2020年3月25日水曜日

たまには真面目な話


新型コロナに対応するための経済対策が検討されているが、一つの目玉みたいになっているのが現金給か商品券の給付だ。

金額は2万円ぐらいから10万円といった話も飛び交っている。こういう話に付きものなのが「所得制限」だ。

すなわち、一定以上の収入のある人は特典から除外するという措置だ。経済的メリットがある政策のほとんどが、所得制限の呪縛に囚われている。

金持ち冷遇ともいえるこうした措置は、対象となる人の数が少ないだけに反発の声がお上にとどくことなく、多勢に無勢で当たり前に実行されている。

いま議論されている追加経済政策では、相も変わらず所得制限ありきで話が進んでいるようだが、迅速にお金を行き渡らせるために所得制限を設けるべきではないという声も強い。

すなわち給付対象者の線引きに時間がかからないで済むから所得制限を無しにすべきという理屈だ。

「所得制限ありき」がそもそもの制度設計の根っこにあるわけだから、仮に所得制限が設けられなかったとしても、あくまで緊急事態だからという例外的な考え方でしかない。景気への刺激という意味ではお粗末だと思う。

現金給付だと貯蓄に回ってお金が回らないという批判もあるが、それこそ一定収入以上の階層の人たちならば、給付された現金をせこせこ貯めずに使うはずだ。

景気刺激策としてはお金持ちにお金を使ってもらうという当たり前の発想が必要なのに、なぜかそういう議論にならないのが不思議だ。

金持ち優遇は悪。凝り固まったそんな思想は経済活性化にとって害悪だ。金持ち冷遇が国の元気を失わせるのに、そういう論調を暴論と決めつけるのは単なる思考停止だろう。



なんだか大真面目に書いてしまったが、今回の追加経済対策の議論でも永田町と国民の目線がズレているように思えて仕方がない。

消費税減税ひとつ取っても「一度減税したら元に戻すのが大変」という実にテキトーな理由がもっともらしく流布される。

何じゃそれ!?というトンチンカンな話だ。基幹税たる所得税や法人税だって過去に何度も増税と減税を繰り返してきた。

消費税だけ例外視するのは消費税を聖域化しようとする官僚や政治家の勝手な思惑でしかない。期間限定の減税法を作れば済む話だ。

消費税減税をやるとバンバンお金を使うために外出してくれという“外出奨励策”になっちゃうからコロナ対策に馴染まないという声もある。

これも実施するタイミングだけが問題であり、消費税をイジらせないためだけの詭弁でしかない。

消費税が8%から10%に増税されたことで、昨年10月~12月のGDPは前年同期比でマイナス7.1%という惨状となった。

これは消費税が景気にいかに密接に関わっているかをを表しているわけで、大胆な税率引き下げが実行されたら景気浮揚にダイレクトにつながるのは明白だ。

歴史的な経済危機の可能性があるにもかかわらず、消費税をアンタッチャブルな存在にしようという頑なな政府の姿勢を見ていると、すでに10%からの更なる増税シナリオが練られているのではとうがった見方をしたくなる。

それこそ、いずれコロナ問題が収束した段階で、経済復興名目で消費税増税を打ち出してくるのでは、などと気分の悪くなる想像をしてしまう。

来週後半あたりには追加経済政策の概要が明らかになってくるはずだから、実効性のある内容になっていることを願うばかりだ。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつも楽しませてもらってます。
lifestyleも真似できるものは参考にさせていただいております。
全くおっしゃる通りです。

富豪記者 さんのコメント...

ありがとうございます!

こんな柔らかくない(笑)内容にコメントいただき有難いです!

こういう角度の物言いはとかく少数意見と位置付けられてしまうのが残念です。