NHKで変な時間に放送しているアーカイブものが結構好きだ。昔の番組を再放送するだけなのだが、ドキュメントとか、ルポものだったりすると、20年前、30年前の時代の感覚が生々しく伝わってくる。
古い新聞や古い雑誌もパラパラめくるのも面白い。雑誌の記事表現なんて、規制だらけの今では考えられないぐらい乱暴だし、それがまた迫力につながっている。
先日、会社の近くにある古本屋で昭和50年代のポパイとかホットドックプレスを見つけてオトナ買いをしてしまった。あの頃のトンチンカンなファッション解説とかノー天気な若者向けの記事を面白く読んだ。
今まで見てきた古い時代の新聞で印象的だったのは、昭和20年8月終戦直前の朝日新聞の記事。「広島に新型爆弾」という記事の内容がひどくて戦慄を覚えた記憶がある。
原爆という言葉もなかったわけだが、被害は甚大と報じているものの、随所に「大したことないぞ、まだまだ平気だ」的な表現が見受けられた。
おまけに軍上層部のコメントでは、新型爆弾対策として、長袖、長ズボンを着用していれば大丈夫だとか、室内にいれば問題ないといった実に非科学的な話が掲載されていた。
時代の空気がそのまま伝わって、ゾッとした。
わが社も専門新聞を発行して60年以上になる。昔の記事を眺めていると結構勉強になることが多い。無理やり新しいニュースを探すより、昔の問題のその後を取材したほうが余程読み応えのある記事が掲載できることもある。
昔といっても、昭和20年代、30年代ぐらいになると、さすがに現在に活かせるネタは見つからないが、それなりに時代の空気が読み取れて面白い。
「私が大蔵大臣だったら」というベタなタイトルで有名人に国の財政政策のアイディアを語らせる企画もあった。
それこそ石原裕次郎とか小林旭、野球界では長島や金田といった当時のスター達を取材している。
当時の記者の書きぶりもまた時代感たっぷり。ベランメエ調の語りが特徴のスターが登場する回では、「そんなクダラネエこと聞くなよ」とか、記事の書き出しからユル~い感じ。のんびりした時代だったんだろう。
さてさて、今日の本題に入る。
まだほんの数年だが、このブログも結構な履歴が残ってきた。たまに読み返すと、その時の心理状態を思い出す。
政治経済問題なんかにも、なかなかご立派な?主張をしていて我ながら自分のマジメな人間性に目を見張る。
という冗談はさておく。
自画自賛でお恥ずかしいのだが、結構面白く書けているバックナンバーに自分自身でうなずいたりすることがある。
いま同じことを書こうと思っても書けそうにないものもある。文章の不思議なところだ。
その昔、引っ越し作業をしていたら、随分前に書いた恋文の下書きが出てきたことがあった。情熱って凄いもので、恥ずかしい内容なのだが、特別な心理状態にならないと出てこないような表現が随所にあって感心した覚えがある。
つくづく当時のほとばしるようなエネルギーが懐かしい。
本当の文章力がある人は別として、普通の人の文章なんて気分で大きく変わる。安定的に情感に富んだ文章をスラスラ書けるような人間になりたいが、なかなか難しい。
というか、このブログのようにオチャラケ中心では、そんな高尚な願いを抱くこと自体が無理というものだろう。
ついでに過去に掲載した中から、自分でチョット面白く感じた内容を3つ紹介します。
ちゃんとしたお堅いテーマも取り上げてきたのだが、わざわざピックアップするわけだから不真面目なものを選んでみた。
我ながら、下世話な題材をどうしてそこまで熱く語りたがるのか、自分の脳みそが少しだけ心配だ。
挿入と白衣
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2008/07/blog-post_16.html
エロを考える
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2010/01/blog-post_20.html
ベルルスコーニになりたい
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2009/06/blog-post_05.html
2011年7月4日月曜日
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2 件のコメント:
富豪記者ブログの大ファンの玉です。こんなに月・水・金を楽しい曜日にして下さった富豪記者様に改めて感謝致します。私も「ベルルスコーニになりたい」は本当に大好きです。あと個人的には「デブの運命」「男の背筋」「似ている人」なども本当にお腹を抱えながら読ませて頂きました。文章もさることながら、タイトルのセンスも素晴らしいと思います。いつか富豪記者様の会社から文庫版を出して頂けることを願っています。
玉さま
過分なるお褒めのお言葉、心よりありがたく感謝感謝です。ちょっと図に乗りそうです。
こういうご意見がホントに励みになります!
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