2013年11月15日金曜日

グラナダ 魅惑のアルハンブラ


若造の頃、グレナデンソーダなる飲み物をよく飲んだ。ザクロのシロップがベースになっているとか。

スペイン・グラナダの地名も元々はザクロに由来しているそうだ。街中の看板や表札にザクロの絵が描かれている。

グレナデンソーダと関係があるのかは知らないが、ザクロはイスラム文化と関係が深いらしい。最後のイスラム王朝のあったグラナダでしっぽり味わいたいと考えていた。

いざグラナダに滞在してみたら、街歩きに疲れ果てて、日々レッドブルばかり飲みまくってグレナデンソーダのことはすっかり忘れてしまった。

そのぐらいグラナダの街歩きは楽しかった。スペインでもアンダルシア地方は一種独特な雰囲気で人気を集めている。イスラム支配時代の史跡が数多く残り、街を散策すると水タバコを置くアラブ風のカフェがあったり、どことなくエキゾチックな空気が漂う。


「世界遺産の中の世界遺産」とも言われるアルハンブラ宮殿が有名だが、その向かいの丘陵に位置するアルバイシン地区も集落全体が世界遺産に登録されている。

くねくねと迷路のように細い道が連なり、白壁と石畳で作られた旅情タップリの雰囲気が旅人を魅了する。

坂道ばかりで実際に歩くとヘトヘトになるのだが、それでもくねくね道をさまよいたくなる不思議な魅力がある。


この画像は、最近、週に5回はジョージクルーニーに似ていると言われる私(スイマセン)が佇んでいる画像だ。この場所は結構広いほうだ。これよりはるかに狭い道が続く。郵便屋さんとか宅配業者だったらノイローゼになるのは確実だと思う。

さて、グラナダのハイライトといえばアルハンブラ宮殿である。イスラム王朝がキリスト教勢力に駆逐された後もその美しさ故に破壊されずに残されたイスラム文化の最高傑作とも言われる歴史的遺産だ。

★画像クリックで拡大表示されます。












ただただ圧巻である。アラベスク模様というのか、幾何学模様というのかよく分からないが、精緻な細工にしばし見とれる。

水面を映し鏡に利用したり、日の光を計算した透かし彫りなど、先人の技が随所に散りばめられている。

追放されたイスラム王朝最後の王が、宮殿を振り返って涙に暮れた話も郷愁を誘う。

クラシックギターの名曲である「アルハンブラの思い出」を旅行出発前にやたらと聞き込んでいたので、モノ哀しげな旋律が頭から離れない感じだった。

http://video.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%81%AE%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA

世界中から集まってくる観光客の3割ぐらいの人は、きっと頭の中で同じメロディーが流れていたはずだ。絶対そう思う。

もう半世紀近く生きてきたが、観光名所といわれるところで感動したのは、小学校4年生の時に見た姫路城以来である。そのぐらい感動した。よくわからない例えでスイマセン。



グラナダの宿はインターネットで一生懸命調べた四つ星のプチホテル「Palacio de Mariana Pineda」。日本語での情報が一切無かったので、ちょっと心配していたが大当たりだった。

なんといっても部屋のテラスからアルハンブラ宮殿が見える。この土地に来てこれは最高の贅沢だ。中心地の広場まで徒歩2分だし、すぐ裏手の丘陵をのぼっていけば前記した白壁と石畳のアルバイシン地区である。


ホテルの前の石畳の小道は川沿いで清々しい空気に満ちている。夜は夜で宮殿の灯りや周りの建物の灯りに照らされ実にムードたっぷり。西洋人のキスシーンばかり目撃するハメになった。

部屋の作りも面白かった。ベッドルームとバスルームを結ぶ廊下が妙に長く、廊下の途中には洒落たテーブルと椅子がセットされている。廊下からはホテルの中庭が見下ろせる不思議な空間になっていた。



大都会じゃない場所だし、それっぽい情緒に満ちた宿に泊まりたかったので、ここを選んだ自分の感度を誉めてやりたくなったほどだ。値段も手頃でスタッフも親切だったし、これからグラナダ行きを計画している人には是非お勧めしたい。

ちなみに前回書いたボローニャのホテルに比べると半額以下で泊まれる。こんな宿に1週間ぐらい滞在したら気の利いた短編小説ぐらい書けるような気がする。

さて、グラナダで印象的だったのがハマムである。アラビア式の公衆浴場とでもいうのだろうか。歩き疲れた身体を癒やすには最高だった。撮影禁止だったので興味のある人は公式サイト(http://granada.hammamalandalus.com/en/)を覗いてください。

アルハンブラ宮殿をモチーフにした幻想的な薄暗い空間に熱いお湯、ぬるいお湯、水風呂とスチームサウナがあって、マッサージコースとか垢すりコースがある。


水着着用の男女混浴で、なんとも神秘的な入浴体験が出来る。グラナダには二泊したのだが、二晩ともハマムでまったりした。露天風呂があれば最高なのだが、そこまで贅沢は言えない。

ブラジリアンカットのビキニを着た白人のオネエサンを眺めながら浮き世を忘れる。とかいいながら、きわどいビキニのオニイサンがサウナで私の横に寝転がってきたからビビったりもした。

グラナダ全体の物価と比べると料金が妙に高かったから、こればかりは観光客値段なんだろう。でも、1万歩以上歩いた日に大浴場に浸かって、足腰をマッサージしてもらえただけで万々歳である。

スペインといえば米ラバーの私としてはパエリアは外せない。バルセロナでもグラナダでも連日パエリアを始めとする米料理を攻め続けた。

ここグラナダでは老舗の人気バル兼レストランの「LEON」という店で食べたパエリアが美味しかった。店によっては塩が強すぎたり、米が柔らかすぎたり不満が残ることもあったが、ここはバランスが取れていた気がする。


まあ、たいてい空腹でかっこむわけだし、旅の高揚感もあって何でもかんでもウマいと感じてしまうのが真相である。

でも今回、結構な日数をスペインで過ごしたが、一度も日本料理屋に行こうとしなかったことを思うと、食べ物が口に合っていたのは確かだろう。

フィリピンあたりに行けば初日から和食屋に出かけ、美食の都といわれるパリですらカップラーメンをホテルですすっていた「ドメスティック野郎」である私としては画期的なことである。

次回はバルセロナのアレコレについて書きます。

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