2020年7月17日金曜日

牛肉「コバウ」「ロウリーズ」


長生きしたいか。誰もが一応は長生きしたいと漠然と考える。ただ、今の時代は長生きといえば90才や100才という凄い話になる。

果たしてそこまで生きたいのか。何とも微妙だ。健康で経済的に問題なく何の憂いもないなら100才だって結構だが、現実はそうもいかない。

となると、長生きの定義はつくづく難しい。たとえば、健康に問題なく経済的にもそれなりに困らない状態で70才の時にポックリ死んじゃうケースと、困窮して長い間寝たきりになってしまった90才とではどちらが良いのか。

一概には言えないのかも知れないが、今の私なら前者のほうが幸福だと思う。多くの人がそういう考えだろう。

日本人の平均寿命が50才を超えたのは大正時代からだそうだ。それまでは70才だって充分過ぎるほど長寿だったわけだ。江戸時代なら今の私だって立派なご隠居年齢である。

日本人が長寿になった理由はいくつもあるが、肉を食べるようになったこともその一つだという。動物性タンパク質はいくつになっても大事な要素である。

健康的に長生きした人は晩年も肉をしっかり食べていたというのはもはや常識だ。私の祖父も死ぬまでステーキを食べていた。

もちろん、健康に良い肉は赤身肉である。肉といえどもベーコンやソーセージは塩分や添加物のせいで逆に寿命を縮めるらしい。

私はステーキだったらソーセージのほうが好きだから要注意である。ステーキや焼肉は滅多に食べなくなった。牛肉が重たく感じてついつい敬遠してしまう。




先日も付き合いで仕方なく焼肉屋に出かけたが、霜降りチックな色の肉を見るだけでゲンナリしてしまう。実にだらしないと思う。

銀座にある「コバウ」という店だ。上等な肉を揃える感じの良い店だが、私の中では「上等な肉イコール脂っぽい」という思い込みがあるから、この日もテールの煮込みとかチャンジャをツマミに酒を飲むことに専念してしまった。

別な日、久しぶりに溜池山王にある「ロウリーズ」に出かけた。プライムリブ、すなわちローストビーフが人気の店だ。

詳しくは知らないがローストビーフは、いわゆる蒸し焼きで作られるもので、カロリーの点でステーキよりもヘルシーだという。

確かに赤身肉中心のここのプライムリブなら、私もゲンナリするどころかぺろぺろ食べてしまう。

「牛赤身肉の蒸し焼き」。そう言ってしまうとマズそうだが、この店のプライムリブはサッパリソースと西洋わさびの組み合わせが絶妙で素直に美味しい。



40年前は1キロのステーキを余裕で平らげた私である。今だって脂っぽくなくて好みに合致すればドカドカ食べられるわけだ。

450グラムほどのデカいヤツだって骨と脂の部分を除けたら300グラム弱だろう。食べた部分は赤身だから食後にクドい感じも残らない。

こういう赤身肉を定期的に食べればタンパク質摂取の点では良いのだろう。でも、自ら率先して牛肉を食べに行く気分にはならない。肉は肉でも鶏や豚のほうに目がいってしまう。

そんなことでは長生きは無理だと思うが、さっき書いたようなヤバい長生きならゴメンだから、それはそれで問題ないような気がしてきた。

とはいえ、今の私の行動範囲である中央区界隈には評判の高いステーキ屋がたくさんあるから、せっかくだから時々は赤身肉を食べに行くようにしたい。

最近聞いた話では鉄分が不足すると貧血だけではなく、うつっぽい症状にもつながるらしい。

変な世の中になってしまったせいで、最近は気分があがらないことが多い。鉄分をしっかり摂って気分を晴れやかにしようと思う。


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