言葉のイメージは面白いもので、「夜の〇×」、「大人の△〇」などと言われるとナゼだか色っぽいことを想像してしまう。
かの浜松銘菓・ウナギパイは「夜のお菓子」というネーミングで全国的に知られるようになった。
もともと土産に買って帰宅した後、家族揃った夜に食べるという意味合いだったらしい。もちろん、世間サマはそうは解釈しない。
精力増強効果のある「ウナギ」と「夜の」が合体しちゃった以上、ムホホなことをイメージしてしまうわけだ。
「夜の食事」と聞いてもなんてことはないが、「夜のお付き合い」となると何かと妄想してしまう。
「生活」「営み」「関係」といったごく普通の言葉だって「夜の」をつけると途端にイヤらしい空気を漂わすから面白い。
「個人授業」「ため息」なども同様だ。「夜の~」効果はなかなか破壊力がある。「夜の運動会」「夜の格闘技」「夜の棒倒し」等々、ナゼだか全部エッチに聞こえてしまう。
「夜の家庭教師」。なんだか勝手に興奮してしまう。
私だけだろうか。。
「大人の」も似たような感じだ。「関係」「お付き合い」など、大人バージョンだと怪しい響きになる。
カタカナの「オトナ」は一層怪しくなる。「おもちゃ」という可愛い言葉も一気にエロ用語に変身する。「遊び」だって「オトナ」がつけばややこしい意味合いになる。
「オトナの指使い」「オトナの実験室」「オトナのレッスン」「オトナのソーセージ」「オトナのチョコバナナ」・・・。
ソーセージやチョコバナナまであらぬ疑い?をかけられるほどの威力がある。
いま、正真正銘のオトナとして生きている私としては実に複雑な思いだ。
こんなことを書きたくなったのは、久しぶりに作詞活動に励んだからだ。つくづく言葉をつなぐことは奥深い作業だと痛感している。
わがオジサマバンドは今年もライブを予定している。12月の開催なので、オリジナル曲としてクリスマスをテーマにした新曲を考えている。
これまで作ったオリジナルは詩先だ。すなわち、私が詩を作ってから友人が曲をつけてくれていた。
今回は曲先のパターンに挑戦中だ。この歳になってから作曲教室に通って頑張ってくれているバンドメンバーの旧友が先に曲を完成させた。
彼の鼻歌を録音した音源データを繰り返し聞きながら詩のイメージを膨らませていたわけだ。
そういえば「膨らます」という言葉も「夜の」をつけるとイヤらしい。「夜の膨らみ」。。。なかなか素敵だ。
話がそれた。軌道修正。
で、クリスマス縛りの詩を一生懸命考えて8割方完成した。ありきたりの言葉を並べただけだが、中年男女が歩んできた歳月をクリスマスに振り返って愛情を確認するという設定になった。
気ままなシングルライフを過ごしている私としては、自分の境遇とまるで違う設定でそれっぽい詩が書けたわけだから上出来である。
曲のタイトルは「夜のクリスマス」か「オトナのクリスマス」にしようかと思ったが、ちゃんと真面目に作ったからもう少しマトモなものにしようと思う。
そういえば曲を作ってくれた友人も今は独り身だ。作詞作曲者ともに実生活とはまるで違う内容の歌を作ってしまったわけだ。
まあ、叶わなかった生き方を歌の世界に託すのも悪くない。
オトナのたしなみである。
2 件のコメント:
夜の膨らみ...という小説、ありますよ。ただし「ひらがな」ですが。
『よるのふくらみ』窪美澄(新潮文庫)
極上の、大人の恋愛小説です。
それにしても、作詞なさった曲、聴いてみたい!です。
由乃さま
ありがとうございます!
よるのふくらみ、興味アリアリです。。
新曲は12月のライブでやるつもりですので、よかったらぜひ聴きに来てください!
コメントを投稿