先日、久しぶりにしっかりとした夕食を食べた。普段は晩酌ついでにチマチマ食べることが多いから結構新鮮だった。
行ったのは皇居横のパレスホテルだ。もともとアマノジャッキーである私はカッチョ良さをことさらウリにする外資系シャレオツホテルが好きではない。
帝国、オークラ、ニューオータニなどのその昔の大御所ホテルのほうが落ち着く。パレスホテルもその一つだ。
オークラや赤坂のキャピトルホテルもそうだが、割と近年になって新装オープンした大御所ホテルは、ただただスノビッシュになり過ぎることなく、昔ながらの日本的重厚感がどことなく感じられる。
こうした昔からある名門ホテルは東京料理と呼べるような伝統的なニッポンの洋食に定評がある。
パレスホテルも大昔からローストビーフや舌平目のボンファムなどの名物がある。建て替えられてガラっと様子が変わっても、いにしえの人気メニューが残っているのが嬉しい。
アヒージョやパテなどを前菜にディナーを始める。いくらだか分からないがグラスのシャンパンをグビグビと飲み、中盤からはハイボールに変えた。
舌平目のボンファムは、昭和の高級料理を思い起こす懐かしい味わいだ。バターがたっぷり使われている。洋酒蒸しというかグラタン的というか、とにかくこってりクリーミー。
極論しちゃえば、魚の味を感じないぐらいコク深いクリーミーな味わいが口中に広がる。マカロニやライスを敷き詰めてもバッチリ合いそうな幸せな味だ。
分厚い肉が珍しかった昭和の頃には、ローストビーフと言えばこんな感じの上品路線が基本だった記憶がある。
舌平目とローストビーフはいわばパレスホテルの教科書的なディナーである。これで品良くフィニッシュするのが普通なのだろうが、私にとっての本番はこれではない。
私はピラファー、ピラフィストである。名物のシーフードピラフを食べずに終われるはずがない。
シャトーソースをまとわせる本気ピラフである。わがソウルフードである九段下のホテルグランドパレスのピラフが6月いっぱいで食べられなくなるから、それ以降は系列のこちらのピラフに世話になるしかない。
正直に言ってグランドパレスのピラフとはひと味違う。好みの問題だからどっちが上だ下だとは言えないが、似ていることは確かだ。
グラパレのピラフに関しては最近も書いているので省略。
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2021/04/blog-post_05.html
ちなみにこの日は4人での会食だったので、名物デザート「マロンシャンテリー」を注文するのとと同じぐらいのタイミングでカレーライスまで追加注文した。
ホテルのカレー。こう書くだけでウマそうだが、さすがにここのカレーも抜群だった。味が深い。その一言。タマネギの甘み旨味が凝縮されたザ・ニッポンの高級カレーそのものだった。
九段下のグランドパレスもカレーが非常に美味しいのだが、親分格のパレスホテルもさすがである。同じ味ではないのだが系統は同じ。スパイスばかりのただ辛いカレーとは別次元の料理だろう。
パレスホテルをヨイショするような話に終始しそうなノリで書き始めたが、結局はもうすぐ無くなってしまうグランドパレスへの思いが強く出過ぎてしまった。
いずれにせよ、ホテルで出てくる“本気ピラフ”の美味しさは一種独特な伝統文化の世界だと思う。
またすぐにでも食べたい。
4 件のコメント:
こんばんは。
こんなご時世、外食がめっきりなくなり家でいろいろ作らせてテレビ見ながら、文句言いつつ食べています。
画像をみればあれほどの油モノが食べられるなんて、うらやましいかぎりです。建物も味も長い間に変わるけれど、サービスは変わらない、と思うこのごろです。
6月までにピラフを食べに行きたいとは思うものの行けるかどうか?
聖路加の前のお寿司屋案が閉店しましたね。
佃在住さま
ありがとうございます。この日は若者にくどいものを食べてもらい、私は主にピラフ担当でした!
お寿司屋さん、そうなんですよ。タバコが吸える店だったので痛いです。
グラパレのピラフを先日食べる機会がありましたが、絶品で、富豪様の無念さが、よく理解できました。今後も食べられるように、何か奇跡的なことが起こることを期待します。
コメントありがとうございます!
グラパレのピラフ、本当に無念の一言です!
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