイコンサイアムや10年前にできたアジアティークというモールに出かければ無いものは無いと言っても大げさではない。大渋滞と喧騒、空気の悪さがバンコク中心部のマイナスポイントだが、それをクリアできるわけだからリバーサイドでホゲホゲするのが間違いないと思う。


というわけで一週間以上のタイ旅行を終えた感想は今更ではあるが「さらばコロナ」である。世界中から人が集まる場所でノーマスクで過ごしたが帰国後も体調変化は無し。混んだ電車にも乗った、人混みの中でブラブラもした、神経質に手指消毒もしなかった。それでも問題なかった。これはとても嬉しいことだ。










 

 

 

 

2023年7月26日水曜日

サムイ島の休日

 

タイに行ってきた。2019年にポーランドとクロアチアに旅行して以来4年ぶりの海外だ。そう考えると今更ながらコロナ禍は結構長く影響していたことを実感する。

 

貯まりまくったマイレージによる無料航空券が手配しやすかったのでタイを目的地にした。大学生の娘との2人旅である。前半はサムイ島、後半はバンコクでのんびり過ごした。

 



娘は6年前にクラビに連れて行って以来のタイ好きだ。20年前にもサムイ島に連れて行ったのだが、さすがに記憶はないようだ。深夜便で羽田を出発して朝のうちにバンコクからサムイに乗り継いだ。

 

20年ぶりのサムイ島はやたらと発展していた。アラモアナショッピングセンターかと思えるほど立派なモールもあった。目抜き通りはずいぶん近代的になり、大麻解禁の影響で街中いたるところにマリファナバーが乱立していた。変われば変わるものである。

 




親子旅だから隠れ家リゾートに泊まるのもヘンテコだし、チャウエンビーチというド繁華街の中心に位置する場所に宿を取った。「ChawengRegentBeachResort」が今回の滞在先だ。

 

広めの客室に大きめのテラスも付いていて喫煙者には有り難かった。ヨーロッパからの滞在客が多かったが喫煙率は高め。どこにでも灰皿があって私には居心地が良かった。マリファナバーがアチコチにあるぐらいだからタバコを吸うことなんてクシャミするぐらいの話なんだろう。

 



                     


                   



以前なら南国旅行は水中撮影を目的にしていたが、30年以上の潜水キャリアも今は封印しているので今回はとくにやることはなかった。ただただダラダラ過ごした。これはこれで幸せだった。

 

東京が猛暑だったので南国なのに避暑感覚で過ごせた。朝はゆっくり起きてホテルの朝食バイキングをダラダラ食べて、それからプールサイドでホゲホゲ過ごして飽きてきたらビーチ沿いを散歩。

 

夕方になって涼しくなったら繁華街をブラブラ冷やかしながら適当に食事をして気分が乗ったらビーチ沿いのワイワイ騒いでいる店で飲み直し。まるで脳を使わない時間を過ごした。

 



私の大好物はスイカジュースである。日本ではあまり人気がないみたいだが、アジアのリゾートでは100歩歩けばスイカジュースが見つかる。ジュースだけでなくフローズンシェイクで注文したり、パイナップルと混ぜてもらったりいろんなパターンで飲みまくった。

 

タイのリゾートと言えばマンゴジュースやシェイクばかりが幅を利かせているが私にとってはスイカジュースこそがリゾートの味である。今回も飽きるほど飲めたことが幸せだった。

 



スイカジュースだけでなくフローズンのマルガリータやダイキリを甘めの味で楽しむのも南国の楽しみだ。東京のバーに行けば「マッカランをロックで」など気取っている私だが、実は甘い酒も大好きだ。

 

東京ではいつも青や緑やピンクのカクテルを飲んでいる女性陣に嫉妬しているのだが、南国ではスカした仮面を脱ぎ捨てて甘いグローズンカクテルをグビグビ飲めるのが嬉しい。今回も女子大生の娘よりもそんな酒を沢山飲んだ気がする。

 



普段も親子で近所のタイ料理屋に出かけるぐらいだから旅行中の食事もとくに問題はなかった。炒めメシやパッタイ、ガパオなどの定番料理とグリルした肉や海老を毎日飽きずにむさぼってきた。

 





タイではあえてインスタント麺を使った料理も多いようでジャンク魂を揺さぶるそうした料理を見つけるとついつい注文してしまう。サッポロ一番やチャルメラで育った私のツボにはまる。味付けはそれぞれだが当たりを見つけると本気で嬉しくなる。

 




日々とくにやることもなかったので時には観光エリアから離れた地元のスーパーに出かけたり家具屋を冷やかしたりして異国気分を味わった。

 

そういえば通りすがりの怪しいラーメン屋にも入ってみた。謎の食べ物をいくつか頼み、シメに注文した鴨ラーメンはデカい内臓もトッピングされていてビミョーだった。

 




私は元々香港やアジア方面でよく見かけるボソボソした細い麺が大好きで、ついつい2,3種類一気に注文して食べてしまうクセがある。汁なしで食べても良し、スープで味わうも良し、独特な香りと食感とやる気が感じられない?歯応えに妙に惹かれる。

 

日本のラーメン屋さんでは見かけない路線の麺だから何となく異国情緒を味わえるし、実際にモチモチとは無縁のボソっとした口当たりが独特でクセになる味だと思う。日本のスーパーでも常備して欲しい。

 




上の画像はタイスキの店で食べた牛肉麵、下の画像は往路の乗り継ぎのバンコク空港で食べた汁なし鴨麺だ。こういう類のB級っぽい麺を見つけると満腹だろうと食べたくなる。

 

というわけで、娘との旅行だったから怪しい行動は当然ながらいっさい無し。爽やか?に過ごすことが出来た。それにしてもサムイ島の繁華街を歩いていて感じたのが自分の加齢だ。世界中からの観光客で賑わっていたが私と同年代ぐらいの人はまず見かけなかった。若い人ばかり。

 

その昔、アジアのリゾートに出かけまくっていた頃には感じなかった現実に気づいてちょっぴり切ない気分になった。諸行無常である。

 

 

 

 

 

 

 

2023年7月24日月曜日

今日もアーカイブです


今日も過去ネタを2つアップします。次回から通常の更新に戻ります。

  

名言

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2012/10/blog-post_26.html

 

 

バカを自覚する

https://fugoh-kisya.blogspot.com/2018/06/blog-post_13.html

 

 

 

2023年7月21日金曜日

過去ネタです

久しぶりにちょっと長めの旅行に出ているので更新は休みます。代わりに過去ネタを2つアップします。


  

渋谷 15の酒

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2009/05/15.html?m=0

 

  

福子と仏罰

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2010/02/blog-post_19.html






 

 

 

 

 

 

2023年7月19日水曜日

離婚とストレス


気付けば離婚してから10年以上が過ぎた。年一昔の言葉通りで、ガタガタしていたことが随分と昔の話みたいに思える。

 

今の日本では3組に1組の夫婦が離婚を選択するらしい。ふむふむって感じである。皆さん結婚式では神様に誓いを立てたはずだが結構テキトーである。私もか…。

 

10年以上前にこのブログで離婚についてアレコレと書いたことがある(https://fugoh-kisya.blogspot.com/2012/10/blog-post_15.html)。いま読み返してみると妙に力を入れて自説を書きなぐっている。まだまだ達観していなかったみたいだ。

 

「ホントに無理ならとっととスッキリすればいい」。今となってはそれしか言いようがない。理屈をこねて取り繕っても意味はない。熟考した上でダメならヤメるしかない。こういうことこそ単純なところに正解があるのかもしれない。

 

生きている中でもっとも厄介なものとは何か。ズバリ対人関係のストレスだと思う。この世からそういうストレスがなかったらどんなに平和だろう。平均寿命だって50年ぐらい延びちゃいそうである。

 

幼稚園から小学校という人生の初期段階から対人関係のストレスは始まる。友達との関係だけでなく教師との関係、はたまた兄弟姉妹の関係でもストレスは生じる。

 

社会に出れば上司や同僚、取引先等々、一気にストレスは増える。他にもご近所トラブルだってある。言ってみれば人と知り合う数だけストレスの芽はある。

 

なかでも夫婦関係が一番厄介だと思う。他人同士が家族になるわけだからそう簡単ではない。実の親子ですら憎しみ合うことはあるわけだから元々他人である男女ならば上手くいかないことは不思議ではない。

 

恋愛感情なんてものは短い期間で終わる。そこから先は「家族なんだから」という呪縛の中で何とか気持ちに折り合いをつけて過ごしていく。

 

子供ができれば同志的な連帯感やいたわりの感情に下支えされてストレスに気づかないフリもできるが、それでも育児方針や教育方針を巡っての対立も起きる。

 

それでも「家族なんだから」という呪縛の力によって何とかコトは回っていく。経済的な理由だけで夫婦関係を仕方なく維持している人も多い。新婚当時の仲の良さが晩年まで続く夫婦もいることはいるが残念ながら少数派だ。

 

そう考えると何とも切ない話である。「家族なんだから、夫婦なんだから」という呪縛のせいでストレスは溜まり続ける。そんなウップンが不倫をしている芸能人への異常なまでのバッシングに繋がったりする。

 

もちろん、離婚を闇雲に勧めるつもりはない。でも家庭のストレスを溜めまくって病気になって死んじゃう人だっている。そんな事態になるならあまりに悲しい。そこまでして維持する価値のあるものなのかは疑問だ。

 

離婚する人を自分勝手と批判する人も多いが、重要なのは人生は誰のものかという点に尽きると思う。当たり前だが自分の人生は自分だけのものである。そこは捨てる必要はない。それはそれで大事だ。

 

家族への責任はあるが、たとえ離婚した後だって直接間接に子供を支えることは出来る。あくまで夫婦という単位を解消することが離婚であり、熟考した上での判断なら他人からとやかく言われる話ではない。

 

するする詐欺みたいに「離婚するよ」と言いながら夫婦関係を続けている人は多い。愚痴をこぼす程度にウジウジしているぐらいなら頑張って続ければいい。離婚する際には結構なエネルギーが必要だ。本気で決断したらウジウジと他人に愚痴をこぼす余裕など無い。

 

あらゆる角度から冷静に考えたうえで自分の人生にとって今の環境が適切なのか、耐えられる程度のストレスなのか、後悔しない自信はあるのか、そのあたりをしっかり踏まえて出す答えならきっと間違いではないはずだ。

 

もちろん、ゴタクを並べたところで人間の決断なんて間違いも多い。正しいか否かの結果は死ぬ時まで分からないのだろう。

 

私個人としては、離婚から10年が経った今、しっかり元気でおおらかな気持ちで過ごしている。それが結論だ。最期の時までそんな状態で続けば御の字だろう。




 

 

 

 

 

2023年7月14日金曜日

“映え”はしないけど…


富豪を目指してウン十年、ちっとも達成する気配はない。とはいえ、エンゲル係数を気にせずウマいものを食べる程度の散財は続けている。

 

高くてウマいのは当たり前だが、値段の高さだけで良し悪しを判断するのもバカみたいである。カジュアルなウマいものにも心が揺さぶられる。大衆酒場も好きだ。あのホゲホゲした気分は屈託のない?大衆的な食べ物によって成立する。

 

赤いウインナーやハムカツだってミシュランに出てくる高価なメニューに負けず劣らず私を幸福にしてくれる。むしろ凝りまくったお高い料理の美味しさを知れば知るほど大衆酒場の気負っていない食べ物の素晴らしさに気づくこともある。

 



人形町にある大衆酒場「大穴(ダイアナ)」でのヒトコマだ。牛すじ煮込みとマカロニサラダ、そして黒ホッピーである。これを幸せと呼ばずして何が幸せだろう。大げさだがそんな感じだ。

 

それにしても「大穴」と書いて「ダイアナ」と読ませるセンスには脱帽する。バカな私はスケベな意味で“ダイアナ”を隠語として使いたくなって仕方がない。

 

話を戻す。

 

牛すじ煮込みもマカロニサラダも世界中どこを探してもニッポンの大衆酒場にしか置いていない。あの怪しい味わいは毎日でも食べたい。そんな貴重な逸品を濃いめのホッピーで楽しむのはコスパ的にも最高だろう。

 



こちらはチャーシューエッグだ。ハムエッグではなくチャーシューを卵と共演させた点が豚肉愛好家である私には嬉しい。ソースでもいいがチャーシュー用のタレが目玉焼きに絡んだ官能的な味にウットリする。

 

こういう逸品が数百円で楽しめるわけだからニッポンの大衆酒場は世界に誇れる文化だと思う。刺し身に揚げ物、串物と何でもござれのニッポンの居酒屋的な店はパリに行こうがローマやニューヨークに行こうがなかなか無い。

 

日本人にとってはごく当たり前でも実はとっても優れた外食形態である。何だか大げさな書きぶりだがそんな事実は日本人がもっと有難がってもいいと思う。

 



話は変わる。お寿司屋さんでの花形メニューといえば中トロやウニなどの高級食材だ。他にもボタンエビや赤貝、若者にはサーモンなんかも人気だ。一方で地味めのネタは見向きもされない現実がある。

 

かんぴょう巻がその筆頭だろう。出来合いのテキトーなかんぴょうを仕入れる大衆店はともかく、キチンとしたお寿司屋さんならかんぴょうも自家製だ。結構手がかかるらしいが値段的には高く設定されることはない。

 

とはいえ、ワサビをしっかり効かせたかんぴょう巻の美味しさは寿司を語る上では外せない。シャリの味わいもよく分かるし海苔との相性も非常に良い。実際にシメに食べると味覚的に収まりが良い。

 

トロたくやネギトロ、穴きゅう巻や梅しそ巻ぐらいしか頼まない人が多いが、かんぴょう巻の存在を忘れてしまうのはもったいないことだと思う。

 



玉子焼きの握りも然りである。これも最後のシメに食べるとデザート感覚で良いと思う。いつの間にか玉子焼きはシャリとは無関係にそのまま出されるパターンが増えた。それはそれで悪くないが個人的にはシャリ付きで食べてこそバランスがいいと思う。

 

かんぴょうも玉子焼きは高価なネタの中にあっては埋没しがちなネタだ。値段も下位に位置する。銀座のオネエサンを同伴しても決して注文されない。そんな影に隠れがちなネタだがお寿司屋さんのワザがストレートに感じられるネタでもある。

 



こちらはオーソドックスなかき氷だ。三越の中にある「梅園」で味わったあんずのかき氷である。果肉と別にあんずソースが用意されていた。確か700円程度だったような気がする。

 

イマドキの凝ったかき氷は1500円とか2000円とか、はたまたそれ以上の値付けも珍しくない。それに比べれば普通の値付けだ。奇をてらっていない質実剛健な仕上がりが嬉しい。「これでいいんだよな~」とつぶやきたくなる王道のかき氷だった。

 

当たり前だが、高くはないけど食べるべきウマいものは世の中にいくらでもある。そんな路線の逸品に詳しい人のほうが、これ見よがしに“映え映え”の高価な食べ物をSNSで披露する人よりカッチョいいと思う。