今日で今年の更新もおしまいです。
秋頃、このブログは今年いっぱいで小休止しようかと思ったものの、思うところあって、来年も継続します。
何だかんだ言って、身辺雑記を書き続けることが好きなんだと思う。自分の考え方の整理に貢献することもあるし、あの時自分は何をしていたのかという記録になるだけでも悪くない。
ある意味、私にとってこのブログが「壺中有天」の境地に近づいているのかも知れない。
「壺中の天」については、4年前に言葉の由来と解釈を書いたので、ご参照いただきたい。
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2007/12/blog-post_21.html
簡単に言えば、自分だけの別天地を持つことの大切さを表現した故事だ。
ふさいだ気分で日々を過ごしたり、仕事がまったく上手くいかなかったり、人間関係に疲れたり、はたまた人生の羅針盤に狂いが生じた時、人の心は簡単に折れそうになる。
どんな境遇に置かれても、自分の中で別天地を持つことが自分を救うことになるという解釈は、どんな立場の人だろうと当てはまるはずだ。
同系統の言葉では、「忙中有閑」は、忙しさの中に見つける暇の大切さを説いている。暇が出来たら・・などと考えているようでは何事も出来ないという戒めだ。
「苦中有楽」は、苦しみ抜いてこそ、本当の楽しみを見つけるという教えだ。
「壺中有天」も、そうした教えのひとつに位置付けられている。人生に必要なのは、しがらみ抜きに自分だけが没頭できる世界を持つこと。まさにその通りだと思う。
もともと、この言葉を知ったのは、陶磁器収集に精を出すようになった30代半ばの頃。陶磁器といっても、酒器専門なので、いわば徳利を壺に見立てて、この言葉を面白がっていた。
私にとって徳利集めの楽しさは、それぞれの徳利の口造りの違いを眺めて喜ぶというもの。
手作り特有のひしゃげた感じをウリにする陶器の徳利が好きで、口元を触ったりしながら、覗いても決して見えない壺状の中身の神秘性に魅せられていた。
壺の中に未知の世界が存在しているのかも・・・。などと徳利から注ぐ酒の酔いも手伝っておセンチな妄想に励んでいた。
今思えば、そんな妄想に耽ること自体が、「壺中有天」、すなわち、自分だけが没頭する世界を作って楽しんでいたのだと思う。
趣味でも副業でも何でもいい。自分をほんの一時でも解放することは、誰にだって必要だと思う。
別天地とか自分だけが没頭できる世界と言っても、それは逃げ場所を意味するものではない。単なる現実からの逃避では救いの道にはつながらない。
別天地も一つの現実世界として存在させて初めて本当の別天地になるのだろう。現実を複数共存させるぐらいの気持ちが大事なんだと思う。
なんか重苦しい表現になってしまった。
軌道修正する。
最近は徳利を入手する機会が激減した。何かと最近は散財しているのも確かなのだが、それだけが理由ではない。頑張ってそれなりの良いものを集めてくると、欲しい逸品のランクも必然的に上がってしまい、なかなか気軽に手が出なくなってくる。
うーん、ここが勝負所なんだろうか。そこそこ無理をしないと幸せは手に入らないのも事実だろう。無理をすることで生まれる喜びとか、無理をすることで見える世界を大事にすることは人生を豊かにする。若い時は今以上に「無理をしてでも・・・」という感覚が強かった気がする。
ある意味、今の自分を作ってきたのは、そんな無理の積み重ねとか、痩せ我慢とか、そんな心理だったんだと思う。
すっかり分別ヅラになってしまった自分を俯瞰してみると、無理が少し足りないんじゃないかと思う時がある。一歩踏み込めなくなったというか、保守的な姿勢に陥っているように感じる。
そんな寒い現実に気付くと身震いしたくなる。いかんいかん。そんなんじゃ老けこんでしまう。
新しい年は、もっともっと攻めに転じよう。
来年は1月6日金曜から更新を再開します。よろしくお願いいたします。
2011年12月30日金曜日
壺中有天
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6 件のコメント:
50過ぎたのにそんなに無理してどうするとよく思っていましたが、いくつになっても変わっちゃいけないのかな。
来年もブログ楽しみにしています。
悶々様
理性的な自制心は時に老化につながります!?
ガンガン攻めていきましょう。
来年もよろしくお願いいたします。
昨夏から拝読しております。会社創業家の(たぶん同世代の)人間として、税理士の厄介になる身として、また銀座通いもたまにする人間として楽しく読んでおります。継続されると聞いてうれしく思います。
匿名様
せこせこと続けてまいります。
今年も覗いてやってください。
ありがとうございました。
富豪記者様
2012年もブログを継続して下さるとの朗報、大変嬉しく思います。お忙しい生活の中、日々の雑感を生みだしていくのも大変な事かと存じますが、どうぞお体をご自愛されながら、引き続き読者を魅了するブログを書き綴っていって下さい☆
玉
玉さま
本年もよろしくお願いいたします。
励みに感じております!
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