1日3回食事をするとして、あと20年は元気バリバリだと仮定すると、残りの食事の回数は21900回だ。
生きるための義務的メシを差し引いて、積極的にウマいものをたべようと企めるのはそのうち3分の1ぐらいだろう。
すると残りはあと7000回ちょっとだ。今後の人生では、血圧だの尿酸値だのコレステロールとかのせいで、厄介な制限もあるはずだ。そう考えると、何も気にせずに食べたいものをむさぼれるのは5千回だろうか、3千回だろうか。
それが多いか少ないかは分らない。でも、これまでの人生、一日3食計算で5万回以上食事をしてきたことに比べると、実に寂しい数字ではある。
ということで、頑張ってウマいものをせっせと食べることにする。
最近、ハッピーになった食べ物は「そばめし」だ。こんな大上段に書き始めたのだから、松茸だのフォアグラといった有難い系?を取り上げればいいのに「そばめし」である。
20年ぐらい前には、夜遅くの駅のホームや構内、はたまた繁華街の片隅にこんな「吐瀉物」をよく見かけた。
そんな見た目にたじろぐが、とてもウマかったこの一品は池袋の「喃風」というお好み焼屋で食べた。この店、姫路風「どろ焼き」なる得体の知れないお好み焼で人気らしい。雑居ビルの中で目立たない感じで営業しているが、かなりの繁盛店。
どろ焼きもお好み焼も食べてみた。生粋の東京人である私にとって、粉モンの味にこだわりはない。というか、よく分からない。どちらも空腹だったから美味しかった。
炭水カブラーである私としては、満腹気味になってから出てきた「そばめし」に感激した。「そばめし」なる悪フザケ以外の何ものでもない食物に出会ったのは、もう10年ぐらい前だろうか。
何度か食べてきたが、この店の一品は妙においしく感じた。多分、麺とご飯の分量の成せるワザだろう。黄金比とでも言おうか。大げさでスイマセン。
あくまで米を主役に麺を「具」と位置付けたバランスのせいで、「そばめし」特有のどっちつかずの不気味さが解消されていた。また食べたい。
「そばめし」というアンタッチャブルみたいな食べ物に文字数を費やすのも微妙なので話題を変える。
「富豪」を名乗る以上、もう少し高級路線の店を書こう。といっても池袋村だ。この街でそれなりに美味しくゆったり食事が楽しめる店はほぼ存在しないのだが、ホテルメトロポリタンにある中華料理「桂林」は評判がよい。実際に美味しい店だと思う。
広東料理だけでなく、四川系のメニューも本格的で、特製担々麺などは、ホテルレストランとしてはオキテ破りぐらいのちゃんとした辛さが楽しめる。
画像はピータン豆腐。読んで字の如く、ピータンのブツ切りと豆腐を特製ダレといっしょに味わう。酒飲みにはタマランチンである。
熱くした紹興酒と一緒に味わえば、尖閣問題でも対中融和路線に安易に乗っかりそうな気分になる。
続いては、虎ノ門というか、霞ヶ関の外れにある人気のステーキハウス「ルース・クリス」でのディナーの話。
アメリカ直輸入スタイルのステーキといえば赤坂の「ロウリーズ」が有名だ。ここも似たようなものだろうと出かけたのだが、プライムリブとかではなく、直球勝負のステーキがウリみたいだ。
全体に高級感を出そうと頑張っているのだが、随所にファミレス的雰囲気を感じる。正直言って価格とのアンバランスさが気になった。
違っていたら申し訳ないが、きっと本国では気軽なチェーン店なのだろう。肉以外のメニューの内容や、皿などの調度類を見る限り、もう少しカジュアル路線だと分りやすい。
気軽な肉食といえば、韓国料理だろう。次は新大久保にある「徳水宮」というレストランの話。すっかりコリアンタウンになってしまった異界・新大久保では老舗の部類だろうか。今では日本でもポピュラーになったデジカルビをウリにする店だ。
サンチュとミソをでっぷりつけて食べる豚カルビは牛肉よりも軽くてワッセワッセ食べられる。韓国焼酎をロックで煽りながら、「マシソヨ~」とか叫んでいると、竹島問題でも対韓融和路線に走ってしまいそうでヤバい。
やはり食は和系に限る。食べ終わって数時間後に振り返った時、心からウマかったなあ、明日も食いたいなあと思えるものがホンモノだろう。
私の場合、そう感じるのは和食の時だけだ。カルパッチョだったら、醤油とわさびで刺身にしたほうがウマいと思うし、変なフライだったら、中濃ソースとかトンカツソースが恋しくなるし、魚のムニエルだって、普通に大根おろし付きの塩焼きが勝っていると思う。
つくづくドメスティックな「ドメ男」だと思う。
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