狭いところが苦手だと感じ始めたのはいつ頃からだろうか。どうも最近その傾向が強い。エレベーターもなるべく避けている関係で、高層ビルで夜景を見ながらディナーなんて状況には縁がない。
先日、脳のMRIを初体験してきた。まいった。死ぬかと思った。大げさではなくまるでダメダメ。
腰とか肺のCTは何度も受けているが、脳は初めて。MRI検査はCTに比べて妙に時間も長い。20分もの間、動かずに頭を覆われて得体の知れない機械音の中で過ごす。
閉所恐怖症気味なので、解放感のあるMRI機器を持つクリニックを紹介されたのだが、それでもキツかった。
頭全部が密閉されるのではなく、左右は一応開いている最新鋭の機械らしい。それでも顔面の数センチ先に顔を覆うようにヘッドギアのような器具を付けられ、その上から大きな機械が覆い被さる。
最初の10分ぐらいは耐えた。そのうち、冷や汗、動悸が始まった。一生懸命エロいシチュエーションを思い起こしたりしたのだが、ジワジワと呼吸も苦しくなってきた。
さすがに限界とばかりに一応頭を動かさないように注意しながら両手をヒラヒラふってみる。技師さん気付かず。パニックが近づく。限界点到達。顔を覆う機械をバンバンたたいて「もうダメ~!」と叫ぶ。すっかり過呼吸モード。
技師さん気付く。マイクを通して「あと3分ガマンできますか?」とさらりと聞いてくる。「ウー」と意味不明の叫びを上げる私。
技師さんやってくる。「そのまま近くで何か話しかけてくれ~!」とほぼ絶叫する私。
「あと2分です。頑張れ!」と技師さんの声。手を握って欲しかったが、技師さんがオッサンだったのでガマンする。
「あと1分!」。技師さんも必死だ。ギブアップしたら最初からやり直しだ。はじめに鎮静剤を打つかどうか聞かれたのだが、断ったことを死ぬほど後悔する。
ボロボロになって検査終了。絶対あの時の私の血圧は200オーバーだろう。ヘロヘロ。思った以上に過酷だった。20分のうちの後半5,6分のパニックでホントにフラフラになった。
実はMRI検査の前の問診段階で、ずいぶんと脅かされたことも心理的な負担になったようだ。器具の上で目をつぶって直立しながらバランスを調べる際に、随分ゆらゆらしてしまった。
私のデータを見ながら医者がいう。「小脳に病気がある人だとこんな数値になります」。そんなこと言われた直後に頭密閉大会だ。
マヌケついでに財布に数千円しか入っていなかったことに気付かず、会計が足りずに待っていてもらった運転手さんから借用する始末。恥ずかしいやらヘロヘロだわで、まいったまいった。結果は今週中に出る。無事を祈る。
昔、カリブの小さい島に渡るとき、8人乗りぐらいのボロいプロペラ機に乗せられたことがある。でかい荷物も自分の膝の上に載せなければならず、息が詰まる空間で30分ほどパニック寸前で過ごした。
「天国に一番近い島」という言葉の意味を実感した記憶がある。
思えば、真冬の夜、寒さしのぎにフトンに頭から潜り込むだけで、必要以上に苦しさを感じるし、ダイビングでも洞窟系の場所は、たとえ名所だろうとパスする。
エレベーターが満員になりそうだったら目的階じゃなくても降りちゃうこともあるし、子どもを驚かすつもりでかぶってみたお面のせいで気分が悪くなったこともある。
自宅に置いてある小型のサウナだって、前面がガラス張りの商品だったから購入した。小窓しかないようなら絶対ダメだろう。
閉そく感とか圧迫感とかがまったく平気な人がうらやましい。何とか克服したいものだが、年々ダメダメぶりが進んでいるように感じる。
どこかが変なのだろうか?。今度、脳の検査でも受けてみようか・・・。
2010年10月11日月曜日
閉所恐怖症
ラベル: 趣味と健康
登録:
コメントの投稿 (Atom)
4 件のコメント:
内容で一番驚いたのは「待ってもらっていた運転手さん」のところです、私には都バスくらいしかいないから。
自分では密所恐怖症といってますが、私にもこういうところがあり、混んだ映画館や達郎のライブでさえもひやっとすることがあります。密閉された場所・状況がダメです。
でもダイビング出来るなんてすごいです!
悶々さん
こんにちわ。「閉所」ではなく「密所」。
その感覚、納得です。
「ぎゅうぎゅうづめ」とか絶対にダメです。恐いです。パニックになります。。。
悶々さん
追記です。
「運転手さん」の件、場所が辺鄙だったことと、たまたま運転手さんのスケジュールが空いていたからで、いつもそんな形で移動してるわけじゃないですよ。。
私も追記。
思い出しました。昔自由の女神の階段を昇ったとき、混雑していて前にも後ろにも動けなくなり、脂汗かいてパニックになったのが始まりでした。
本当はシロナガスクジラのようなリモ~に乗っているのでは・・・
コメントを投稿