馬はウマい。ダメオヤジのダジャレみたいだが、実に味わい深いから大好きである。刺身に限らず、焼肉や鍋もウマい。
もともとは「男の食い物」である。文字通り馬力をつけるために昔の男衆がこぞって食べたのが馬である。
江戸の頃には、吉原遊郭の近くに数十軒もの桜鍋の店があったそうだ。「蹴飛ばし屋」とも呼ばれていたとか。そのぐらい速攻で元気になる食べ物だと認識されていたわけだ、
低カロリー高タンパク、美肌効果もあることが知れわたって、いまや女性もバリバリ馬肉をむさぼっている。昔カタギの私からすれば「馬肉屋で女子会」などと聞くと妙な気分になる。
そんなことを書くと差別論者みたいだと叱られそうだから適当にしておく。かく言う私も女性を馬肉料理屋に連れて行ってさんざん食べさせる。
専門店以外でも居酒屋あたりでは、しょっちゅう馬刺しを見かける。流通や冷凍冷蔵技術の進歩で臭みのある馬肉に遭遇することはなくなった。嬉しいことだ。
脂肪分は牛肉に比べると5分の1だとか。鉄分やカルシウムは豚肉の3~4倍らしい。鉄分や亜鉛も豊富で、元気の源であるグリコーゲンとやらもドカンと入っているのが馬肉である。
血圧を下げる作用まであるらしい。まさにオジサマ族にとってはスペシャルな食べ物だろう。
ちなみにこれは馬のタン刺し。馬とディープキスを延々としているような気分になるが、なかなか官能的な味わいだった。
さて、馬肉はウナギ同様、精がつく食べ物の代表格だが、栄養豊富な食べ物に囲まれている現代人は、そうした有難いエネルギーを実感することはない。
私自身、ウナギや馬肉をしこたま食べたからといって、アッチ方面のパワーがみなぎった記憶はない。
いや、もしかしたらウナギや馬肉をまったく食べていなかったら、ヘナヘナヨボヨボな日々を過ごしているのかもしれない。
銀座1丁目の仲巳屋という店で出てきた馬肉ヒレカツである。ハヤリの牛カツっぽい雰囲気だ。甘めのソースとの相性も良く、ムホムホ食べた。
銀座界隈には「こじま屋」、「馬春楼」といった馬肉専門店があるが、大ざっぱに言えば前者は焼肉系、後者は鍋系だ。こちらの店はコース仕立て系とでもいったところか。
私が一番好きな馬肉料理屋は江東区森下にある老舗「みの家」だ。味噌ベースの割下で食べる桜鍋が抜群にウマいだけでなく、下足番がいるような店の風情が独特だ。
立地の関係でなかなか行く機会がないのだが、今の住まいからは思った以上に近いことに気付いた。
涼しくなってきたら、あの鍋を突っつきに出かけたい。
2 件のコメント:
いよいよ馬肉ですか。
熊本の馬肉は最高ですよね、脂も乗ってて言うことありません。長野の馬肉はちょっと苦手です。
私は中江の脂身が多い鍋が大好きで、何枚かお代わりして、するすると入ってしまいびっくりしたのですが、翌日まで食欲がなかったのを思い出します。結構重いんだな、と思った次第です。
「夏のどじょうも卵があってうまいですぜ」と言われていたのに、今年は駒形に行くことなく終わってしまいそうです。
佃在住サマ
やはり脂身が多いと馬といえども重いですよね。すべてにおいて、すっかり赤身派になってしまいましたが、豚と馬とカツオは脂身にも手が出ます!
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