また一つ年を重ねた。年齢とともに「おめでとう」という言葉に素直に納得できるようになった。元気でフツーに過ごせているだけで確かにめでたい。
年齢とともに顕著になったのが、和食への傾倒だろう。すっかり「非和食」が嬉しくなくなった。嬉しくないと言うより辛いことが増えてきた。
ちょっとだらしない。
脳だけが若い時のままなので、必要以上にウマいものを大量摂取してしまう。いつも後悔する。学習能力とかが欠落しているのか、胃腸に形状記憶体質がまったくないのか、本当に毎晩毎晩食べ過ぎで後悔している。
イタリアンとかフレンチとか、揚げ物ガッツリとかだと、満腹後悔大会のシンドサがハンパではない。その点、和食なら、なんとか食後2時間ぐらいで落ち着くことが可能だ。
やはり和食を食べていたほうが身体へのダメージが少ないと実感する。
で、最近ウマかった和食の話を書く。
薄ら寒くなってきたので久しぶりに新宿の玄海に行った。水炊きの老舗だ。このブログでも何度も書いたが、ここの水炊きは最初から最後まで一切野菜を入れない。ただただ鶏肉のブツ切りのみ。潔い。最高だ。
白濁スープのウマさも辛抱タマラン状態である。ペースト状に漉したニンニクをちょろっと加えてグビグビ飲む。ウンマ~イ、グヒヒと言いたくなる。
スープという液体のクセに立派に酒のツマミになる。いつもゲプゲプチャポチャポになってしまうのだが、冷酒を片手にスープを片手に持って交互に口に運ぶ作業を延々と続けてしまう。
コース料理しかないのだが、水炊き以外の料理など目もくれずにスープと鶏肉を飽きずに食べ続ける。
別注で頼むロース焼きもまた逸品だ。ジューシーな肉、パリッとした皮。「鶏を焼いて食べる」というシンプルそのもの料理だ。余計なソースを使ったり、こねくり回すような調理をしないほうが素材のウマさを引き出す典型的な逸品だ。
この日も食後に太田胃散がっつり。
さて、鶏が続くが、こちらはシュールな街・大塚にある焼鳥の名店「蒼天」。都内の有名焼鳥店には随分行ったほうだが、ここは間違いなくトップレベルだと思う。
銀座あたりで1本500円も取ってどうでもいい焼鳥を食べさせる店とは大違い。適価だし、メニューも多いし、酒にもこだわりがあるし、居心地も良い。
メニューには載っていないが、白レバをはじめとする刺身もある。うっとりちんである。画像はキンカンのスモーク。これまた酒をグングンあおる。
普通の部位も得体の知れない部位もすべて美味しい。味、食感、焼き加減ともに文句なし。近所にあったら週に3,4回は通ってしまうそうだ。
もともと、牛や豚より鶏肉が好きな私だから、水炊きや焼鳥を誉めまくっているのかもしれないが、冷静沈着に考えても上記のメニューはウマいと思う。
つくづくフランスのタイヤ屋の星がどうこうとか、グルメ本の類のくだらなさを痛感する。
続いてはウナギ。これまたちょこちょこアチコチのウナギ屋さんに出かけているのだが、今日はどこぞの店の話ではなく、最近発見した食べ方の話。
冷酒の肴コンテストで20年連続ナンバー1に輝くのがウナギの白焼きだ。まあ、私の頭の中だけのコンテストだから異論は受付けていないが、そんなスンバラシイ白焼き様にネギをトッピングすることで、新たな感動につながることを今更ながら発見した。
ネギはエライ。その一言である。あれほどの名脇役はなかなか存在しないと思う。他に何もないところで刻んだネギだけ出てきても有難くもないし、見向きもしたくないが、ヤツはトッピング相手を見つけると俄然素晴らしい存在感を発揮する。
実に素敵な生きざまだと思う。ネギをもっと誉めたくなった。
さてさてまた話は変わる。ネギといえば蕎麦だろう。ちょっと強引か。キリッとした蕎麦をちょろっと蕎麦つゆにつけてズルズルすることは、胃腸が弱ってきた大人には欠かせない健康法?である。
そんなこんだで、九段下にある某人気店に出かけた。10年ほど前に食べに行った時の感激を思い出して出かけたのだが、正直イマイチだった。
店の風情、ちょっとしたツマミの数々も心憎く、居心地はよいのだが肝心の蕎麦が味気ない。2種類食べたのだがどうにもウキウキしない。
単品で注文したどんぶり入りのトロロのほうがウマく感じてしまった。残念。
それでもヘタにギトギトした西洋料理で満腹になるより遙かに身体にはいいはずだ。
和食攻めを日課にしようと心に決めた食欲の秋である。
昨日、口とお尻からカメラを突っ込まれてきた。一年に一度の検査だ。ポリープがあったので組織検査に回された。今後もドカ食いを続けるために何もないことを祈ろう。
2 件のコメント:
もしかしてお誕生日でしたか?
おめでとう御座います!
含蓄深い文章の数々、いつも楽しく拝読しております。
ご健勝をお祈り致します。
匿名様
ありがとうございます!
また一歳だけ大人になりました。
今後も精進してまいります。
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