ここ5~6年、「開拓精神」が薄れてきた。以前はウマい店を求めてアンテナを張り巡らせていたのだが、最近は知っている店ばかり出かける。
もっと攻めないといけない。そう思っても、初めて行った店がイマイチだったりすると必要以上に落胆する。
鰻ラバーとしてアチコチの店を訪ねてきたが、最近は日本橋の「大江戸」であん肝山椒煮などの珍味をツマミに冷酒を引っかけて、白焼きから極上うな重というワンパターンの展開ばかりである。
たまには違う店を開拓しようと銀座の「野田岩」に行ってみた。麻布の本店は何度か出かけているが、銀座に支店があることは知らなかった。
いやあ、この画像、凄い顔ぶれである。次郎とバードランドである。食通を自認する方々の聖地みたいな場所だ。
ブランドネームとしては野田岩も同等なんだろう。空腹の時にこんな看板を見たらヨダレがデロデロ流れてしまう。
さてさて、期待に胸を膨らませてウナギ攻めに突撃。ところが拍子抜けするぐらい空いている。
安い店ではないから大混雑にはならないのだろう。いや待てよ。銀座あたりだと高くても美味しい店は混んでいるのが普通である。
ヤバいかも・・・。
不安がよぎる。冷酒をカピカピ飲みながらとりあえずノンビリ過ごす。白焼きも食べた。うな重ももちろん食べた。
味の好みは人それぞれ。ここでどうこう書いてもしょうがない。まあ、強いて言えば混雑しない理由が分かったような気がした・・・。
後日、「大江戸」に出向いたときの「極上うな重」の画像がコレ。バカうま。バンザイ。
この日は、とある人のお祝い会という趣旨で出かけたのだが、招待した相手が大感激してくれた。それこそギャアスカ、ヒャアホホ言いながら、白焼きもうな重も堪能してくれた。
大げさに喜んでもらえるとこっちも気分が良くなる。やはり、ウマい店をもっと知っておくべきだと痛感した。
話は変わる。とある人に「デートする時は、どんな店に行くのか」と聞かれて返答に困った。考えてみれば、デートっぽい店などちっとも知らない。いや、デート自体から遠ざかっている気がする。
寿司屋か焼鳥屋か鰻屋かおでん屋ぐらいしか行かなくなってしまった自分の偏屈ぶりを改めて痛感する。
若い頃は、小洒落た店が出来たと聞けば、西へ東へマメに開拓に行ったのに、オシャレ~な店の多くがウサン臭い料理を出していたので、バカらしくなった。
まあ、そういう決めつけも良くないのだろう。何だかんだ言って「ホッピーに焼きとん」を嬉々として食べている私である。
エラそうな顔してウマいマズいを語るのは恥ずかしいし、カッチョ悪い。もっと柔軟にならないといけない。
先日、銀座の「KOSO」という店に行ってみた。これまた初めて行く店だ。最高級黒毛和牛をいろいろなアレンジで食べさせるのがウリの店だとか。
雰囲気はなかなかゴージャス。バブリー系と表現したくなる感じ。デートなんかにはピッタリだろう。
鮮度に自信があるようで色々な生肉料理も用意されている。
いきなり、生ウニを生肉で巻いた「ウニ牛」なる一品が登場。どう考えたって、それぞれ別々に食べたほうがウマいはずである。
で、食べてみた。やはりわざわざ混ぜちゃう意味がよく分からない味だった。
いろいろな部位が焼かれて出てくる。普通に美味しい。シメは「牛トロ丼」なる一品。生肉に卵黄を落としたものが温かい白米に乗っかっている。
白メシに合わせるには焼いた肉のほうがウマいだろうと素直に思ったのだが、名物だということでムシャムシャ食べてみた。
悪くはないが、ご飯と生肉という組み合わせは、やはり「わざわざ感」が否めない。
まあ、個人の好みだから何とも言えないが、つくづく自分の「保守的」「コンサバ」ぶりを痛感した。
ちなみに「創作料理」という言葉が昔から好きではない。「わざわざ感」がひっかかる。オーソドックスな料理のほうがウマいに決まっている。
寿司屋でワインをカピカピ飲みながら、出てくる料理との相性を力説している人がいるが、あれだって変テコだろう。
あくまで「強いて言えば合う」だけの話で、寿司屋という世界に腰を落ち着けた以上、四の五の言わずに日本酒や焼酎と合わせたほうが賢明である。
なんだか今日は、偏屈オヤジのグチ大会になってしまった。いかんいかん。
話を変える。
最近ウマかったものといえば、お寿司屋さんで作ってもらった「アジと梅干しを和えたヤツ」である。疲れていた時だったので実にホッコリと身体に染み渡った。
このところ、梅干しとかトロロとか、そんなものに身体が喜んでいる。年甲斐もなく日々ハッスルしているツケが顕著に表れているみたいで問題である。
なによりウマかったのは、自宅で作った特製すし飯である。お気に入りの「内堀醸造の特選すし酢」を炊きたてのメシに混ぜるだけだ。
一応、自分なりに分量とかにもこだわりがあるから完璧に仕上がった時はバンザイである。
これを主食兼ツマミとして冷酒をクイクイっと飲んでいるのが至福の時間である。
なんとも退屈なまとめ方になってしまった・・・。