2010年7月26日月曜日

美談 インチキ

なんとなく立派な話に聞こえるけど、ウサン臭い話が国会議員の定数削減だろう。民主党政権が比例代表の定数を80削減するという具体的数値目標を打ち出している。

「国会議員が減るイコールその分の税金が減らせる」。まあ単純にいえば悪い話ではないが、ことはそう簡単ではない。

定数削減を比例部分だけでこなそうという民主党案が実現した場合、分かりやすく言うと先の参院選での「みんなの党」の躍進は起こりえない。民意による風が吹きにくい構造になる。

80人程度の国会議員を減らしたところで、削れる税金はたかがしれている。それこそ「国会議員自ら痛みに耐えて奮闘してます」というポーズに過ぎない。ポーズにしてはインパクトがあって大衆受けする政策だが、コスト削減額は大したことはない。

「国会議員自ら痛みに耐える」という姿勢をポーズでなく本気で示すのなら政党交付金の大幅削減を打ち出すのがスジ。そこを突かれたくないばっかりに比例の定数削減でごまかそうという感じ。イヤらしい話だ。

政党交付金(政党助成金)は平成5年に小選挙区制の導入とともに実施され、国民1人あたり250円が思想信条に関係なく吸い上げられる。

国会議員数に応じて各政党に配分されるもので、これまでの15年間で5000億円以上の税金が使われている。

政党別累計額では自民党に2378億円、民主党に1358億円が振り向けられている。大政党であれば毎年100億円以上の“手取り収入”が天からふってくる。

ちなみに共産党が大嫌いな私だが、共産党だけはこれまで政党交付金を一切受け取っていない。この点だけは率直に評価したい。とはいえ、辞退した金額は国庫に入らず他の政党に配分されてしまうあたりがビミョーではある。

受け取った政党は所属議員に配分するわけだが、「政治活動」に使ったと言われれば、超高級料亭での会食だろうとキャバクラでの飲食だろうと問題にならない。実にお気楽な話。

支持政党に関係なく貴重な税金を吸い上げ、政党にバラまき、おまけにその税金が見たくもないテレビCM制作費に回されたりするわけだから、実にアホみたいな話。

企業団体献金の廃止が一種の導入条件のようなはずだったのに、そっちはそっちで相変わらず続いている。異常なまでにヌルい話。

政党交付金制度を根本的に見直すのなら国会議員の定数など増やしたっていいぐらいだ。

定数を増やす代りに、きちんと国民各階層からの代表を選ぶという意味に立ち返ってもらえれば尚結構なこと。

中堅、高所得者階層ばかりイジめる政府の社会主義的暴走に対抗するような代表者が選ばれるような仕組みもゼヒ作って欲しい。

素人の暴論だが、国会議員定数を増やす代りに、納税額別の立候補基準でも作って、税金すら納めないエセ弱者だけにおもねった選挙の在り方そのものを見直して欲しい。

変な話、その昔の貴族院議員制度なんか実にまともな発想に基づいている。高額納税者のなかから議員を選んでいたわけだから、ある意味分かりやすいスタイルだ。

“会費”を多く払った人の発言権は強くて当然。こんなことをいうと傲慢とか言われがちだが、自由主義社会なら普通のことだと思う。

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