許されるものなら毎日トンカツが食べたい。
誰かに禁止されているわけではないのだが、エブリデイ・トンカツでは際限なくデブになって「共食い」とか言われそうだ。
死ぬ前の最後の一食を選べと言われたら私はトンカツを選ぶ。もちろん、惑星の衝突なんかで元気なまま死んじゃう場合の最後の一食である。
ちなみに弱って死んでいく場合の最後の一食は生卵かけご飯が好ましい。
さてさて、先日ウマいトンカツを食べた。神田・小川町にある「ポンチ軒」に行ってみた。かなり評判の高い店だ。
肝心のトンカツ以前にホッピーがメニューにあったことが驚きである。評判の高いトンカツ屋さんの多くが、トンカツとご飯を黙々と食べるだけのイメージである。
ビールや日本酒はともかく、ホッピーがあるのは嬉しい。個人的にホッピーは揚げ物や豚肉と相性が抜群だと思っているので上等なトンカツとの組み合わせはバンザイである。
さて、ポンチ軒の話だ。店内は昭和レトロを意識した造り。一品料理や飲み物リストもそこそこ揃っていて、飲み屋さん感覚でも便利に使える。
牛すじ煮込みや枝豆をもらってグビグビ。トンカツの前にカキフライを食べる。ビールからホッピーにチェンジして少しづつ酔う。
注文しなかったが、メニューにはハムカツとかメンチポテトコロッケなど昭和の定食屋風のツマミも用意されていた。
トンカツは素直にウマかった。肉質、肉の甘味、揚げ方それぞれにバッチリで、ホロ酔いで楽しんでいると、トンカツがある星にトンカツがある時代に生まれて良かったと心底思った。
トンカツのルーツであるカツレツは、コートレットだかカットレットと呼ばれるフランス料理が元祖だとか。
元々は、スライスした肉にパン粉をつけてフライパンなどで炒め焼きする料理だったらしい。
明治時代以降、西洋料理を上手にアレンジしてきた日本人は、トンカツ分野でも日本的な改良を加える。
炒め焼きより揚げたほうがカラっと出来あがるし、調理の効率性にも優れていたので、いまのスタイルが定着するようになったわけだ。
調理法だけでなくトンカツソースという近代ニッポンの最高の発明品が我が愛しのトンカツを崇高な逸品に完成させた。
いまどきはトンカツにまで「塩でどうぞ」という間違った風潮があるが、あれは問題外だ。ソースあってこそのトンカツだと思う。
ヨーロッパで食べるウインナーシュニッツェルやミラノ風カツレツなどはちっともウマいと思わない。あんなものレモン絞って食べたってウマいはずがない。
諸外国の「衣まぶし豚肉の炒め焼き」のような料理はトンカツの元祖かもしれないが、あくまでトンカツとは似て非なるものだ。あえて言えばトンカツソースの素晴らしを逆説的に実証するためだけに存在しているように思う。
なんだか熱く語ってしまった。あくまで個人的な主張です!
トンカツソース無しでも味噌カツは味噌カツでウマい。卵でとじたカツ丼もウマい。でも、やはり上質なトンカツを前にしたらトンカツソースに勝るものはない。
なんだかトンカツの話なのかソースの話なのかゴチャゴチャになってしまった。
まあいいか。
それにしても今日もトンカツが食いたい。
2 件のコメント:
富豪記者殿
揚げ物にはホッピー、これはもう激しく同意します。揚げ物には最強の、飲み物ですね。ホント、せっかく揚げ物にぴったりな飲み物があるのに殆どの店にホッピーが置いていないのはもったいないというか残念だなぁと思います。
道草人生サマ
本年もよろしくお願いいたします!
ホッピーはメーカーの戦略でだいぶ一般の飲食店にも浸透してきましたが、
まだまだ場末の大衆酒場専用というイメージが色濃いですね。
確かに揚げ物をウリにする店では普通に置いて欲しいですね。
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